- まえがき
- 第T章 小学校中学年「読むこと」の国語科授業デザイン
- 1 中学年の「読むこと」の力
- 2 「読むこと」の単元の授業改革
- 3 学習指導要領の趣旨を生かした「読むこと」の授業づくり
- 4 中学年の「授業のしかけ」
- 第U章 小学校3年「読むこと」教材別授業モデル
- @説明的な文章〈科学読み物〉
- 科学読み物を読んで,感想を伝え合おう 『イルカのねむり方』『ありの行列』
- A説明的な文章〈調査報告文〉
- 文章と絵図・写真とを関係付けながら読もう 『人をつつむ形―世界の家めぐり』
- B文学的な文章〈ファンタジー〉
- 対話しながら読み,物語の続きを書こう 『海をかっとばせ』
- C文学的な文章〈物語〉
- 物語を読んで,ブックトークをしよう 『サーカスのライオン』
- D文学的な文章〈物語〉
- 心に残ったことを感想文にまとめよう 『ちいちゃんのかげおくり』
- E文学的な文章〈物語〉
- キャラクターに注目して,物語を紹介しよう 『モチモチの木』
- 第V章 小学校4年「読むこと」教材別授業モデル
- @説明的な文章〈研究報告文〉
- 引用したことを自分の考えに生かそう 『大きな力を出す』『動いて,考えて,また動く』
- A説明的な文章〈観察報告文〉
- 疑問や感想をもって読み,分かりやすい説明を加えよう 『ヤドカリとイソギンチャク』
- B説明的な文章〈解説文〉
- メディアによる説明のくふうをとらえよう 『アップとルーズで伝える』
- C文学的な文章〈ファンタジー〉
- ファンタジーのシリーズを読んで,紹介しよう 『白いぼうし』
- D文学的な文章〈物語〉
- 伝えたいことを明確にして,読書会を開こう 『一つの花』
- E文学的な文章〈物語〉
- 新美南吉の本の帯を作って,交流しよう 『ごんぎつね』
- あとがき
まえがき
平成23年4月,全国の小学校において新学習指導要領(平成20年3月28日告示)が完全実施されました。今回の国語科改訂の要は,基礎的・基本的な知識・技能を活用して課題を探究することのできる国語の能力を身に付けることに資するよう,実生活のさまざまな場面における言語活動が具体的に示されたことです。小学校においては,日常生活に必要な国語の能力の基礎を確実に育成することが重要です。こうした時代の要請や全国学力・学習状況調査等において明らかになった子どもたちの課題を踏まえ,新しい国語科授業を創造していくことが求められています。
そこで,本書では,「読むこと」の新しい授業像を描くことができるよう,身に付けるべき能力を明確にし,指導と評価との一体化を図ることに主眼を置きながら,単元全体を具体的に構想しました。とりわけ,中核教材となる教科書教材の特性を押さえた上で,身に付けるべき能力を選定しています。教科書教材は定番をはじめ,教科書改訂による新教材も取り上げています。さらに,単元の一連の学習過程を明確化し,読者主体の言語活動を活発に行うように構想しました。子どもたちの言語生活と関連付けるなどして学習意欲を喚起しながら学習課題を設定し,その課題の解決を図る必然性のある言語活動を提示しています。また,授業で使えるワークシートや指導に役立つワンポイント,コラムなどを掲載し,授業像が膨らむように工夫しました。
本書は,京都教育大学の森山卓郎氏,佛教大学の達富洋二氏,文部科学省の水戸部修治氏との共編著です。各単元の授業構想は,全国各地の優れた実践者と共に検討を重ねました。コラボレーションすることで,国語科授業の発想が豊かに紡ぎ出されたことに喜びを感じています。
なお,本書は,低・中・高学年とシリーズになっています。是非合わせて参考にしていただき,これからの国語科授業の新常識へと共につながっていただくことを願っています。
文部科学省 国立教育政策研究所 /樺山 敏郎
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