家庭教育ツーウェイ 2006年5月号
とび箱がとべた・わり算が分かった ―参加してよかった子どもTOSSデー

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家庭教育ツーウェイ 2006年5月号とび箱がとべた・わり算が分かった ―参加してよかった子どもTOSSデー

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ジャンル:
その他教育
刊行:
2006年4月7日
対象:
幼・小
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 集まれ!わり算・とび箱が苦手な子―親子で参加しませんか!子どもTOSSデー
親が最も注意すべきことは、「学校の授業で教科書をきちんと教えているかどうか」です。教科書を教えていない教師がいっぱいいます。
向山 洋一
成功体験―とび箱が跳べた
一五〇人を30分で跳ばせる向山型とび箱指導
舘野 健三
すてきな絵が描けた
子どもTOSSデーで酒井式絵画指導法を学んで
上川 晃
計算のやり方が分かった
長丘幼稚園での開催!最高の応援団結成へ
小田原 誠一
びっくりした理科実験
子どもも親も熱中!理科日本一の先生がオススメするヒイラギの葉の「葉脈しおり」づくり
木村 重夫
最先端インターネット活用の授業
子どもが生き生きと活躍する子どもTOSSデー
金子 政利
最先端小学校英語の授業
成功体験がいっぱい「英語で学ぼう教室」
吉田 晴美
五色百人一首の講座
初めてでも安心、にっこり楽しい五色百人一首講座
白井 輝
我が県の子どもTOSSデーのドラマ
【秋田】どんな子も参加でき、「楽しい」を合言葉に
間嶋 祐樹
【福島】「勉強が嫌い」と悩む子、それを見て悩む親。県境から二時間かけて参加した親子が笑った。
吉川 誠仁
【茨城】保護者からの感想〜子どものがんばる姿に感動しました!
桑原 和彦
【長野】「勉強って楽しいな」―親子で勉強の楽しさを体感!
末廣 真弓
【兵庫】不登校の子どもが初めてとび箱が跳べて、保護者は涙!涙!夏休み宿題解消講座で子どもも保護者も大喜び!
木村 孝康
【和歌山】人のつながりが事をなす
畑屋 好之
【福岡】幼小連携から各地への拡大
八和田 清秀
【岡山】絵画教室、勉強のやり方、保護者講座と内容盛りだくさん!
小野 隆行
感動の名場面
二つの「ありがとうございました」
猿渡 功
「跳べた!」「楽しい!」「またやりたい!」達成感、成功感を味わった最高の笑顔
小瀬村 雅子
やる気がなかった子が最後は「ありがとうございました」と言いにきました。
末光 秀昭
保護者の感想
「今日の先生方に当たるのは、宝くじに当たるのより難しいと思いました」
体験・感動は、子どもだけがしたのではなかった!
雨宮 久
子どもの力を伸ばすきっかけになった一日
越智 敏洋
「ありがとうございました」の声に、ただただ感謝
坂田 幸義
教師の準備・裏話
どれもやりがいがあり、楽しかった
平松 孝治郎
参加者全員に成功体験を味わってもらうために
秋田 泰宏
わが子が喜んだ子どもTOSSデー
岩田 秀樹
一番頭を使ったこと
松垣 和年
ミニ特集 逆上がりができない子の指導法
指導補助教具、くるりんベルト
向山 洋一
「もとになる動き」と「くるりんベルト」を使って
渡辺 嘉男
鉄棒くるりんベルトを使用した感覚作り
千野 毅
物・指示で変わる逆上がりの指導
吉原 尚寛
「逆上がり」という困難な壁を突破した喜び、達成感が子どもを変えた
杉本 友徳
意欲をもって練習し、それを持続させることが大切です
白石 周二
今月の名言・格言・ことわざ (第2回)
二兎追うものは一兎をも得ず
岩野 節男岩野 紀子
向山編集長が語る「今月の名言・格言・ことわざ」 (第2回)
二兎追うものは一兎をも得ず
向山 洋一
〜「一時に一事」は指導するときの最も大事な原則です。〜
編集前記
師尾 喜代子
子どもTOSSデー全国事務局から
勉強ってこんなに楽しい。
勇 和代
全国各地にTOSS式子ども地域教室を!
「土曜ふれあいスクール」が開かれるまで
寺田 真紀子
幼児のドラマ、小1のドラマ、小2のドラマ
幼児/着替えとの格闘
細谷 華世子
小1/「先生、おれがやったるわ」
家根内 興一
小2/難しい七の段で初めての一発合格
木田 庄継
小3のドラマ、小4のドラマ、小5のドラマ、小6のドラマ
小3/お金では買えない絆を作ったAさん
渡辺 良平
小4/漢字テスト満点でAくんが変わった
戸村 隆之
小5/とび箱を跳べたA子が変わった
堀 達也
小6/A子の行動がクラスの子たちを変えていった
山田 仁
礼法専門家から見た子どもたちの立ち居振る舞い
けがれのない、純真無垢な子どもの心
笹谷 都巳子
子どもさんは私の教師
田辺 光江
つぶやきに見る子どもの成長
つぶやきに学ぶ
水野 茂一
〜負うた子に教えられる・怒るより大事なこと〜
シングルエイジ時代(0〜9歳)教育のポイント
過程を見せることが忘れ物をなくす
水野 美保
PTA会長奮戦記
PTA活動の思い出
磯辺 正道
SOS 子ども・親が電話相談をする時
誘拐が心配(2)
波多野 ミキ
保健室から1ページ
携帯電話の不安は、幼い頃のテレビ・ゲームから!?
松島 裕美
こんなときどうする?平山先生!
忘れ物が多くて困っている/注意力が散漫
平山 諭赤木 雅美
子育て日本の教育「貝原益軒・細井平洲・森信三」
江戸時代発「読書のすすめ」
松崎 力
藍川メソッド・音楽教育“常識”の間違い
赤信号は進め?!
藍川 由美
食育・親子で楽しく・ここがポイント
箸の持ち方をクイズとゲームで楽しく
並木 孝樹
キャリア教育のポイント
「フリーター・ニートになる前に受けたい授業」参観記(1)
川神 正輝
数字で見る子どもの姿
ご褒美の教育的効果は?
明石 要一
中学から見た基礎基本
ノートを使う。すぐれた教材を使う。そして学力を高める。
佐藤 泰弘
教師・読者座談会 (第14回)
有村学級のみなさんと教育について様々なことをお話しました。
有村 春彦
親子で挑戦ペーパーチャレラン
たて・よこ・ななめチャレラン
伊藤 亮介
親子でたいそう
動物に変身!ゾウ、ワニ、ライオン、そして次は…
村田 斎
親子で漢字文化ワーク (第14回)
神谷先生・辻野先生の漢字文化教室
神谷 祐子辻野 裕美
ライフスキル教育
NHKで放映された「火の鳥」の授業
細羽 正巳
最前線・英語教育
作文道場:5分英作文指導で書く力をつける
レベラントピーター
最前線・インターネット教育
教師のボランティアで成り立っているサイト。日々進化しています。
小貫 義智
母親ネットワーク
「保護者学習会」を始めてみませんか?
西岡 美香
校長が語るこれからの学校教育
故徳永康起と「ごぼくの子」の師弟愛
吉永 順一
読者のページ
編集部ニュース
現代っ子アンケート・子どもインタビュー
「就寝時間」「起床時間」は家庭できちんとしつけたいもの
平田 淳
TOSSインターネットランドで勉強しよう!
都道府県パズル
寒河江 恒太鈴木 恭子

集まれ!わり算・とび箱が苦手な子―親子で参加しませんか!子どもTOSSデー―

親が最も注意すべきことは「学校の授業で教科書をきちんと教えているかどうか」です。教科書を教えていない教師がいっぱいいます。

向山洋一

本誌編集長/日本教育技術学会会長/千葉大学非常勤講師

無料の世界最大の教育情報サイト、インターネットランド主宰

TOSS(会員1万名の教師の研究団体)代表


「算数ができない」ということで悩んでいる保護者がたくさんいます。

 原因は、粗くいって三つあります。

 第一は「子どもが理解する能力」が低い場合です。

 三十人学級で、一人か二人というところでしょう。

 第二は「幼ない時から、自由放任で育てたため、学習のしかた、学習への態度が著しく欠けている」場合です。

 テレビ・ゲームが一日に三時間以上、が分かりやすい基準です。もしも、一日に五時間以上であれば、間違いなくそうなると断定できるほどです。

 第三は「教師が、授業をきちんとしていない場合」です。

 以上の三つの場合、どれも対策の方法があります。


「算数のできない状態」を「学校でやる市販テスト」で考えてみます。

「市販テスト」とは、専門の教材会社が作った教材です。

「力のある教師グループ」が執筆し、編集者と何度も何度も検討した教材です。

 全国には小学校で七社ぐらいの教材会社がありますが、どの会社のテストでも、一応、安心してつかえます。

 教師個人が作るテストがありますが、小学校の場合は、あまり感心できません。

 それは、教材の質があまりにも低いからです。間違いがある場合も少なくありません。

 マスコミでは「手作りのテストがいい」という論調がありますが、私が目を通した「教師が作ったテスト」(全国で三百例ほど見ました)で、「良かったテスト」は、一例もありませんでした。「まあ、まあのテスト」も一例もありませんでした。

「これは、ひどい」と思うテストが九割を越えます。

 小学校で「自作テスト」を作る先生の熱意はかいますが、結果はひどいのです。

 またS県のように「退職校長会」の作ったテスト、A県のように組合の作ったテストもありますが、どれも「全国水準」から十年は遅れているテストです。

 ですから、小学校の場合は、全国規模の教材会社の作った市販テストを基準にして考えます。

 TOSSの教師のクラスでは「学級平均九十点以上」が、一つの目やすです。

 平均点が九十点を越えるというのは、クラスの半分以上が百点、残りのほとんどが九十点前後、クラスで一番できない子が、七、八十点という感じです。

 最初は、クラス平均七十点前後から始まって、半年ぐらいでこのようになります。

 クラス平均七十点というと、九十点以上がクラスで五、六人。ほとんどの子が七、八十点で、五点、十点をとる子が十人近くいるという感じです。

「算数ができない子」が、クラスに十人近くくいるわけですが、教師は「家庭の責任、子どもの責任」と考えています。

 これは、完全に教師の責任なのです。

 同じ子どもを、TOSSの教師が担任すれば、平均九十点以上になるのですから。

 なぜ、こうなるのでしょう。

 それは「算数の問題解決学習」といわれる指導法に原因があります。

 文部省の算数教科調査官だった人が始めた方法で、「指導主事」「算数専門の校長」「附属小学校教官」などを中心に広まっています。

 その汚染率は、算数を熱心にやる学校では、日本全体で七〇パーセントになると思えます。

 市・町・村によっては、「市ぐるみ全部そうだ」という所もあります。それも、かなりの数です。

「算数の問題解決学習法」とは、どんな方法でしょうか。

 次のような方法ですが、授業参観で見た方も多いと思います。


一 教師が、文章題を大きな画用紙に書いて、黒板に貼ります。

二 十五分か二十分、子どもは、静かに考えます。

 (できる子は一分で終わるし、できない子は机につっぷしてしまいます。そこで、教師は、できない子にヒントを与え、できる子に他の方法をやるように言います。

 しかし、できない子はボーとしています)

三 四、五人の気がきいた子が、黒板の前で解き方を説明します。

四 教師が、長々と解釈を加えて、授業時間が大幅に伸びて終了します。



 このような授業で、一時間に一問を長々とやります。たまに、もう一問つけ加えることもあります。

 重要なのは、次の点です。


一、教科書を使わない

二、教科書の練習問題は、宿題にされる

三、計算スキル、計算ドリルも宿題にされる



 つまり、子どもは、学校で、教科書を習っていないのです。

 分らなくて、当然です。

 分るのは、塾に行っている子です。

 教科書の練習問題、スキル・ドリルも宿題に出されます。

 やってくるのは、塾に行っていた分っている子。

 まん中の子は「やってきたり、忘れたり」します。

「分らない子」は、やりようがないので、「宿題忘れ」です。テストの結果は悲惨です。「算数のできない子」のほとんどは、教科書を教わっていないのです。

 親が「うちの子は」と調べるのは簡単です。

 子どもの「算数ノート」を調べればいいのです。

「教科書の問題が一問残らずノートに書いてある」なら安心です。

「ノートがきれい」「ノートがゆったりしている」なら申し分ありません。

 TOSSの教師が教えると、教科書の問題をきちんとやるだけで、一年間に六、七冊のノートを使います。

 教科書の問題の半分も書いてなければ、「算数落ちこぼれ」になるのは当然です。

 この場合、担任に「教科書をきちんとやって下さい」と強く申し出るべきです。

 学校教育法で、教科書を使わなくてはならないと定められているのです。

「プリントに、教科書の問題をやっているから大丈夫」と言う人もいますが、嘘です。

 ちょっぴりやっているだけです。

 国語でも同じく、学校で教えないで漢字を宿題にしている学校、地域がいっぱいあります。

 いうまでもなく「計算」や「漢字」は、学校で、授業で教えるべきことなのです。

 教師の中には「計算、漢字は家で学べます」と、公言しているひどい人もけっこういるのです。

 こうした教師のひどいやり方は、子どもでは対応できません。親が守ってやるべきです。

 担任に言って駄目なら校長へ訴えます。

 それでも駄目なら、教育委員会に訴えます。

 それでも駄目なら、議員さんに、議会で質問してもらいます。

 ここまでやれば、直ります。


 もう一度いいますが、「算数で教科書を教えない」「ほとんど使わない」教師はいっぱいいます。

「プリント学習」をしている教師の多くはそうです。

 そのために「できない子」になっている小学生が、いっぱいいます。

 原因のうち「第三の原因」についてくわしく述べました。これが、最も大切だからです。

 教師がどのような授業をしているか、ということが一番大事なことであるのは、学校教育において当然のことです。

 もう一つ、百マス計算は「できない子」にとって害が大きすぎます。できる子にもマイナス面が多すぎます。

 小学生の時、百マス計算で苦しめられ、算数が大嫌いだった子がいます。中学で、「百マス計算でない勉強もあるんだ」ということで、数学好きになりました。

 県下の一流高校に入り、有名国立大学に進学しました。

 百マス計算をやっている人は、即座に止めることをおすすめします。

 普通の「計算」を百問やる方が、まだましです。

 計算がはやくなった子が一流大学に入るのなら、「ソロバン塾」に行ってた子は、全員一流大学に入ったはずです。

 そんなこと、ありましたか?

 全く、関係ありませんでした。


 私の実感では、軽度発達障害の子を含めてほとんどの子に、算数テストで満点をとらせられると思っています。

 授業時間だけでできます。

 放課後勉強、個別指導、授業の延長も全くなしでできます。

 教科書をリズムよく、テンポよく教えれば大丈夫なのです。

 でも、上手にできるためには、三年ほどの修業が必要です。

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