自閉症教育の実践研究 2007年2月号
4号 自閉症の子どもの主体性を引き出す授業づくり

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自閉症教育の実践研究 2007年2月号4号 自閉症の子どもの主体性を引き出す授業づくり

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2006年12月19日
対象:
小・中・高
仕様:
B5判 68頁
状態:
絶版
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目次

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特集 自閉症の子どもの主体性を引き出す授業づくり
特集について
上岡 一世
提言・自閉症の子どもの主体性を引き出す授業とは
教材研究の重要さ
太田 正己
主体性を引き出す授業づくりの実際
日常生活指導
〈朝の会〉見通しをもって取り組む朝の会
松河 弘子
〈清掃活動〉子どもが主体的に取り組む清掃活動〜わかる・できる状況づくり〜
久本 晃司
遊び
好きな遊びを通し,自分からの関わりが増えていったK君〜僕と一緒にバドミントンしようよ〜
コ永 英明
劇遊び「スイミー」
大坪 浩恵
生活単元
合宿「バスにのって市民プールに行こう」〜見通しと安心感を持てるようにする事前学習の進め方〜
森井 博之
みんなでうどんを作ろう!
入江 慶子赤木 利栄子
自閉症の子どもの販売学習における理解とコミュニケーションへの支援方法
原 由香
作業
材料の変化に興味を示す「ものつくり」学習
真鍋 千里
印刷作業でのN男への取り組み
阿部 修一
教科
〈国語〉マジックボックスを使った平仮名指導
岡田 義則
〈算数〉個別指導における「かいものごっこをしよう」の取り組み〜繰り返し学習とスモールステップによって〜
福庭 由也
〈音楽〉自ら考え自ら動く音楽活動(小学部3年生)〜友だちを意識して,一緒に楽しみながら活動する姿を求めて〜
樺島 祐子
〈図工〉「味わい」を生み出す授業づくりを目指して
古志野 智香
〈体育〉個々が輝く集団演技の開発〜運動会集団演技の取り組みから〜
國分 聡子
子どもの作品
石橋 美恵子
構造化のアイデア (第3回)
校外学習や学校行事のスケジュール紹介
有家 由佳子
〜見通しをもって自分から落ち着いて行動できるように〜
自閉症の子どもに効果的な教材・教具
『前養支援ツール』の紹介
中崎 美智子
自閉症の子どもに効果的な授業の工夫
具体物を用いたスケジュールで,自立的な行動を可能にした日常生活の指導
小松原 修
学校と家庭の効果的な連携の実際
確かな成長を図る,親の話をよく聞く
小松 栄生
こんな余暇の利用の仕方がある
卒後の豊かな生活を目指して
日隈 富貴雄
こんなパソコンの利用の仕方がある
自閉的傾向のある生徒への心理的な安定を図るためのパソコン活用
荒浪 千佳子鈴木 善彦
こうすれば不適切行動は改善できる
修学旅行をとおして不適切行動が軽減できた事例
松友 輝子
実践研究
よりよいコミュニケーション行動を引き出すための支援と対応
福田 浩
何でも教育相談室
中学校における高機能自閉症の生徒への支援
夛田 哲也
わが校の自閉症教育
十の力をもつ人が十の力をだしきることを五の力をもつ人が五の力をだしきることを
木津 美佐緒
本の紹介
『みんなの自立支援を目指すやさしい応用行動分析学』
上岡 一世
生きる力を身につける指導・支援 (第4回)
自然な支援の形成
渡部 匡隆
高機能自閉症の子どもへの対応法 (第4回)
適切な行動への気づきを促す
吉松 靖文
自閉症の子どもたちとのコミュニケーション改善法 (第4回)
行動上の問題へのアプローチとコミュニケーション指導
肥後 祥治
企業で働く人たち (第4回)
安心して働き続ける〜H君が教えてくれた就労支援の大切さ〜
千葉 雅弘
自閉症の子どもを育てて (第4回)
継続こそ力
赤川 初穂
就労を実現する自閉症教育 (第4回)
最大限の適応を目指す
上岡 一世
編集後記

特集について

自閉症の子どもの主体性を引き出す授業づくり


教師にとって「授業は命」と言われています。「1時間の授業で子どもを伸ばさなければ,それは授業とは言えない。教師は1時間の授業で一人ひとりの子どもを伸ばしてこそ教師と言える」と授業の重要性を強く訴える指導者もいます。この子どもたちは年間,約1300時間の授業を受けます。この1時間1時間の授業で子どもが確実に成長,発達したとすれば,言うまでもなく1年後には,すばらしい子どもに成長しているはずです。しかしながら,実際はどうでしょうか。むしろそうでない子どもが多いのではないでしょうか。特に自閉症の子どもについては,指導の難しさもあってか,思ったように変容が見られていないのが実態のようです。親から「1年前とどこがどのように変わったか見えない」「伸びているところもあれば退行しているところもある」「間違いなく1年前より退行しているような気がする」などという話を聞くこともあります。毎日授業をしている教師としては,少なくとも,親から「1年間受けてきた授業は一体何だったのか」,「自閉症の子どもは難しいで片付けていることはないのか」などといった,日々の取りみに対して疑問の声が出るようなことだけは避けたいものです。

今では,児童・生徒の半数近くが自閉症だという知的障害養護学校も少なくありません。特殊学級においてもこの傾向はみられ,自閉症の子どもが目立って多くなってきています。養護学校でも特殊学級でも自閉症の子どもがいないクラスはほとんどなく,自閉症の子どもを抜きにした授業は考えられなくなってきています。言い換えれば,自閉症の子どもに対する効果的な指導を考えなければ授業が成り立たない状況にあるのです。

では,自閉症の子どもたちが生き生きと主体的に活動できる授業とは,どういう授業をいうのでしょうか。どのような授業を行えば,1時間の授業で子どもを成長,発達させることができるのでしょうか。特集では,養護学校や特殊学級で,教育課程上,最も重視されている5つの学習形態(日常生活の指導,遊びの学習,生活単元学習,作業学習,教科学習)を取り上げ,それぞれの学習で,自閉症の子どもに,どのような授業を設定,構成し,教材を準備し,どのように支援,対応をすれば,意欲的に授業に参加できるのか,発達を促進できるのかを,考えてみました。

授業づくりの実際においては,自閉症の子どもたちと熱心に取り組み成果を上げている先生方にお願いして,主体性を引き出す効果的な支援,対応のあり方について,具体的な変容過程を示しながら述べていただきました。自閉症は個々により障害も能力も違い,個々に応じた取り組みが必要ですが,授業を成立させるためのポイント及び主体性を引き出すための基本姿勢は,日々の授業を行う上で,多くの先生方に参考にしていただけるものと確信しております。

(上岡一世)

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