自閉症教育の実践研究 2011年8月号
22号 子どもが大きく伸びる保護者との効果的連携

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自閉症教育の実践研究 2011年8月号22号 子どもが大きく伸びる保護者との効果的連携

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2011年7月20日
対象:
小・中
仕様:
B5判 68頁
状態:
絶版
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目次

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特集 子どもが大きく伸びる保護者との効果的連携
特集について
上岡 一世
1 提言/保護者連携のキーワード「3つのK」と連携の進め方の実際
長澤 正樹
2 効果的な保護者との連携の実際
事例1【小学部低学年】
キャリア教育の視点に立った保護者との連携
烏谷 真由美
事例2【小学部低学年】
適切さと一貫性と継続性
田野 大介
事例3【小学部中学年】
保護者の思いを受け止めて
高間 晴代
事例4【小学部中学年】
スケジュールへのこだわりが強い子どもに家庭と連携して向き合う
早坂 芳章
事例5【小学部高学年】
懇談会を通じて子どもたちに就労への第一歩を
丹羽 克文
事例6【小学部高学年】
連携とは学ぶこと、協働すること
山田 富美
事例7【中学部】
チームで保護者を支援する
吉野 ゆかり
事例8【中学部】
家庭でのパニックへの対応
森下 純子
事例9【中学部】
保護者と意識統一を図りながら取組を進める
寺山 洋
事例10【中学部】
「共有」を重視した個別の指導計画の作成
山口 崇
事例11【高等部】
サポートブックの作成を通して
森 恵
事例12【高等部】
進路決定に向けた保護者との連携
越知 ひとみ
事例13【高等部】
わかりあうことでつながる進路指導
福井 浩平
事例14【高等部】
卒業後の生活を見据えた保護者との連携
山本 愛枝
子どもの作品
「絵手紙」
村上 由紀
構造化のアイデア (第21回)
もっている能力を引き出しさらに発展させるための構造化A
小島 秀子
〜作業種拡大に向けた構造化〜
主体性を発揮する授業のアイデア (第2回)
作業学習「清掃作業班」における授業実践
道添 範大
〜自ら考え、判断して取り組む姿を目指して〜
生活に応用・般化する力を身につける指導・支援 (第2回)
チャレンジノートの活用
中禰 加織
〜子どもをほめて伸ばそう〜
社会性が身につく指導・支援 (第2回)
かかわりを広げて 可能性を広げて
片渕 香織
〜遊びの指導を中心に〜
人とかかわる力を伸ばす指導・支援
まず、ペア学習から始めよう
杉本 菜穂子/白鳥 美香
〜般化を目指した学習指導〜
こうすれば不適切行動は改善できる
子どもを正しく理解し指導につなげる
垂井 健一
〜自立活動としての取組〜
実践研究
朝の会における情緒が安定した状態での「参加」を目指した支援
島田 直人
何でも教育相談室
より確実な指導・支援を行うための特別支援教育コーディネーターの役割
岡 珠美
〜高機能自閉症の生徒への指導・支援を通して〜
わが校の自閉症教育
先進校視察やSTとの連携から
八嶋 直子/山口 学人
〜教材・言語環境・教室環境の改善への着手〜
本の紹介
『通常の学級で行う特別支援教育1〈小学校〉 ユニバーサルデザインの授業づくり・学級づくり』
上岡 一世
自閉症の子どもに効果的な支援ツールの実際 (第2回)
手がかりツールの活用と授業づくり
村中 智彦
効果的なコミュニケーション支援の実際 (第2回)
授業場面でのコミュニケーション
花熊 曉
運動で自己コントロール力をつける (第2回)
体を止める
倉持 親優
企業で働く人たち (第22回)
就職後の定着率100%をめざして
酒井 薫
働く生活を実現するための指導の実際 (第2回)
基本行動を定着させる
石間 浩二
自己肯定感を育む性教育 (第2回)
保護者とつくる性教育
國分 聡子
就労を実現する自閉症教育 (第22回)
キャリア教育の重視
上岡 一世
編集後記
上岡 一世

特集について

子どもが大きく伸びる保護者との効果的連携


障害をもつ子どもの教育においては,昔から「教師は子どもに3分,保護者に7分の教育的働きかけが必要である」と言われています。これは決して,単に教師からの,子どもと保護者への働きかけの割合を言っているのではありません。子どもへも保護者へも100%の教育的働きかけは必要です。ただ,教師の子どもへの働きかけだけでは,子どもの成長,発達は望めず,保護者の子どもへの積極的な働きかけは欠かせないという意味です。そのためには保護者が子どもに対して適切な指導ができるように,教師は子ども以上に保護者に教育的働きかけを強め,保護者に立派な指導者になってもらう努力をする必要があります。教師と保護者が共に連携をして,子どもに対して適切な指導ができたとするならば,子どもの成長,発達がより促進されることは間違いありません。

特に,個々に合わせたきめ細かな支援や対応が必要な自閉症教育においては,教師と保護者が共に連携をした指導ができるかどうかで,子どもの成長,発達が決まってきます。自閉症の子をもつある保護者は「小学部や中学部での子どもの状態を見ると,とても自立や就労など考えられなかったが,高等部に入学したとき担任の先生から,子どもの強さの実態を知らされ,このように取り組めば就労の実現も夢ではないとの具体的な説明を受けた。担任を信じ,共に連携をしてがんばったところ,その夢が実現した。3年間で小学部,中学部9年間を一気に取り戻すほどの成長,発達が見られた。学校と家庭が連携して取り組むことがいかに重要であるかを学んだ」と証言しています。教師がいくらがんばっても自立や社会参加,就労が実現できるものではありません。保護者が1人でがんばっても同様です。教師と保護者が共通理解をし,指導の連携をしてはじめて教育の成果は出てきます。教師の保護者への教育的働きかけを抜きにして子どもの成長,発達は難しいことは多くの人が実際に体験しているのではないでしょうか。

では,教師と保護者の望ましい連携とは何か,子どもが確かに伸びるためにはどういう連携が必要か,今回は,教師と保護者との効果的な連携の実際について,特集してみました。連携は単に教師と保護者が仲良くすることではありません。指導の連携が本来の連携です。学校での効果的な指導を家庭で引き継ぎ,家庭での効果的な指導を学校で引き継ぐ,相互乗り入れの関係が理想です。

特集では,保護者に何を,どのように伝え,指導の連携を図っていけばよいか,成果の上がった事例を中心に具体的にまとめましたので,是非,参考にしていただきたいと思います。

(上岡一世)

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