LD&ADHD 2008年10月号
高機能自閉症等の特性に応じた指導や支援を考える

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LD&ADHD 2008年10月号高機能自閉症等の特性に応じた指導や支援を考える

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2008年9月22日
対象:
小・中
仕様:
B5判 68頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 高機能自閉症等の特性に応じた指導や支援を考える
特集について
廣瀬 由美子
提言
経験を共有し,連携を深め,特別支援教育の質を高めるには
太田 昌孝
概論
高機能自閉症・アスペルガー症候群の考え方
原 仁
TEACCHプログラムの基本から学ぶ
村松 陽子
応用行動分析の基礎から学ぶ
肥後 祥治
ソーシャルスキルトレーニングから学ぶ
岡田 智
事例
通常の学級と通級による指導の連続性(1)
在籍校・家庭・通級指導教室との連携を通して―「サポート教室・スクラム」の取組から―
吉橋 哲
通常の学級と通級による指導の連続性(2)
人と人とのつなぎ手となって
篠倉 康子
「特別支援教室」での指導の連続性
通常の学級で主体的な生活をおくるために
春日 伸枝
特別支援学校のセンター的機能から
中学校との連携や支援について
滝沢 昌彦
【特別寄稿】発達障害の子どものライフステージに応じた支援―千葉県における支援ネットワーク構築―
鳥居 深雪
Essay
特別支援教育が拓く教育の未来
下司 昌一
子どものページ
「母ガラスと子ガラス」
福角 洋輔
親の会ニュース (第27回)
ドンマイの会/長野アスぺ東北信
山岡 修
医療との連携 (第27回)
真の連携を目指して(3)
藤岡 宏
〜正しい特性理解を連携の出発点に〜
実践の小箱/臨床学校現場から (第26回)
特別支援教育の視点に立った取り組み
島倉 昭宏
情報最前線/行政や海外の動向は (第27回)
海外の日本人学校における障害のある子どもの支援
小林 倫代
特別な教育的ニーズとインクルージョン (第7回)
特別支援教育を支える教員の資質・能力の向上のための教師教育の現状と課題
河合 康
子ども・親・教師を取り巻く精神衛生 (第3回)
不登校と発達障害
若子 理恵
アメリカのIEP事情 (第3回)
IEPの肝―目標(ゴール)設定―
バーンズ亀山 静子
「学習につまずきのある子」を引きつける教科指導のコツ (第3回)
1年生音楽における授業展開のポイント
阿部 利彦竹内 紀子
〜鍵盤ハーモニカの指導を通して〜
一度は手にしたい本
『特別支援教育 はじめのいっぽ!』(井上賞子・杉本陽子著 小林倫代監修)/『きよしこ』(重松 清著)
緒方 明子
編集後記
廣瀬 由美子

特集について

高機能自閉症等の特性に応じた指導や支援を考える

(独)国立特別支援教育総合研究所総括研究員/廣瀬由美子


高機能自閉症の教育的な定義としては,平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」において,「3歳くらいまでに現れ,@他人との社会的関係の形成の困難さ,A言葉の発達の遅れ,B興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち,知的発達の遅れを伴わないものをいう。」と明記されている。つまり,「知的障害のない自閉症」といった方が分かりやすいかもしれない。また,同報告書で使用されている高機能自閉症等の「等」は,アスペルガー症候群を指している。高機能自閉症とアスペルガー症候群は,乳幼児期の発達段階において,言語の遅れの有無で診断名が異なってくるが,学齢期段階の臨床像では明らかな違いが認められないことから,文部科学省では,「等」という文言を使って両者を表している。

学校教育において,高機能自閉症等の児童生徒の主な指導の場は,通常の学級である。しかし,他人との意思疎通や対人関係に課題があり,学習や生活に支障をきたす場合は,情緒障害特別支援学級での指導も可能であり,同様な課題を軽減する場としては,自閉症者を対象とした通級による指導もある。

また,国立特別支援教育総合研究所の課題別研究「小・中学校における自閉症・情緒障害の児童生徒の実態把握と教育的支援に関する研究―特別支援学級及び通級指導教室の実態調査から―」(2008)の報告では,情緒障害特別支援学級や,通級による指導の担当教員の悩みや課題も深刻である。特に,この特集と関連する内容では,「担当教員の専門性に関する課題」「不登校等の二次的障害に関する対応の課題」「通常教育においての理解啓発の課題」などが想定される。

これらの問題や課題は,自閉症といった障害特性を各教員が十分に理解し,適切な対応を行うのは学校教育全体であるとの前提にたつこと,その上に専門的な指導はどうあるべきか,さらには,専門的な指導や支援が通常の学級に応用され,基本的な対応は一貫し連続して行われるべきであろうと考える。

そこで,今回の特集では「高機能自閉症等の特性に応じた指導や支援を考える」というテーマにした。特集のコンセプトとしては,学校教育全体で支援を行うことを念頭におきながら,各指導場面や指導内容について,特性に応じた指導や支援をどう工夫すればよいのか考えていきたい。

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