向山型算数教え方教室 2012年9月号
美しい算数ノート→実物モデル&指導ヒント

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向山型算数教え方教室 2012年9月号美しい算数ノート→実物モデル&指導ヒント

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2012年8月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 94頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 美しい算数ノート→実物モデル&指導ヒント
〈巻頭特集論文〉実物ノートを見る5つの視点
木村 重夫
間違いをきれいに残しているノートが美しいノートである
河田 孝文
向山型算数がつくり出した小さなドラマ 学校一のやんちゃ君が書いた体力派ノートと予習ノート
赤石 賢司
間違えた原因を書き,同じ間違いを防ぐ
河野 健一
教師の揺るがない決意と優れた教材。そして最初の趣意説明で勝負が決まる! 今からでもおそくない。シルバーの3日間で趣意説明をして美しいノートをめざそう!
市島 直子
自分の考えを書くためのステップ4
渡辺 睦生
「丁寧さ」から「美しい」へのステップを踏んだ指導
松本 一樹
隣の学級も美しいノートだった
長田 修一
ミニ特集 教室熱中!難問&ペーチャレ誕生秘話
〔難問〕10年間の知の集大成が誕生!!〜『向山型算数教え方教室』10年間分の問題を再編集〜
島村 雄次郎
〔難問〕単元別!新・「難問」シリーズ!!
阿妻 洋二郎
〔難問〕つまずきを分析しわかった問題文の粗さ
西村 純一
〔ペーチャレ〕修正点・よい点は子どもたちが教えてくれる
鈴木 崇之
〔ペーチャレ〕何度も子どもが挑戦する原理を生かす
迫田 一弘
〔ペーチャレ〕K君から誕生したペーパーチャレラン
市原 哲也
表紙のイラスト (第18回)
円を4本の直線で区切ります。できるだけ多く区切ると、いくつに区切れますか。
木村 重夫
グラビア
学級平均点90点突破の原則を学ぶ 向山型算数セミナー東京会場 2012.4.8
野崎 隆伊藤 道海
子どもレポーター“わが教室の授業風景” (第18回)
向山型算数で,子どもたちは達成感を味わい、算数好きになる
上木 信弘
〜3年上木学級の授業風景〜
新卒フレッシュ先生にプロが解説!学習指導案「基本用語」事典 (第18回)
キーワード「展開からのスタート」
板倉 弘幸
巻頭論文 算数授業へのこだわり
授業をどのような視点で組み立てるか
向山 洋一
教科書3割増に対応する学年別教科書の教え方 (第6回)
1年「どちらがながい(長さ)」
白井 朱美
1年「大きさくらべ(かさ)」
上地 貴之
2年「大きい数のたし算のひっ算」
恩田 真希
2年「大きい数のひき算のひっ算」
荒井 紀之
3年「大きい数のしくみ」
佐藤 良平
3年「大きい数のしくみ」
守田 のぞみ
4年「小数のしくみ」
小路 健太郎
4年「小数のしくみ」
岡田 悠亮
5年「倍数と約数」
山崎 克洋
5年「分数と小数」
根本 修成
6年「拡大図と縮図」
野崎 史雄
6年「縮図の利用」
新村 勲
最前線で奮闘する教師の実践 (第6回)
誤答は宝! 記録すれば、記憶に残る!
本間 尚子
初めての「面積図」の指導 その1
横崎 邦子
〜線分図と面積図をリンクさせる〜
図形単元 チェック機能をどう働かせるか
川原 奈津子
〜隣の子と一緒のノートを持ってこさせる〜
「論文審査」を突破した女教師たちの“しなやか”な授業づくり (第18回)
ノートづくりを追試し,高得点へ
小宮 美穂子
向山型算数に挑戦/論文審査 (第154回)
時には知的興奮のある授業を!
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第156回)
「説明させる問題」は3パターン。「考え」の説明が難しい
木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第150回)
計算の手順を教え,繰り返す
赤石 賢司
〜「小数のわり算」ができるようになったR君のドラマ〜
甲本・河田発 やんちゃ君も巻き込み,知的に燃える算数教室 (第42回)
形式主義にさよならをしよう 事件は,現場で起きている
甲本 卓司
3桁×3桁の筆算 高いハードルを補助計算という低いハードルに分解して並べる
河田 孝文
中・高・塾教師の告発状!学力不足がもたらす悲惨な実態 (第6回)
ノート指導されなければ学力は不足する
伊藤 貴之
小学校教師よ,見栄を捨て子どもを見よ!
中尾 憲治
発達障害への林ドクター教育コーチ!気になる「あの親」への対応Q&A (第42回)
問題行動は母親へのアピールであることを伝える
平中 健也林 隆
<子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第30回)
低学年/「ね うし とら チャレラン」
酒井 基成
中学年/「わる数あまりチャレラン」
木谷 圭介
高学年/「ゴールを決めろ!チャレラン」
中谷 康博
あなたもプロ先生になれる!教師渡世・サバイバルの知恵 (第30回)
<今月のテーマ>2学期に忍び寄る“荒れ”発見と立て直しの秘策
〈1年〉毅然と・目配り・気配り
岩岸 節子
〈2年〉ノート指導で学級を安定させる
山口 浩彦
〈3年〉初任でもすぐできる下足箱指導
木村 亮介
〈4年〉荒れをなくす唯一の方法は模擬授業
中村 雄司
〈5年〉学用品チェックで学級の荒れを防ぐ
小平 和代
〈6年〉崩壊から学んだ「信頼関係を築くことの大切さ」
津下 哲也
「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第42回)
励まし続けること そして,教えてほめ続けることが100点への道
溝端 達也
すきま時間に子ども熱中!すぐに使える“わくわく問題” (第18回)
地道な作業で解ける熱中問題
塩沢 博之
向山型算数セミナー
ノート指導で子どもが変わる
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
ライブで学ぶことができるから授業がうまくいくようになる
岸 義文
衝撃!百玉そろばんvsブロック
伊藤 恵津子
奇跡を起こす「向山型算数」
加藤 元気
論文ランキング
6月号
木村 重夫
TOSS最新情報
赤石 賢司
読者のページ
追試したい「スーパー仕事術」
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
1日1問「子ども算数検定」 (第6回)
9月
木村 重夫
向山型算数に挑戦/指定教材 (第156回)
向山 洋一

<巻頭論文>算数授業へのこだわり 授業をどのような視点で組み立てるか

/向山 洋一


 算数の授業を展開するとき,基本となるのは「学習内容」の「とらえ方」である。学習内容の構造を,どうとらえるかということである。

 これは,これまでの算数教育の歴史の中で多くの実践家,研究者が明らかにしてきた。

 そこに学ぶのが大切である。よいこともある。

 もう一つ大切なことがある。それは,どのような授業にするのかということである。

 授業の演出である。

 「発見」と「納得」が必要である。そして,「知的興奮」があればいうことはない。

 これは,教師一人一人が,毎時間毎に工夫をしていくことである。そうやって5年,10年がすぎれば,実力がついていくのである。

 教師自身の工夫,努力なしに,技量の向上はありえない。

 今月の「論文審査」にも書かれることなので,私がたった1回だけ1年生を担任したときの授業記録と,そのときの学級通信によって紹介しよう。1年生の9月の実践である。

算数「長さくらべ」

◇1m近い2本の竹の棒を十字型に示して「どちらが長いか」聞いた。

 「たて」が8名,「横」が12名,「同じ」が12名となった。「人数の多いほうに決めよう」というと,「ダメ」だという。「調べたほうがよい」という者35名であった。

◇そこで「調べる方法」を聞いた。「2本の棒を合わせる」という声が口々に出た。「それもいいけど,今はこの2本は動かせないとしよう」と言った。いろいろ案が出て,面白かった。

 1.今村案 短い棒ではかって数が多いほう

 2.大竹案 見て,だいたいできめる

 3.高山案 長いものさしではかる

 4.坂田案 手のはばでくらべる

 5.太田案 棒を床にたてて,背の高さではかる

◇おどろくことに,ここには「はかる」という方法のすべてが出ているのだ。

 どれ1つとっても大切なことで,詳しく書くとこれだけで1冊の本になってしまう。(1)は「間接比較」「個別単位」の方法,(2)は日常生活の中で多く使われる「目分量」,(3)は「普遍単位」による測定,(4)も「間接比較」の初歩,(5)は「直接比較」の基本なのである。

◇それぞれ実演してもらった。今村方法で,ちょっと問題があった。

 今村君は左図のように棒が重なっても平気で数えていたのだ。座間さんが出て,指で印をして無事解決。横(5つと半分)たて(4つと半分)であった。坂田方法も問題があった。たてを手をひろげてはかって,横にするとき坂田君は手をもとにもどしてからやったのだ。つまり,何にもならなくなった。太宰君が出て,広さを動かさないようにやった。子どもたちから「むずかしい」と声があがった。太田方法は,多くの納得を得た。高山方法も無事通過。

◇最後に両方をあわせた。「いいか,あわせるぞ」といって十字型を||型にした。左のように並べた。「ほら,左のほうが長い」と言うと,10人くらいがドドっと前へ出てきて「ずるい」と叫ぶ。先生が正しいという子が6名ほど。もう一度,ゆっくりと繰り返す。今度はほとんど(2名を除き),「ずるい」と言う。「下をそろえなぎゃだめだ」というのだった。

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