向山型算数教え方教室 2008年11月号
研究授業で試みる「新要領&移行」の切り口24

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向山型算数教え方教室 2008年11月号研究授業で試みる「新要領&移行」の切り口24

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2008年10月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

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特集 研究授業で試みる「新要領&移行」の切り口24
〈巻頭特集論文〉骨太な原則と最先端の研究を子どもの事実で提案しよう
木村 重夫
低学年/習得と活用と説明と移行措置の授業
岩岸 節子
低学年/そろばんで操作活動と表現を結びつける
田中 裕美
中学年/教えて考えさせる「算数的活動」―型を教え説明させる活動を!―
小林 幸雄
中学年/校内研究で明らかにせよ!「生きる力」「エラーレス・ラーニング」「算数的活動」
小宮 孝之
高学年/説明する面積図たすき掛け
甲本 卓司
高学年/核は「活用」の算数的活動だ!
木村 孝康
中学校/「数学的な表現を用いて説明する力」は,教科書を使うからこそ身につく
西野 一葉
ミニ特集 学習障害への対応「不要な言葉・情報を削る」
黙って授業してみて必要な言葉を探す
伊藤 寛晃
情報を削って焦点を絞る
田中 香織
数に入る前に指導すべき3つの内容で考える
五十嵐 勝義
言い方と補助計算をかく手順をあわせる
末廣 真弓
いらつきの原因は教室の騒音だった
高野 宏子
我流は不要な言葉・情報だらけ
寺田 真紀子
グラビア
「ペーパーチャレラン」は「評価のできる拡散的思考のゲーム」である
村田 斎
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
脳科学の知見
小倉 郁美
向山型算数キーワード
誤りのロジック
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
学力テストの余波
向山 洋一
学年別11月教材こう授業する
1年・たしざん
例題の「基本型」
奥田 純子
「練習問題・スキル」と教材教具
山田 正和
2年・かけ算6〜9の段
例題の「基本型」
森川 敦子
「練習問題・スキル」と教材教具
桑原 陽子
3年・長方形と正方形
例題の「基本型」
戸井 和彦
「練習問題・スキル」と教材教具
中地 直樹
4年・わり算の筆算
例題の「基本型」
平松 孝治郎
「練習問題・スキル」と教材教具
手塚 美和
5年・概数の計算
例題の「基本型」
有村 春彦
「練習問題・スキル」と教材教具
畑屋 好之
6年・直方体と立方体
例題の「基本型」
迫田 一弘
「練習問題・スキル」と教材教具
井上 嗣祥
中学難教材こう授業する
1年/1次式の加減
一戸 佐登史
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第104回)
教科書の難問(1次関数のグラフの利用)を向山型で授業する
井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第108回)
すぐれた応募論文は密度が濃い
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第110回)
史上初「TOSS百玉そろばん検定」の感動
木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第104回)
グラフの読解から討論を起こす授業
赤石 賢司
向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
向山型算数を学びはじめたときの思いを忘れず教師修業を続ける
石富 敦子
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
西の端の“旧教育文化”校と“新教育文化”校
小田 哲也
学習に参加することすら保証できない問題解決学習
土津 寛
〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
子どもの姿で「我流」をチェック!
貝沼 愛子
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第110回)
低学年
前田 憲明
中学年
山口 浩彦
高学年
桜井 健一
ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
1年/子どもの数だけ反応が違って当たり前
頓所 陽子
2年/「筆算」――最初の指導で,これだけは定着させたい3つのポイント
毛見 隆
3年/1つのことにこだわろう!
丹羽 かおり
4年/小さな我流に気づく
小森 俊宣
5年/全員ができているかどうか確認する
細羽 朋恵
6年/「作業指示」が「エラーレス・ラーニング」を支える
小田原 誠一
“若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第44回)
初心を忘れずに「向山型」算数を目指す
赤塚 邦彦
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
『あかねこ計算スキル』のユースウェアは宝物
吉川 廣二
向山型算数セミナー
名古屋セミナーとペーチャレ
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
算数の楽しさを知った子どもたち
森田 博文
きっかけはライブでの学び
池内 恵
「子どもの事実」を評価にして
泉田 剛志
論文ランキング
8月号
木村 重夫
実物ノートと指導のポイント
授業開きでノートを激変させる
兼田 麻子
読者のページ
移行期の激動を走る!
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第110回)
向山 洋一

<巻頭論文>算数授業へのこだわり 学力テストの余波

向山 洋一


 学力テストについての報告が全国から入る。

 学力テストの結果について,一喜一憂する必要はない。

 医師が「血液検査」「レントゲン検査」の結果を「診断」して,「治療」方針を決めるように,自分自身の実践をふり返ればよい。

 「結果」には,必ず「原因」があったのである。反省の材料にすればよい。

 その「原因」は,「教師の指導力」「教師の指導方法」が大半をしめるが,それ以外にも,さまざまな条件がある。それらについて,分析すればいいのだ。

 生活習慣との関連が報告されているが,これなど,30年も昔に田園調布地区生活指導主任会の研究報告と,ほぼ同じである。30年も昔に分かっていたことを,なぞったにすぎない。

 県別の結果が出ている。

 これは,「県全体の教育界」の取り組みによって,差がかなり違う。上位の県の多くは,県全体で特別の方針をたて,実行していたということだ(結果として,学力が向上するなら,反対だけしている府県よりましということもできる)。

 東京などは,かなりの子どもたちが,小学校の段階で私立校に行ってしまうので,「都全体の学力」とはいえない部分もある。

 東京でも,他の県でも,私立校が参加して子どもの平均値を出せば,多分,東京が1位になるだろう。

 さて,ある学校は,すべての学年で,算数の平均点が10点近く高かった。もちろん,断トツのトップである。県から問いあわせがあった。「どのように指導しているのですか」と。

 先生たちが,集まって話し合ったが,「特別のことはしてない」ということになった。

 いうなれば「教科書を使って,きちんと授業をしている」ということにつきるのである。

 さらに,「赤ねこ計算スキル」を使って,これも授業中に終了させている。

 その結果が,全国平均よりも10点も高かったのである。

 一方,その学校の近くに「熱心に算数の研究をしている」学校があった。

 「問題解決学習」による算数の授業の研究である。

 こちらはどうだったかというと,全国平均より10点も低かったのである。

 つまり,「教科書をきちんと教える学校」と「問題解決学習の学校」では,学力テストの平均点が,20点も違っていたのである。

 それだけではない。

 算数の問題解決学習の学校では,平均点を上げるために,学力テストの日に,特別支援の子を意図的に休ませている。

 教師なら,絶対にやってはならないことをやっていて,平均点は低かったのである。

 算数の問題解決学習を推進する教師は,こんなことまでやるのである。

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