- 特集 研究授業で試みる「新要領&移行」の切り口24
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- 低学年/そろばんで操作活動と表現を結びつける
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- ミニ特集 学習障害への対応「不要な言葉・情報を削る」
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- 情報を削って焦点を絞る
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 学力テストの余波
向山 洋一
学力テストについての報告が全国から入る。
学力テストの結果について,一喜一憂する必要はない。
医師が「血液検査」「レントゲン検査」の結果を「診断」して,「治療」方針を決めるように,自分自身の実践をふり返ればよい。
「結果」には,必ず「原因」があったのである。反省の材料にすればよい。
その「原因」は,「教師の指導力」「教師の指導方法」が大半をしめるが,それ以外にも,さまざまな条件がある。それらについて,分析すればいいのだ。
生活習慣との関連が報告されているが,これなど,30年も昔に田園調布地区生活指導主任会の研究報告と,ほぼ同じである。30年も昔に分かっていたことを,なぞったにすぎない。
県別の結果が出ている。
これは,「県全体の教育界」の取り組みによって,差がかなり違う。上位の県の多くは,県全体で特別の方針をたて,実行していたということだ(結果として,学力が向上するなら,反対だけしている府県よりましということもできる)。
東京などは,かなりの子どもたちが,小学校の段階で私立校に行ってしまうので,「都全体の学力」とはいえない部分もある。
東京でも,他の県でも,私立校が参加して子どもの平均値を出せば,多分,東京が1位になるだろう。
さて,ある学校は,すべての学年で,算数の平均点が10点近く高かった。もちろん,断トツのトップである。県から問いあわせがあった。「どのように指導しているのですか」と。
先生たちが,集まって話し合ったが,「特別のことはしてない」ということになった。
いうなれば「教科書を使って,きちんと授業をしている」ということにつきるのである。
さらに,「赤ねこ計算スキル」を使って,これも授業中に終了させている。
その結果が,全国平均よりも10点も高かったのである。
一方,その学校の近くに「熱心に算数の研究をしている」学校があった。
「問題解決学習」による算数の授業の研究である。
こちらはどうだったかというと,全国平均より10点も低かったのである。
つまり,「教科書をきちんと教える学校」と「問題解決学習の学校」では,学力テストの平均点が,20点も違っていたのである。
それだけではない。
算数の問題解決学習の学校では,平均点を上げるために,学力テストの日に,特別支援の子を意図的に休ませている。
教師なら,絶対にやってはならないことをやっていて,平均点は低かったのである。
算数の問題解決学習を推進する教師は,こんなことまでやるのである。
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- 明治図書