向山型算数教え方教室 2007年11月号
先生不在“算数ガイド学習”の問題点

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向山型算数教え方教室 2007年11月号先生不在“算数ガイド学習”の問題点

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2007年10月5日
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

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特集 先生不在“算数ガイド学習”の問題点
〈巻頭特集論文〉教師が教えるべきことを子どもに押し付ける算数ガイド学習
木村 重夫
子どもの事実を真正面に見据える教師だけが学力の保証ができる
木村 孝康
ガイド学習は「いつ」「だれ」が子どもたちに「算数の力」をつけるのか?
白瀬 嗣大
特別支援を要する子,お勉強の苦手な子,…全ての子どもたちの尊厳を私は大事にしたい
川原 雅樹
そこに特別支援を必要とする子どもへの配慮があるか
藤原 典英
授業の中で教えるべきことを教える
堺 義雄
ガイド学習では学力差が開いてしまう
刀祢 敬則
疑問の多かった「独自学習」と「相互学習」
日浦 智
ミニ特集 これがPISA型にも対応する「ひと目でわかる図」だ
分数ならば,面積図を活用する
八和田 清秀
「体力派」の子どもの考えも予想する
川原 奈津子
図をかかせ,説明をさせる
大関 貴之
面積の定義に迫る!
馬場 慶典
ひと目でわかる工夫を書かせる3つの手だて「モデル提示」「ほめる」「個別評定」
溝端 達也
似た考えを束ねて分類し,ネーミングする 子どものかいた図を生かして問題を解く
平田 千晶
グラビア
“学ぶ意欲を大切にする”これはすべてに優先する
村田 斎
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
消しゴムは使わせない
小倉 郁美
向山型算数キーワード
言語力の育成
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
知的追究力を育てる
向山 洋一
学年別11月教材こう授業する
1年・たしざん
例題の「基本型」
矢野 亜由美
「練習問題・スキル」と教材教具
川田 英津子
2年・かけ算(6〜9の段)
例題の「基本型」
丸山 由里
「練習問題・スキル」と教材教具
山岸 修
3年・大きい数のしくみ
例題の「基本型」
小野 隆行
「練習問題・スキル」と教材教具
高橋 実
4年・わり算の筆算(2)
例題の「基本型」
本田 俊男
「練習問題・スキル」と教材教具
伊藤 篤志
5年・図形の角
例題の「基本型」
山川 直樹
「練習問題・スキル」と教材教具
湯泉 恵美子
6年・直方体と立方体
例題の「基本型」
堀田 和秀
「練習問題・スキル」と教材教具
浅原 玲子
中学難教材こう授業する
2年/1次関数の利用
須田 紀子
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第92回)
単元末の練習問題を検討させる
井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第96回)
算数の授業をもっと知的に!
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第98回)
PISA型・学力テストB対応向山型「論証」の授業
木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第92回)
特別支援を要するHさんは,向山型算数で変わった
赤石 賢司
向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
DEEP研究会に入ってからの私
石富 敦子
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
泳げない子を無理やり海に突き落とす指導法と同じ
芹沢 晴信
子どもの事実がすべてを物語る
野田 千秋
〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
確定したアルゴリズムで授業の骨格を安定させる
松本 俊樹
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第98回)
低学年
細羽 朋恵
中学年
高橋 勝志
高学年
吉谷 亮
ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
1年/単元を貫く基本型を示し書かせる大切さ
後藤 直美
2年/計算スキルの我流は,目に見えない部分にあった!ユースウェアをなぞることでは,本当の指導にはならない
吉田 真弓
3年/リズムとテンポを学ぼう
徳本 孝士
4年/すべての問題を子どもと同じノートに解く
高橋 哲也
5年/逐一(丁寧)指導は向山型ではない
賀本 俊教
6年/難問で教室熱中。しかし,我流では……
篠崎 一徳
“若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第32回)
子どもたちの「わかった!」の声を聞くために
眞山 和加子
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
説得力のある向山型算数の研究を
青木 こずえ
向山型算数セミナー
2007年8月夏セミナーの覚醒
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
導いてくれたのは子どもたち
佐藤 学
基本型で子どもに力をつける
小塚 祐爾
算数少人数指導で目覚める
高橋 雅子
論文ランキング
8月号
木村 重夫
実物ノートと指導のポイント
教科書チェックはノート指導の最後の詰め!
田中 直行
読者のページ
学力テストB問題の衝撃
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第98回)
向山 洋一

巻頭論文

算数授業へのこだわり

知的追究力を育てる

向山 洋一


 「学問する」とは,未知のことを追究する知的な活動である。課題をつかみ問題を設定し,いくつかの下位群に分解し,先行研究を調べ,現状を知り,検討し,問題を解決する方向を決め,仮説を立て,実行し,検証する。

 これらの行動の原動力は,未知なるものへのあくなき好奇心である。

 未知なるものへのあくなき好奇心がエンジンだ。

 「学習する」とは,未知なるものを知り,身につけることである。

 時に,「ていねいに教える」ことも必要だが,子どもの「知的追究力」を生かすことが大切だ。

 私が若い時の,自分の研究テーマは「知的追究力を育てる」であった。

 ここで,「学習する」方法について,基本的な視点を述べておこう。

 「自動車学校」「スイミングスクール」「書道教室」「サッカー教室」「英会話学校」などの学習システムは,「習得システム」である。

 「どれだけの時間学習したのか」ということは関係ない。「学習ステップ」を,マスターすれば,次のステップにすすめる。

 自動車学校で,「私は100時間授業を受けたのだから進級(合格)させて下さい」ということは,通用しない。

 たとえ,1000時間受けようと,「学習すべきこと」を身につけなければ,合格はしない。

 およそ,あらゆる教育システムの中のほとんどは「習得システム」である。

 ところが,学校は違う。学校は「履修システム」だ。決められた時間だけ,授業を受ければ進級できる。どれだけの実力をつけたかは,問題にされない。

 教師の免許更新制度が作られるそうだが,限りなく「履修システム」に近い。

 「実力がつく」「実力を保障する」のは「習得システム」である。

 「履修システム」は,実力を保障しない。

 向山型算数指導は,「習得システム」を大幅にとり入れた学習システムである。

 「教科書のすべての問題」を「ノートにする」とか,「赤ねこ計算スキル,で満点をとらせる」とか,「市販テストで平均90点以上をとらせる」とか,すべて「原理として,習得システム」を採用している。

 履修したことを,習得するシステムによってきたえ,習得するまで保障しようというわけだ。

 さらに,「知的追究力」を育てていくことをも内包している。

 だから,逐一指導は,向山型算数指導ではないのである。「知的追究力の育成」をもっと深く研究してほしい。

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