向山型算数教え方教室 2007年6月号
荒れの前兆を立て直す算数授業づくりのコツ

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向山型算数教え方教室 2007年6月号荒れの前兆を立て直す算数授業づくりのコツ

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2007年5月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

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特集 荒れの前兆を立て直す算数授業づくりのコツ
〈巻頭特集論文〉向山氏の5月の授業CDを聞く
谷 和樹
約束は守りきらせる。ほめて、ほめて、ほめまくって学習技能を定着させる。
星野 裕二
視線を届け 指示に従わせよ
迫田 一弘
小さな約束をきちんと守らせ荒れを許さない
奥 清二郎
システムのほころびが、授業の流れを乱す
太田 聡美
「授業の原則十ヶ条」を意識せよ
小林 正樹
先手・笑顔、そして「難問」「ノートスキル」も味方にしよう
齋藤 一子
向山氏のCDに学ぶ
根津 盛吾
ミニ特集 フレッシュ教師必読 タイプ別子どもへの対応策
〈準備できない子〉準備できない子の原因を分けて対応する
神田 朋恵
〈ノートが雑な子〉ノート指導は、ノートスキル、ほめる、シンプルな板書で詰める
近藤 佳織
〈計算を間違える子〉大事なのはやり方が分かること
佐々木 智穂
〈文章題が苦手な子〉絵を描かせることで、苦手な子も式が立てられた
渡辺 哲朗
〈落ち着かない子〉動かせて、集中させる
山川 直樹
〈口答え反抗する子〉その悪癖を払拭するために闘う
神谷 祐子
グラビア
『計算パーフェクトスキル』のユースウェアを提案する
細羽 正巳
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
教師のフォロー
小倉 郁美
向山型算数キーワード
授業のリズム
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
法令違反の指導法を推進する国立大学数学科教官、附属小教官、指導主事たち!
向山 洋一
学年別6月教材こう授業する
1年・たしざん
例題の「基本型」
宍戸 威之
「練習問題・スキル」と教材教具
長澤 和博
2年・長さ
例題の「基本型」
井上 和紀
「練習問題・スキル」と教材教具
瀧日 幸雄
3年・水のかさ
例題の「基本型」
松田 裕介
「練習問題・スキル」と教材教具
辻中 直子
4年・折れ線グラフ
例題の「基本型」
村上 元
「練習問題・スキル」と教材教具
木下 翔太
5年・垂直・平行
例題の「基本型」
藤原 佳澄
「練習問題・スキル」と教材教具
竹森 正人
6年・平均
例題の「基本型」
赤嶺 愉子
「練習問題・スキル」と教材教具
下山 忠寛
中学難教材こう授業する
3年/式の計算の利用
橋 薫
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第87回)
新出の例示問題は既習事項にシンプルに分解する
井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第91回)
もっともっと考える
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第93回)
教師は目線を低くし、悩まなくてはいけない
木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第87回)
鶴亀算で分かった、できたを実感させる向山型算数の授業
赤石 賢司
向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
女☆DEEP研究会は私を変えた!
奥井 利香
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
見栄のために「捏造」される学習場面
松本 英幸
問題解決学習は偽造とセット
江川 義男
〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
失敗から見えてきた効果のある指導
藤ア 富実子
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第93回)
低学年
山田 雅之
中学年
福地 健太郎
高学年
金子 政利
ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
1年/丁寧に教えず、丁寧に確認する
小室 由希江
2年/ノート指導 我流を抜け出す10の条件
猪野 真理
3年/赤鉛筆指導・教師の立ち位置
塩谷 直大
4年/「たかが位取り」ではない
佐藤 宣久
5年/ノート指導は、しつこく、頑固に
赤阪 勝
6年/我流は「称賛」のしかたにあり!
今井 淳
“若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第27回)
リズム・テンポを意識した授業をつくる
野ア 隆
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
生活言語と算数言語のあいだ
向山 浩子
向山型算数セミナー
アインシュタインもお勧めの数学史のおもしろい本が出ました
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
授業が変わり、子どもが変わる
西田 真衣子
できる近道は向山「型」にある
野間 浩一
ほめて子どもを動かせた!
井尻 有香
論文ランキング
3月号
木村 重夫
実物ノートと指導のポイント
「ノートスキル」がうっとりノートのイメージをつくる!
木村 正章
読者のページ
山極論文の衝撃
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第93回)
向山 洋一

巻頭論文

算数授業へのこだわり

法令違反の指導法を推進する国立大学数学科教官,附属小教官,指導主事たち!

 信州大学数学科准教授をはじめ,いくつかの国立大学数学科教官の許しがたき行為

向山 洋一


教師は,教科書を使わなければならない。法律で定められている。教科書を使わない学習をすすめる数学の教師がいる。「私はプリントで学習しており,その中に教科書で習うことが入っている」というのは認められない。

 かつて,裁判で同様のことを主張した教師たちがいたが,判定は「それは,教科書を使うことにならない」と退けた。

 なぜ,教科書を使わなければならないのか。

それは,「第一に法律で定められている」からであるが,それだけではない。

 高等裁判所の判決では,その理由を明確に示している。教科書は,それまでの経験の蓄積であり,それを活用することは「教師の指導」においても,「子どもの学習」においても,無駄な力を省くことができ,効果が大きいからである。

 私が一昨年,文科省に友人の原田副大臣を訪ね,この話をしたとき,「本当に教科書を使わないのか」と言って,担当の課長を呼び「使わなくていいのか」と質問した。

 もちろん「教科書は使わなくてはなりません」と,原田副大臣に答えていた。

 その後,馳政務官がきて懇談となった。

 その馳氏は,これまで文科省副大臣をしていて,ご自分のブログの中に「向山式指導法が,もっと広まるのを願っている」と,述べられている。

 信州大学の数学科の准教授は「向山型は数学ではない」と学生に何度も言っているが,「向山型がいい」という人も多い。

 例えば,山極先生は,文部省の時代には,すべての教科調査官を統括されていた方だ。

 今でも,中教審などの仕事をされている。

 昨年,福島県の教育委員会に招かれ,算数の研究授業を見られた。算数の問題解決の学習だった。山極先生は,「まだ,こんなことをやっているのか。こんな方法では,学力がつかない」と,きびしく批判されたという。指導主事の方々も,反論できなかった。

 向山型の指導を一つの指導法として高く評価されている。大切なのは子どもの事実である。

1)できない子が,満点を取るようになったか

2)クラスの平均点が90点を突破したか

3)子どもたちが,算数大好きになったか

 向山型算数は,この3つをすべて満足させる。算数の問題解決学習はできない子が,できないままでテストの平均点も低く,多くの子が「算数嫌い」になる。

 今日どこでも見られる現象だ。

 国立大学の教官が「学問的批判」するならともかく「やるな」「嫌いだ」と学生に押しつけ,教科書を使わない方法を指導するなど,とんでもないことだ。教科書を使わなかった教師は,全員懲戒免職になり,裁判もそれを支持したのである。

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