- 特集 荒れの前兆を立て直す算数授業づくりのコツ
- 〈巻頭特集論文〉向山氏の5月の授業CDを聞く
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- 約束は守りきらせる。ほめて、ほめて、ほめまくって学習技能を定着させる。
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- 視線を届け 指示に従わせよ
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- 小さな約束をきちんと守らせ荒れを許さない
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- システムのほころびが、授業の流れを乱す
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- 「授業の原則十ヶ条」を意識せよ
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- 先手・笑顔、そして「難問」「ノートスキル」も味方にしよう
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- 向山氏のCDに学ぶ
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- ミニ特集 フレッシュ教師必読 タイプ別子どもへの対応策
- 〈準備できない子〉準備できない子の原因を分けて対応する
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- 〈ノートが雑な子〉ノート指導は、ノートスキル、ほめる、シンプルな板書で詰める
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- 〈計算を間違える子〉大事なのはやり方が分かること
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- 〈文章題が苦手な子〉絵を描かせることで、苦手な子も式が立てられた
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- 〈落ち着かない子〉動かせて、集中させる
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- 〈口答え反抗する子〉その悪癖を払拭するために闘う
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- グラビア
- 『計算パーフェクトスキル』のユースウェアを提案する
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- 若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
- 教師のフォロー
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- 向山型算数キーワード
- 授業のリズム
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 法令違反の指導法を推進する国立大学数学科教官、附属小教官、指導主事たち!
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- 学年別6月教材こう授業する
- 1年・たしざん
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 2年・長さ
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 3年・水のかさ
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 4年・折れ線グラフ
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 5年・垂直・平行
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 6年・平均
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 中学難教材こう授業する
- 3年/式の計算の利用
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- 中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第87回)
- 新出の例示問題は既習事項にシンプルに分解する
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- 向山型算数に挑戦/論文審査 (第91回)
- もっともっと考える
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- 向山型算数実力急増講座 (第93回)
- 教師は目線を低くし、悩まなくてはいけない
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- 向山型算数WEBサロン (第87回)
- 鶴亀算で分かった、できたを実感させる向山型算数の授業
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- 向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
- 女☆DEEP研究会は私を変えた!
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- “問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
- 見栄のために「捏造」される学習場面
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- 問題解決学習は偽造とセット
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- 〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
- 失敗から見えてきた効果のある指導
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- もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第93回)
- 低学年
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- ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
- 1年/丁寧に教えず、丁寧に確認する
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- 2年/ノート指導 我流を抜け出す10の条件
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- 3年/赤鉛筆指導・教師の立ち位置
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- 4年/「たかが位取り」ではない
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- 5年/ノート指導は、しつこく、頑固に
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- 6年/我流は「称賛」のしかたにあり!
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- “若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第27回)
- リズム・テンポを意識した授業をつくる
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- 向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
- 生活言語と算数言語のあいだ
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- 向山型算数セミナー
- アインシュタインもお勧めの数学史のおもしろい本が出ました
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- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
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- できる近道は向山「型」にある
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- 3月号
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- 向山型算数に挑戦/指定教材 (第93回)
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巻頭論文
算数授業へのこだわり
法令違反の指導法を推進する国立大学数学科教官,附属小教官,指導主事たち!
信州大学数学科准教授をはじめ,いくつかの国立大学数学科教官の許しがたき行為
向山 洋一
教師は,教科書を使わなければならない。法律で定められている。教科書を使わない学習をすすめる数学の教師がいる。「私はプリントで学習しており,その中に教科書で習うことが入っている」というのは認められない。
かつて,裁判で同様のことを主張した教師たちがいたが,判定は「それは,教科書を使うことにならない」と退けた。
なぜ,教科書を使わなければならないのか。
それは,「第一に法律で定められている」からであるが,それだけではない。
高等裁判所の判決では,その理由を明確に示している。教科書は,それまでの経験の蓄積であり,それを活用することは「教師の指導」においても,「子どもの学習」においても,無駄な力を省くことができ,効果が大きいからである。
私が一昨年,文科省に友人の原田副大臣を訪ね,この話をしたとき,「本当に教科書を使わないのか」と言って,担当の課長を呼び「使わなくていいのか」と質問した。
もちろん「教科書は使わなくてはなりません」と,原田副大臣に答えていた。
その後,馳政務官がきて懇談となった。
その馳氏は,これまで文科省副大臣をしていて,ご自分のブログの中に「向山式指導法が,もっと広まるのを願っている」と,述べられている。
信州大学の数学科の准教授は「向山型は数学ではない」と学生に何度も言っているが,「向山型がいい」という人も多い。
例えば,山極先生は,文部省の時代には,すべての教科調査官を統括されていた方だ。
今でも,中教審などの仕事をされている。
昨年,福島県の教育委員会に招かれ,算数の研究授業を見られた。算数の問題解決の学習だった。山極先生は,「まだ,こんなことをやっているのか。こんな方法では,学力がつかない」と,きびしく批判されたという。指導主事の方々も,反論できなかった。
向山型の指導を一つの指導法として高く評価されている。大切なのは子どもの事実である。
1)できない子が,満点を取るようになったか
2)クラスの平均点が90点を突破したか
3)子どもたちが,算数大好きになったか
向山型算数は,この3つをすべて満足させる。算数の問題解決学習はできない子が,できないままでテストの平均点も低く,多くの子が「算数嫌い」になる。
今日どこでも見られる現象だ。
国立大学の教官が「学問的批判」するならともかく「やるな」「嫌いだ」と学生に押しつけ,教科書を使わない方法を指導するなど,とんでもないことだ。教科書を使わなかった教師は,全員懲戒免職になり,裁判もそれを支持したのである。
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- 明治図書