- 特集 子どもがなぜか動きたくなる「心理術」
- 扉(特集について)
- 巻頭言 教育に生かす心理術とは
- 支配者になる危険性をいつも心せよ
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- 超一流が実はやっている心理術
- 「子ども」という生き物の特性を見抜いて操る
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- 教師も環境の一部だからこそ心がけたいこと
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- 子どもに寄り添い,安心感を与えるための心理術
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- 子どもの心を操作しようとしないで,本音で伝える。
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- 知って得する教師のための心理学入門
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- 即効! 明日から使える7つの心理テクニック
- カチッサー効果
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- ウィンザー効果
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- ピグマリオン効果
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- ピーク・エンドの法則
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- ミラーリング
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- クローズドクエスチョン
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- 両面提示と片面提示
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- 「ディグラム診断」で子どもの伸びしろが見えてくる!
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- 岩下修直伝! AさせたいならBと言え〜子どもを動かす原理・原則〜
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- トラブル場面でガツンと即効! 気になるあの子の心に響く言葉かけテクニック
- 授業中にやる気が見られないとき
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- 授業中に騒いでいるとき
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- グループ活動で他人任せにしてしまうとき
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- テスト中に問題を解くことをあきらめてしまったとき
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- 時間を守らないとき
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- 指示待ちで行事の準備を何もしないとき
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- 当番活動をさぼったとき
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- 注意に対して言い訳をしたとき
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- 困っている子を助けなかったとき
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- 【特別寄稿】アドラー心理学に学ぼう―共感・信頼・リスペクトが心を動かすカギ―
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- 田村学監修 Q&Aでわかる! 「主体的・対話的で深い学び」への授業改善 (第10回)
- 研究主任が提案する授業改善に向けた校内研究の4つの方策&対話場面の教師の見取り
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- クラスがまとまる! 笑顔が広がる! 今月の学級経営ネタ (第10回)
- 低学年/「これ,日記に書ける」と言う「心の動き」に敏感な子どもを育てよう
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- 中学年/どの子どもも笑顔で漢字学習を
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- 高学年/「正月遊び」風活動で,3学期を楽しくスタートさせよう!
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- 中学/学級写真館&学級ムービーのススメ
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- 田中博史の「授業・人」塾 若手教師の悩みを聞く全国行脚「授業人五人会」から見えてきたこと (第4回)
- スタンダードを「育てる」という発想で,考える教師を増やす
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- すうっと気持ちが楽になる 先生のための心の処方箋 (第10回)
- 1月/嫌いな先生がいて一緒にいるのがつらくなったら
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- 世界一やさしい社会科授業づくり講座 (第16回)
- 「見方・考え方」「選択・判断」
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- 菊池省三監修 授業で使えるコミュニケーションゲーム (第10回)
- 低学年/1月の授業で使えるコミュニケーションゲーム
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- 中学年/1月の授業で使えるコミュニケーションゲーム
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- 高学年/1月の授業で使えるコミュニケーションゲーム
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- 評価までバッチリわかる! 教科書教材でつくる楽しい道徳授業 (第10回)
- 小学校/日常の道徳教育とつなげる道徳授業III 各教科等と関連させる
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- 〜教材名:「ひとふみ十年」(東書,学図,光村,日文,あかつき 高学年/D 自然愛護)〜
- 中学校/一面的な見方から多面的・多角的な見方へと発展する
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- 〜教材名:「バスと赤ちゃん」(学研 1年/B 思いやり,感謝)〜
- 子どもが自分で動き出す! イガせん流クラス・学びづくり (第10回)
- 仲間の力をいかして物語を書こう
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- EdTechで変わる教室の学び (第10回)
- 個別最適化とは何か?
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- 二瓶弘行&国語“夢”塾プロデュース 言葉の力がぐんぐん伸びる! みんな大好き『国語あそび』 (第10回)
- 低学年/文字
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- 〜きれいな字にへんしんプリントで教え合おう!〜
- 中学年/漢字(部首)
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- 〜漢字の部首ビンゴをしよう!〜
- 高学年/漢字
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- 〜漢字の復習ページで,スピード言葉探しとウソ日記を楽しもう!〜
- 発問で見る「数学的な見方・考え方」を働かせる算数授業 (第10回)
- どのぐらいのびるゴムと言える?
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- 〜4年/簡単な場合についての割合〜
- 編集後記
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- 季節を楽しむわくわく造形アイデア (第10回)
- わくわくすごろく
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編集後記
心理術にかかわる特集を行うにあたり,いろいろと調べていると,興味深い実験を見つけました。心理学者のエレン・ランガーにより行われた実験で,コピー機の順番待ちの列の先頭へ行き,下記のような3通りの言い方で頼むというものです。
(1)要求のみを伝える:「すみません,5枚なのですが,先にコピーをとらせてもらえませんか?」
(2)本物の理由を付け足す:「すみません,5枚なのですが,急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
(3)もっともらしい理由を付け足す:「すみません,5枚なのですが,コピーをとらなければいけないので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
この実験の結果,要求のみのときの承諾率は60%であるのに対し,本物の理由を付け足したときの承諾率は94%。また,もっともらしい理由を付け足したときでも,承諾率は93%に達したそうです。要求を伝えるときに理由を付け加えるといったことは,日々,無意識で当たり前のようにしている方がほとんどだと思いますが,もっともらしい理由(どうでもいい理由)でも,承諾率が変わらないというのは,驚きでした。(参考文献:『影響力の武器』ロバート・B・チャルディーニ(著),社会行動研究会(翻訳),誠信書房)
このような心理現象やテクニックを応用することで,子どもへの言葉かけも変わってくるのではないでしょうか。
もちろん,やみくもに心理テクニックを覚えても,当然ながら相手意識がなければ生かすことはできません。子どもの性格やタイプをしっかりと見取り,安心安全で先生と話したいという雰囲気を醸し出すことは特に重要になってくると思います。子どもの心(心理)を見取り,言葉をかけたりコミュニケーションをしたりすることが,将来的には子ども自身が自ら考え,主体的に物事を行うことにつながっていくと感じています。
そこで,今号では子どもが動きたくなる心理術について,幅広くご紹介いただきました。教師自身が自己プロデュースする方法や,活用できる心理テクニック,トラブル場面での言葉かけまで,子ども自身が自然と動きたくなってしまう心理術をお示しいただきました。
/茅野 現
なんとなく…と感覚的にわかっているつもりでいましたが、今号のように学術的な裏付けがなされると、自分の考え方も厚みが増したように感じます。