- 特集 思わず使う“教師言葉”言い換え辞典
- こんな言い方があった!目からウロコのほめ言葉
- 注意したあとこそほめる
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- ほめているけれど、認めていない?
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- 気持ちをまっすぐ伝えることから
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- 教師も知らない?時代別・学校にまつわる面白言葉
- 教育用語にも不易と流行がある!
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- つい使ってしまう!教師のNG言葉をチェック
- 小学校編◆お友達言葉/マイナス言葉/禁句言葉
- ちょっと待って!その一言が危険です〜子どものやる気スイッチON?OFF?〜
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- 中学校編◆お友達言葉/マイナス言葉/禁句言葉
- NG言葉は、授業中にこそチェックする
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- “教師言葉”を総点検!場面別の改善語録
- 学級生活でよく使う言葉→こう言い換える
- 【子どもの呼び方】×「○○ちゃん」「△△君」→○「○○さん」
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- 【欠席確認】×「あら、休みかな」→○「あら、○○さん、休みかな」―子どもをよく見て、「心配している」ことが伝わるように話そう
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- 【体調チェック】×「具合の悪い人はいますか」→○「動くのが辛い人」―健康観察を生徒とのコミュニケーションの場に変える
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- 【禁止を伝える】×「汚したらダメ」→○「きれいに使いましょう」―望ましい行動を、肯定の言葉でわかりやすく伝えよう
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- 【がんばらせる】×「がんばれ、なぜこんなこともできないのか」→○「筆順をしっかり口に出しながらがんばれ」
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- 【声の大きさ】×「静かにしよう」→○「作戦会議の気分で!」―小さな声にしたいときには小さな声で、大きな声にしたいときには大きな声で
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- 【窓の開け閉め】×『暑い日には窓を開けなきゃダメでしょう」→○「暑い日には窓を開けよう」―前向き・肯定的な言葉に言い換えよう
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- 【机が汚い】×「机をきちんと並べなさい」→○「机を床の印に合わせなさい」―どう整えればよいか、具体的に示す
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- 【給食を残す】×「早く配りなさい」→○「お客さまを待たせないように」―給食を学級レストランで楽しく
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- 【掃除をサボる】×「ちゃんとやりなさい」→○「下駄箱は大へんだから、1日1列ずつぐらいにしておこう」―自尊心を損なわせない取り組ませ方・言い方を工夫する
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- 【集合・移動する】×「○○さん」→○「名前順△番の○○さん」
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- 【登下校にかかわる】×「遅刻しないようにしよう」→○「みんなが朝、定時にそろうほうが気持ちがいいよね」―言葉で行動を変えるというのはなかなか難しいものだ
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- 授業でよく使う言葉→こう言い換える
- 【授業開始】×「教科書の○ページを開いて」→○「今日は、教科書の何ページを勉強すると思う?」―授業スイッチを入れる言葉
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- 【作業の指示】×「○○してください」→○「○○しなさい」「○○しよう」―どれを使っていますか?「○○してください」「○○しなさい」「○○しよう」
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- 【理解の確認】×「(先生の指示が)わかりましたか」→○「○○のところを指さしましょう」―この教師言葉で確認力アップ!!
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- 【やり直しさせる】×「たくさん間違えていたらやり直しよ」→○「10問中、5問以上間違えていたら『再チャレンジ』ね」
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- 【ノートチェック】×「もっとたくさん書きましょう」→○「10行以上書きましょう」―ノートの中身が変化する言葉がけ―具体的言葉で変化を引き出す―
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- 【テスト返却】×「よくがんばりました」→○「ていねいに書けています」―テストは、学んだことを振り返る時間です
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- 【授業への遅刻】×「わざとしているんでしょ」→○「さあ、遅れた時間をどんどん取り戻してよ」―『心を込めて叱る』ということ
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- 【宿題忘れを防ぐ】×「忘れずにちゃんと宿題をやってきましょう」→○「忘れない工夫を書き出そう」―宿題は未来志向の言い換え言葉に
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- 【話し合い・グループ活動】×「自分の意見を言いなさい」→○「自分の思いや考えを聴いてもらおう。解かってもらおう」
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- 【忘れ物の確認】×「なぜ忘れたのですか」→○「連絡帳は書きましたか」―原因を追及せず、対策を教える言葉かけを
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- トラブル&いじめの場面でよく使う言葉→こう言い換える
- 【子どものケンカ】×「何をやってるの。やめなさい」→○「待って。何があったのか、話を聞かせて」
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- 【怪我をした】×「どうやって怪我した」→○「どこが痛い」
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- 【アレルギー・アトピー子どもの対応】×「我慢して、授業に集中しなさい」→○「保冷剤をもらっておいで」―我慢させるのではなく、安心させる対応をすることが大切である
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- 【規則やぶり】×「また、横田君か……」→○「今、廊下を走ったね、同じ注意をするのは何度目かな」
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- 【器物破損】×「どうして、ものを投げたのか」→○「けがはありませんか」
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- 【子どもの失踪】×「なぜ、そんなことをしたの」→○「ああ、よかった。心配していたんだよ」―問い詰めず、どうすべきかを考える言葉をかける
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- 【避難させる】×「落ち着きなさい」→○「今していることをストップしてください。そして、先生の指示を聞きなさい」
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- よく使う書き言葉→こう書き換える
- 【日記へのコメント】○「書き出しがいいですね」○「長く、長く、長く」―「批評家」ではなく、「発掘隊」の目でコメントを使い分ける
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- 【学級通信】×「して下さい」→○「お願いします」―この場面では、こう書き換える
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- 【保護者への連絡帳】×「忘れ物が多い」→○「学習用具の不足が気になる」
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- 【通知表】×「書くスピードを上げることをがんばりましょう」→○「ノートや作文などで、書くスピードが上がってきました」―「手紙」「強化したいこと」「私(I)メッセージ」を心がける
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- コミュニケーション力をつける!教師の対話術セルフチェック
- 基本編:聞く・話す(視線、うなずき、同意、トーンなど)
- これができれば聞き上手・話し上手
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- 応用編:相手が協力的になってくれる依頼方法
- 感謝の言葉を述べることで、次も依頼しやすくなる
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- 応用編:相手が納得してくれる謝り方
- 感情的な保護者のクレームに対して効果的な謝り方
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- 応用編:相手が素直に理解できる指摘の仕方
- 信頼関係を築く努力を
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- 子どものコミュニケーション力アップ!指導ポイント(頼む/意見を言う/謝る)
- 小学校編/「敬意」を基本に、人間関係を大切にした指導を
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- 中学校編/型を教える
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- 荒れた教室で飛び交う!言葉が放つSOS
- 小学校編/言葉の乱れを初期に指導することでクラスの荒れを防ぐことができる
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- 中学校編/気づかせる対応を心がける
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- 《コラム》言葉にまつわる面白BOOK紹介
- 『「方言コスプレ」の時代』田中ゆかり著 岩波書店
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- 『コミュニケーション力を引き出す』―演劇ワークショップのすすめ 平田オリザ・蓮行著 PHP研究所
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- 小特集 プロが薦める夏休みの自由研究面白テーマ
- ネイチャーゲーム―ネイチャーゲームでわが街の魅力を発見する
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- 子ども霞ヶ関見学デー
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- 伝統文化体験で自由研究―社会的意義を意図して
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- 目指せ!博物館の達人、挑戦!野依科学奨励賞
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- 宇宙用ロボットハンドの工作
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- わがクラスの表現活動 (第5回)
- 表現することを楽しみ、自信を育てる
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- わがクラスの集団遊び&学級イベント (第5回)
- 子どもたちだけで企画した感動のお別れ会
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- わがクラスの“裏文化&マイブーム” (第5回)
- 「けん玉の魅力 裏文化に最適!」
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- 表紙&目次の絵 (第5回)
- どの子も満足! 酒井式「花火を見たよ」
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- 戦後授業実践史のキーワードを問い直す (第5回)
- 生活綴方的教育法―「教科の論理」を「生活の論理」に「たぐりよせる」
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- 意欲を育てる教師の言動・駄目にする言動 (第5回)
- 意欲を育てる教師の言動・駄目にする言動
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- 保護者を味方にする中学教師の仕事術 (第5回)
- リップサービスは要らない。信念を語る
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- 勉強マンガ 東大生が教える勉強クリニック (第5回)
- 【今月の相談】「私、集中力がないんです…」
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- 若手がインタビューわが校の誇り!“地の塩の教師”―その教育信条 (第5回)
- どんな時も、向山実践を追い続ける
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- 授業と学級づくり=できる教師の“今月の布石” (第5回)
- 小学1年生/楽しい体ほぐしネタは運動会や授業参観の強い味方
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- 小学2年生/絵画展に向けて、図工の教材研究をしよう
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- 小学3年生/リフレッシュし、充分な準備をして、よい2学期を迎えましょう
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- 小学4年生/2学期をスマートに乗り切る夏休みの準備
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- 小学5年生/2学期の指導計画を立てよう
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- 小学6年生/2学期の授業進度
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- 中学/特別支援の観点を
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- 中学/夏休みにやりたい仕事 その1「職員会用提案文書づくり」
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- 今月の学級行事・学校行事 リフレッシュ提案 (第5回)
- 小学校/ステップを踏んで全員25m完泳を目指す
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- 中学校/暑中見舞い大作戦・勉強会とクラス合唱の練習とイメージ画作り
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- 授業づくりをこうマネジメントする (第5回)
- 学習の目的は「概念形成」
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- 〜8月の問題提起を読み解くために〜
- 1 学習の目的は「概念形成」
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- 2 授業を「細分化」する
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- 編集後記
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編集後記
先日、玉川大学の谷和樹先生の「谷ノート 実物資料集」を拝見する機会がありました。そこには、「教師の指示7原則」が紹介されていますが、その一つに、「具体的に言え」という項目があります。具体例をご紹介しましょう。
×「あとでね」
→○「3時にきます」
×「ちょっと待ってね」
→○「5分待ってね」
×「どうしてやったの?」
→○「何をやろうとしたの?」
×の言葉、どれも普段よく使っている言葉だと、ハッとされたかもしれません。取り込み中のところに子どもが質問に来ても、今すぐ対応できない場合もあるでしょう。そんな時、「あとでね」と言われるより「3時に」と言われた方が、子どもにとって、先生の次の行動が明確となり安心できる、たしかに納得できます。
「小さなシャボン玉を少しずつふくらますように吹いてごらんなさい」。岩下修先生の『AさせたいならBと言え』で紹介されているリコーダー協会の先生の言葉ですが、リコーダーを吹く時にこのようにアドバイスをしたら、あっという間によい音が出たそうです。
向山洋一先生の「おへそをこちらに向けなさい」、有田和正先生の「鉛筆の先から煙が出るくらい速く書きなさい」。何れも有名な「Bの言葉」ですが、このように、日頃何気なく使っている言葉も、ほんのちょっと言い換えただけですんなり子どもに届く。そんな経験をしたことのある先生方も多いのではないでしょうか。
指示、発問、説明、評価……、常日頃、言葉によって子どもを導く機会が多いのが教師。「あいまい語は使わない」「モノに置き換えて表現する」等々、各先生方は、子どもに届くためのオリジナル“教師言葉”を、それぞれストックされているのではと思います。
そこで本号では、学校生活の様々な場面で無意識に使われがちな“教師言葉”を、子どもにスッと届くようひと工夫された“教師言葉”に変換して頂き、効果ある“教師言葉”を共有するための『言い換え辞典』になればと願いました。
(木村 悠)
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- 明治図書