教室ツーウェイ 2012年3月号
川島隆太氏『さらば脳ブーム』の効果を教育実践から検討する

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教室ツーウェイ 2012年3月号川島隆太氏『さらば脳ブーム』の効果を教育実践から検討する

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ジャンル:
授業全般
刊行:
2012年2月7日
対象:
小・中
仕様:
B5判 90頁
状態:
絶版
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目次

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特集 川島隆太氏『さらば脳ブーム』の効果を教育実践から検討する
熱中する、変化するという子どもの事実こそがすべてを物語る
向山 洋一
読み書き計算だけで社会性が発達するはずがない
谷 和樹
読み書き計算で社会性が向上する「感覚」に相当な違和感を感じる
松崎 力
「漢字・計算」の川島氏研究と「ペーパーチャレラン」の慶応精神科学教室の結果を、教師の実践から比較する
単純テストの繰り返しでは、発散的思考は鍛えられない
小森 栄治
教育の現場感覚と大きく異なる認識
高山 佳己
脳トレ教材に効果があるなら、ペーパーチャレランはもっと優れた効果を有する教材である
板倉 弘幸
「漢字・計算」(主として公文式)で、発達障がいの子に効果があるのか
効果の前提となる条件が物語る
椿原 正和
漢字計算だけで社会性は身につかない
奥 清二郎
「教えてほめる」を原則としたユースウェアの意識がなければ、害は大きい
千葉 雄二
争乱状態の教室で、著しい効果があるのは、「漢字・計算」練習か、それとも他のことか
読み書き計算だけで社会性が発達するわけがない!
本間 尚子
荒れた学級に効果があった教材!
村野 聡
教師なら授業が勝負
川原 奈津子
子ども達を学習に集中させるのは、学習のシステムである!!
島村 雄次郎
成就感・達成感を抱いた時に子どもは大きく変化し、社会性が発達するのである
石坂 陽
発達障がいの子に必要な教育の原理は何か
信頼関係を築く
山田 みどり
任天堂に気づいてほしかった!
平山 諭
特別支援教育は職業訓練ではない!
伊藤 寛晃
なぜ「ほめること」が大切か
小嶋 瑞紀
社会性のスキルは、モデルの模範と繰り返しによって発達する
五十嵐 勝義
元編集長が考える、本物の教育と川島氏の「主張」
子どもたちを鍛えるドリルの開発を
江部 満
公文に迎合した「音読と計算」
小貫 榮一
20代教師の実感
“教えてほめる”と“「しくみ」のある教材”
澤田 英一
計算ドリルや計算プリントよりも、ペーパーチャレランや難問プリントを好んだAくん
高見澤 信介
ワーキングメモリー・トレーニングによって成功体験を増やし、子どもの力をつける
地川 雅望
必要なのは褒めることだ
橘 直人
実践者の一歩をよさこいソーランで歩み始める
沼井 梨彩子
読み書き計算が社会性の発達をもたらすのではない
大石 哲久
ミニ特集 思い出の学級の出来事
ぎょっとした子どもの日記
向山 洋一
高学年女子とのドラマ
甲本 卓司
子どもの姿は、教育の結果である
長谷川 博之
学校全体が変わった!
小嶋 悠紀
二つの方法が彼女を救った
田村 恭子
漢字や音読や計算が、子どもを高める
手塚 美和
40人の子どもたちとの苦闘
根津 盛吾
授業の原則 (第12回)
確認の原則
谷 和樹
〜簡単でしかも効果抜群の片々の技術〜
授業の力量をみがく (第12回)
教育界の「闇」は改革しないかぎりなくならない
大森 修
編集前記
向山 洋一
グラビア
今、向山が語っておきたい、向山洋一の仕事 23.12.10教師力向上セミナーIN大阪 ほか
佐藤式工作法 (第60回)
新種の魚があつまった ぼくやわたしのすいぞくかん
佐藤 昌彦
全国ペーパーチャレラン (第238回)
ルール・応募方法
伊藤 亮介星野 裕二鈴木 崇之
ランキング/応募者からの手紙
伊藤 亮介星野 裕二鈴木 崇之
地図記号・アウトインチャレラン
伊藤 亮介星野 裕二鈴木 崇之
教科指導の基本
国語 (第12回)
一文一義から一段落一事へ
松藤 司
算数 (第12回)
向山氏は「文章題を解くカギ」をサラリと確認した A
木村 重夫
理科 (第12回)
整備された理科室で授業を
小森 栄治
社会 (第12回)
全員が思考する発問・指示で授業を組み立てる
桜木 泰自
体育 (第12回)
表現運動が好きになるコツ
根本 正雄
音楽 (第12回)
脳科学に裏づけされた音楽授業
関根 朋子
生活指導 (第12回)
問題を最小限に治める対処の仕方【後編】
河田 祥司
道徳 (第12回)
「ノーベル賞」という新たな分野の創造
河田 孝文
英会話 (第12回)
子どもたちが楽しく英語を身につける工夫をする
井戸 砂織
続・向山洋一を追って (第90回)
[第74巻]『“TOSS授業技量検定”が保障するプロ教師への道』(2)
戸塚 雅昭
〜我流教師が「安定」を保つための、人には言えない四つの「秘密」〜
向山実践の原理・原則 (第216回)
新出、子どもの日記(調布大塚小・坂本さん)に見る向山の授業
向山 洋一
特別支援の授業
日本最先端 翔和学園 (第12回)
卒業式のスピーチ指導
伊藤 寛晃
100名の教職員の校長として (第12回)
試練の連続から学ぶK
小嶋 瑞紀
中学で生まれたドラマ (第12回)
原稿用紙の手紙
高橋 正和
笑顔で教えて笑顔でほめる (第12回)
「一時に一事」が、笑顔で教え笑顔でほめる大原則である
甲本 卓司
医療連携での模擬授業 (第12回)
気になる子を医療機関につなぐ際の留意点
吉永 順一
保護者・教師セミナーで訴えたこと (第12回)
怒鳴ることは意味がなく、害にしかならない
小野 隆行
そうだったのかとわかった授業 (第12回)
細分化し、解釈して、教材を考える
五十嵐 勝義
社会貢献活動
まちづくり活動展開中 (第12回)
子ども観光大使で地域活性化
山口 浩彦
わが地域のまちづくり活動 (第12回)
まちづくり活動の入口
河田 祥司
食育・食卓教育 (第12回)
子どもたちが授業に集中する 安定した授業ができる
長田 修一
観光立国教育 (第12回)
認定した後に【続ける】仕組みをつくる
雨宮 久
子どものコミュニケーション能力を育てる郵便教育 (第12回)
子どものコミュニケーション能力を育てる郵便教育
鈴木 恭子
環境教育最前線 (第12回)
電力のベストミックスを伝えていく
並木 孝樹
教科書・教具のユースウェア
算数教科書の使い方
教材のポイントを見抜き、シンプルに分かりやすく
横崎 邦子
算数スキルの使い方
三学期は総復習を行なう
馬場 慶典
五色百人一首の使い方
五色百人一首大会に挑む
三浦 一心
くるりんベルトの使い方
最高の効果を上げるためには
村田 斎
新卒時代*挫折をのりこえてきた (第12回)
学級を統率する分岐点
平 眞由美
どん底を経験することで得たもの
西尾 豊
学生時代 (第12回)
【TOSS学生の授業修業】より具体的に子どもをイメージする
峯岸 賢史
【TOSS学生の授業力】進化するスピードはロケット並み
岩田 史朗
全国サークル案内 (第12回)
3月
佐々木 真吾
Free Way 読者のページ
編集長日記
向山 洋一
TOSS最新講座情報

編集前記

▼あれほど大流行したのに、いつの間にか、全くなくなってしまうものがある。

▼例えば「百ます計算」である。テレビで大々的にとりあげられた時は、多くの学校がとり入れた。

▼しかし、すぐに消えてしまった。効果がなかったからである。

 第一は、算数の授業時間の半分が消えてしまった。

 第二は、百マスでやるより、普通の計算の形の方が、平均点が二十点も高くなっていた。なぜ、わざわざ、百マスの形をするのか分らなかった。

 第三は、タテとヨコの二つの数字を覚えて計算するために、ワーキングメモリ(短期記憶)の弱い、発達障害の子などは、パニックをおこした。

 第四に、ストップウオッチで測るので、デタラメの数字を入れて「出来ました」という子が出てきた。

 第五に、算数の市販テストの成績は良くならなかった。

▼日本教育技術学会で、全国の千校近くの調査をしたが、ほとんどの学校は中止していた。

 今は、やっている所はほとんどない。

▼「漢字・計算」の練習をすると、頭が良くなる(活性化する)という川島隆太氏の主張は、学校ではあまり受け入れられなかった。

▼それは、教師は毎日のように「漢字や計算」の指導をしているが、実感として、頭が良くなるとは考えられなかったからである。

▼大切なのは、指導の途中のフォローにあるのである。

「計算をできる」ようにするなら、段階別の問題シートを作り、指導してやればいい。しかし、頭を活性化させるなら「さまざまな働きかけ」が必要となる。

▼本来、教師の仕事は「教える」「働きかける」の二つなのである。

▼脳ブームの第一人者であった、川島氏が『さらば脳ブーム』を出版された。

 教育の現場から、考えてみたいと思い特集とした。

(向山 洋一)

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