- 特集 「表現力」を高めるノート指導アイデア
- 「表現力」を高めるノート指導アイデア
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- 総論
- 1 数学的な思考力・表現力を高めるノート指導―式,図,表等を使って着想,プロセス,根拠等を書く習慣をつける―
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- 2 「言語活動の充実」の目的を理解し、指導の改善に生かす
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- 3 基本スタイルから個性的なノートへ
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- 学年別実践事例
- [1年]表現力を鍛えるノートにかかせたい「5つの視点」
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- [2年]児童の実態に合わせたノート指導
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- [3年]「ふきだし法」を活用して子どもの思考を「見える化」する
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- [4年]書き表すのは、頭の中にあること
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- [5年]ノートは知的好奇心の集まり
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- [6年]考える力を高める算数ノート
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- 算数科教育―私の提案 (第10回)
- 協同的な問題解決への取り組み
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- 自著を語る
- 『活用力・思考力・表現力を育てる! 365日の算数学習指導案』(全3巻)
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- 算数教育ホットニュース (第118回)
- 平成23年度の全国学力・学習状況調査
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- ここが知りたい!算数授業何でもQ&A (第10回)
- 教えるべきことと考えさせるべきこと
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- どの子も伸ばす!特別支援教育のツボ&今月の算数授業チェック (第10回)
- 教師にとっては「当たり前」、子どもにとっては「初めて」
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- 授業力アップ!今月の授業と発問
- 【1年】大きいかず
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- 〜かずのならびかたをかんがえよう〜
- 【2年】九九のきまり
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- 〜4×12の答えの見つけ方を考えよう〜
- 【3年】べつべつに いっしょに
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- 〜いろいろな方法で考えよう〜
- 【4年】調べ方と整理のしかた
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- 〜なかまに分けて考え、表にまとめよう〜
- 【5年】割合
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- 〜割合を求めよう〜
- 【6年】量の単位
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- 〜長さと面積・体積の単位についてまとめよう〜
- わかる! できる! 算数授業の取り組み紹介 (第22回)
- 「思いを伝え合う」授業をめざして―熊坂小学校―
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- 算数授業奮闘記 (第116回)
- 子どもが、学んだことを夢中になって使う授業
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- 算数が好きになる問題
- [1年]かいぞくのおたからゲット!
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- [2年]かぞえて、くらべよう
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- [3年]かくれた数をさがし出そう
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- [4年]およその数であらわそう!
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- [5年]チャレンジ!分数パズル
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- [6年]4まいのカードを使って3けたの5の倍数はいくつできるかな?
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- 「足場」のある算数授業の新展開 (第10回)
- 子どもが足場をつくる算数授業事例(4)
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- 〜6年 小数÷分数の計算の授業から〜
- 子どもの意欲を高める朱書き文例集 (第22回)
- 1月のノート指導と朱書き
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- イチオシ! 板書紹介 (第22回)
- カレンダーのひみつに気づかせる場
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- 〜第4学年 カレンダーのひみつ〜
- 算数の玉手箱―授業,教材,ゲームアイディア集 (第10回)
- 表やグラフを楽しもう
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- 〜2年【ひょうとグラフ】〜
- 子どもと楽しむ12か月 算数面白小話 (第10回)
- 数学的なアイデアの活用
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- 〜最大公約数を利用する問題で〜
- 編集後記
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- 数検問題にチャレンジ! (第10回)
- 割合は、わりあい難しい!
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- 〜級:7級 単元:割合 学年:5年〜
成功する算数授業D 「表現力」を高めるノート指導アイデア
新学習指導要領の算数科の目標では,「表現力」の育成がうたわれています。それだけ,これまでの算数の授業が,問題解決,問題練習に傾いていることを改善しようとしたものといえるでしょう。
さて,算数科においての表現力はどのように捉えればよいのでしょうか。簡潔にいえば,思考力・判断力と密接な関係にあるものが表現力です。言語によって思考し,判断し,それらを表現することになります。また,表現したことによって思考・判断が促進もされます。算数の授業における表現力とは,子どもが問題解決において,見通しや振り返りなどの場面で考えたことを音声言語や記述言語で表現する力のことだと考えます。算数的な表現には,具体的には,言葉,図,式,表,数直線などがあります。これらの算数的な表現力を高めるためには,ノートの役割が大きいと考えます。
ここで,算数科のノートについて考えてみましょう。ノートの機能としては,@記録,Aリハーサル,B練習,C考える力を育成,D振り返りをはかる,E交流の6点があります。ところが,実際のノートにはいろいろなタイプのものがあります。単に計算練習帳のように使っているノート,また,板書の書き写しだけになっているノートもあります。
今回の特集では,練習帳や書き写しだけのノートから脱却するための提案を意図しています。ノートは,個人の思考のメモです。また,さらに,集団における思考の錬磨にかかわるメモでありたいものです。すなわち,問題解決における自分の思考過程を図,式,言葉によってノートに表現するのです。そして,練り上げにおいて友達との交流の場としても使うことができます。つまり,思考→ノートにメモ→発表による表現→ノートに新たなメモの追加,という流れが考えられます。このように,算数科では問題解決で思考し,判断したことを表現する場としてノートは大いに役立ちます。ノートを見ることによって授業が再現できるのが望ましいでしょう。
本号では,総論で算数科における表現力の育成とノート指導とのかかわりについて述べるとともに,子どもに思考の表現を明確にするノートを創らせる具体的な実践事例をご紹介します。
志水 廣
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- 明治図書