実践国語研究 別冊 2003年10月号
生きて働くことばの力を身に付ける

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実践国語研究 別冊 2003年10月号生きて働くことばの力を身に付ける

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ジャンル:
国語
刊行:
2003年9月
対象:
小・中
仕様:
A5判 269頁
状態:
絶版
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目次

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生きて働くことばの力を身に付ける―言語活動例の具体化と評価のある国語教室の創造
はじめに
川部 昌平
本著「生きて働くことばの力を身に付ける」が提案すること
小森 茂
国語の力が身に付く授業づくりと評価のポイント
澤口 千惠子
基礎・基本を確実に身に付ける言語活動例具体化の視点と評価
水戸部 修治
生きて働くことばの力が身に付く授業の実際
話すこと・聞くこと/小学校
小学校「話すこと・聞くこと」の指導と評価
渋谷 健一
楽しみながら話し方・聞き方を身に付ける*1年「きいて きいて わたしのたからもの」
江川 久美子
子ども達が生き生き取り組むスピーチの学習*4年「学級紹介をしよう」
池田 友子
民話を語ろう*4年「吉四六話」
五十嵐 勝博
考えを比べ合いながら話し合う力を高める学習*5年「ニュースを伝える」
元木 幸子
「話す・聞く」が言語生活により生かされていくための学習*5年「効果的に伝えよう」
小沼 裕佳理
話すこと・聞くこと/中学校
中学校「話すこと・聞くこと」の指導と評価
井上 賢一
主体的な聞き手意識を持ち、「対話」を広げたり深めたりする*3年「『対話』をふくらませて」
武田 裕
説得力あるプレゼンテーションを追究させる工夫*2年「古くて新しい路面電車」他
神保 由美
学びの意欲を生かして、学びの深まりを実感できる学習*1年「『昔話』と『腹話術』の話術に挑戦しよう」
高木 光紀
書くこと/小学校
小学校「書くこと」の指導と評価
田中 淳水戸部 修治
入門期・書くことに対する意欲と自信を高めていく*1年「こころにのこったことをかいてみよう」
佐藤 卓生
伝えたい内容を楽しく書く子どもを目指して*1年「どうぶつの赤ちゃん」
黒澤 容子
自分らしさを発揮しながら、楽しく書く学習*1年「かいてつかおう」
羽田 淳子
伝える楽しさを味わいながら書き方を身に付ける*2年「動くおもちゃでいっしょに遊ぼう」
千葉 えみ子
年間を通して、体験活動から生まれた思いを大切に*2年「千歳山大すき」
東海林 弘和
簡単な組み立てを意識し、体験したことを楽しみながら書く*2年「くわしく思い出して書こう」
戸津 昌
相手や目的に応じて、調べたことなどを工夫しながら適切に書く*4年「見つめよう!わたしたちの生活」
松井 卓
目的や意図に応じて収集した情報を活用し効果的に書く*5年「命の水を、ぼくたちの手で」
佐藤 千代
目的に応じて効果的に書く学習*6年「ガイドブックを作ろう」
安達 由美子
書くこと/中学校
中学校「書くこと」の指導と評価
岡崎 洋子
相手の立場を考え、思いを効果的に伝えるための書く活動*2年「思いを伝える」
荒井 陽子
書く意欲を喚起する創作文の指導*3年「思いをつづる―和歌から生まれた小さな物語」
有路 智子
読むこと/小学校
小学校「読むこと」の指導と評価
佐藤 昌彦
本に親しみを持ち、楽しんで読む子どもを目指して*1年「本となかよし」
高畠 聡子
二つの作品を読み比べ、自分の読みを深める*3年「ちいちゃんのかげおくり」「そして、トンキーも死んだ」
高橋 雄二
持っている力を使って、主体的に読もうとする子どもを目指して*6年「やまなし」他
松野 俊彦
読むこと/中学校
中学校「読むこと」の指導と評価
橋 禎
読み取ったことを伝え合い、自分の読みを豊かにする*1年「ジュニア版NHKプロジェクトX」
丸山 雅広
上級生の作った帯を読むことから*1年「ようこそ図書館へ」
伊藤 恵美子
国語教室で、「発話」と「接話」の力を育む
木村 康二
あとがき
今田 正行
執筆者紹介

はじめに

川部 昌平(かわべ・しょうへい)

山形市立第四中学校


「生きて働く言葉の力が身につく国語教室」とは、平成十四年度に山形市で開催した第五十一回東北地区国語教育研究協議会山形大会の大会主題である。みずみずしい感性にあふれ、明確な論理性をもって人の心に届く言葉、児童生徒の実際の学習や生活の場面に生きる言葉、そのような言葉の力を児童生徒が自ら獲得していく国語の授業はどうあればいいのか、ということを課題にして提案授業ならびに研究発表と協議を行った。

ねらいの厳選、多様な言語活動を通した基礎基本の定着、そして言葉で伝え合うことの楽しさが感じられる「〜し合う」という双方向性の重視、学習の推進力である意欲・関心の喚起、そしてそれらの学習活動の効果的な評価のあり方、などが具体的な提案と協議の内容である。

本書では、これらのことを中心に、実践報告をまとめさせていただいた。巻頭には青山学院大学教授小森茂先生から「本著『生きて働くことばの力を身に付ける』が提案すること」について論述をいただいた。また研究のリーダーシップをとっていただいた方々からそれぞれ「授業づくりと評価」、「言語活動例具体化の視点と評価」について、さらに「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の各分野ごとの概論をいただき、その後に授業の実際として、大会の授業者の提案と、ともに研究にあたってきた小・中学校の研究同人の具体的な言語活動例と評価の実際を3つの分野ごとに掲載させていただくことにした。

今年一月に出された文化審議会国語分科会の『これからの時代に求められる国語力について』の審議経過の概要においても、国語の果たす役割と重要性について、「コミュニケーション能力の基盤」「知的活動の基盤」「感性・情緒等の基盤」として、生涯を通じて、個人の自己形成にかかわる点(@個人にとっての国語)、社会生活の基本であるコミュニケーションは国語によって成立する点、国語は文化の中核であり、基盤である点(A社会全体にとっての国語)をあげ、その重要性をまず訴えている。

小・中学校における日々の授業は、この重要な国語の基礎を培ういわば社会的な使命を帯びた営みともいえる。このたびの私たちのささやかな実践報告がそうした仕事の一端を担うものとなっているといえるのかどうか、忌憚のないご批判、ご意見を賜りたい。

終わりに、本書の発刊に際して、お忙しい中、多大のご指導をいただいた小森茂先生、明治図書の間瀬氏に、心から感謝申し上げる次第である。


二〇〇三年七月



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      明治図書

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