- 特集 子ども“集団の力関係”格差10場面―埋める指導・逆転するしかけ
- 巻頭論文
- 集団の力関係
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- 教室の生活力格差をどう捉えればよいか
- 能力が発揮できるよう、教師は働きかける
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- 生活力格差を埋める指導・逆転するしかけ
- やんちゃ度格差
- どの子も活躍する場を仕組む
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- クラス全員をやんちゃにしたい! 子どもを見つめる大人の度量
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- 人気度格差
- 人気度格差は遊びの中に表れ、教師の接し方が格差を是正する
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- 人気度は、客観的に把握し、授業・イベントで変える
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- 腕力・体力格差
- 集団の力を活用して逆転現象を仕組む
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- できない子の成功を最大限生かせ
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- 行動力格差
- 一年生は行動パターンをすりこんでいく
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- 先生といっしょが安心を生む(よさを引き出す対応)
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- 我慢度格差
- 忍耐強く、褒めながらうまくいく経験を増やしていく
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- 毎日の言葉・二時間目までの授業で我慢力を付ける
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- コミュニケーション度格差
- 「あいさつ」スキルと五色百人一首で格差を埋める
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- “システム”で生活力格差を埋める
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- 学力格差を埋める指導・逆転するしかけ
- 発言力格差
- 音読指導から指名なし発表へ
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- 発言力格差を埋めるのは音読指導から
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- 漢字力格差
- 授業の中で事前に多くの布石をうち、漢字テストへ
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- 授業時間内に覚えさせ直前に確認する
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- 計算力格差
- 丁寧なノート作りが「格差」を埋める
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- 遅れがちな子どもたちに自信をつけさせたシステム
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- 家庭学習度格差
- 成功体験で格差を埋める
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- 楽しい宿題・やるしかない宿題
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- モンスターペアレントなんかこわくない、とっておきのかわし術
- 有事の数倍、平時を大事にせよ
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- 誠意をもって接し、成長の喜びを分かち合う
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- トラブルから逃げてはいけない、トラブルにより成長する
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- モンスター予防線をはる
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- かわすための四つの基本術
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- 初期対応で全てが決まる
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- 男の先生と、女の先生
- 目線
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- 第6回TOSS女教師ML全国模擬授業大会
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- おすすめグッズ・整頓術
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- 巻頭言
- あきらめなければ可能性が生まれる
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- 男教師から見た“…ですよね”女教師論
- 2人の女教師に支えられるTOSS/Advance
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- 高段者へのインタビュー
- いつも授業の事を考えて、仕事を楽しむ
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- 〜松藤 司〜
- 辛口の応援歌―男先生からみた“女先生の教師修業”
- トラブルを解決するには基本から考える
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- あの頃は若かった―ベテラン教師の若いとき
- 活気のあった組合活動時代
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- すぐ使えるイラストページ
- 思い出のアルバム
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- 季節の行事―学級通信用
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- 2―3月のオススメ教材
- 漢字文化の授業
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- 最後の授業
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- 2―3月の行事の取り組み
- 日本の伝統行事を授業する
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- 終了式 卒業式
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- すぐ使えるファックスページ
- 5分間漢字学習プリント
- 1年用/かんじのくにからの てがみ
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- 2年用/「巻き戻し」で漢字を確かめよう
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- 3年用/漢字大好き「博士」になろう!
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- 4年用/部首が同じ漢字を集めよう
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- 5年用/熟語しりとり迷路に挑戦!!
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- 6年用/動物(生き物)の漢字を使ったことわざ
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- 名作からの心の教育
- 低学年・中学年/新美南吉「木の祭り」を読んで
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- 高学年・中学校/宮沢賢治「よだかの星」から
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- 女子学生ただいま教師修業中
- 将来のため、学生の間から教師修業に励む
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- 女教師のやる気まんまん
- TOSS翔び梅と「SNS」で再出発
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- 子育て奮戦記
- 子育てママ先生の時間管理術
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- 女教師・学校を動かす術
- 「密度の濃い仕事」が学校を変える
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- 中学女教師・腕力なき指導を目指して
- 感動ある行事が生徒を育てる
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- 女教師はまたまた見た
- 元気がない時こそサークルに行こう!
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- 保健室奮闘記 (第35回)
- 養護教諭の卵ちゃんからの核心をついた質問に苦戦
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- 女教師喫茶室
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- 編集後記
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- 旅のことば書道
- 旅の思い出を五七五に
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巻頭言
あきらめなければ可能性が生まれる
本誌編集長 師尾喜代子
「子どもは環境と遺伝子を背負っている」
新卒の頃、心に刻み込まれた言葉です。大人の格差は、社会のせいにばかりにはできませんが、幼い子どもの生活力格差、学力格差は大人に大きな責任があります。
荒れた六年生を担任した時、多くが家庭の事情を抱えていました。休み時間に少しだけ漏れる本音。小さなつぶやきは、友達との会話にのって、教師の耳に届きました。
ある子は、離婚・再婚・新しい父親と実の父親の存在、母親との関わり、兄弟との関わりの中で、揺れていました。またある子は、離婚により、大好きな父親との別れの中にいました。両親を亡くして、祖父母に育てられている子もいました。皆素直ないい子でした。でも、やりきれない思いが行動に表れることが多くありました。
その行動を見るたびに、「聞いて欲しいんだ」というメッセージを感じ取りました。
「子ども理解とは『子どもが自分をどう思っているかを知ること』である」は向山氏の教えです。
教師の想像を超えた様々な環境の中で子どもが育っていることを教師は知っておかなければなりません。子どもは、生まれながらに、格差の中で育っているのです。
「学力格差」も同様です。昨日できるようになった計算が、また今日はできません。また昨日の一日と同じ学習を繰り返し、また一歩進めます。向山氏は「砂のお城」という言葉を使いました。教育とは、そういうものであること、そして、崩れても、崩れても、築くことの大切さを訴えます。
教師があきらめなければ、可能性が生まれるのです。
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- 明治図書