- 特集 今すぐ育てたい「心の教育」とは
- 提言・今求められている「心の教育」とは
- 「心の教育」をどう考えるか
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- 教室の秩序の回復を
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- 当たり前のことに「感謝する心」を
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- 成長に即した「心の教育」の課題は何か
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- 自重・他励の心を育てよう
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- 日本人としての美徳
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- さまざまな荒廃現象にみる「心の教育」とは
- いじめにみる「心の危機」
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- 校内暴力にみる「心の危機」
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- 登校拒否にみる「心の危機」
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- 孤立・無気力にみる「心の危機」
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- 勉強嫌いにみる「心の危機」
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- 今すぐ育てたい「他者への思いやりの心」
- 自分のための学習だけではなく他者のことも学習すること
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- 「思いやりの心」はゆっくり時間をかけて育まれていく
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- 行動を示し、心を育てる
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- 今すぐ育てたい「自立心・自己抑制力・責任感の心」
- 自分たちで「日本一のクラスにしよう」という気持ちを育てる
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- 大人が成長を阻んでいないか? 「自分で何とかする」状況を意図的に作り出してやらなければならない
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- 責任を果たす大人に育てよう
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- 今すぐ育てたい「社会奉仕の心」
- 「人のためにできること」を授業で考えさせる
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- 伝え忘れたことを伝える 行為から心を育てる
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- 学びと社会をつなげるサービスラーニング
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- 今すぐ育てたい「正義感・公正を重んじる心」
- 子どもの心を育てる「なかよし」学習
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- 子どもたちに「生き方のモデル」を見せつける
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- 当たり前のことを当たり前にすることこそが正義を貫く第一歩になる
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- 今すぐ育てたい「郷土を愛する心」
- 失われたものを取り戻す
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- 自分の身近なお気に入りの場所から郷土を愛する心を育てる
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- 郷土のよさをきちんと教える
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- 楽しいクラスをみんなで創る (第3回)
- 大切にする心・頑張る心でハッピーに!
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- 心を育てる言葉かけ
- 「お早うございます。」の力
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- 「考える力」はこうして育てる (第3回)
- 低学年の場合/ほめることで、子どもの考える力を伸ばす
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- 中学年の場合/自分の考えを書く作業に慣れさせる
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- 高学年の場合/「対比」で文を書く
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- 中学生の場合/清掃指導で考える力を要求する
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- 子どもに「モラル」を育てる (第3回)
- 譲り合うことのできる子にしよう
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- 集団活動を通して子どもの心をつなぐ (第3回)
- 男女の仲をつなぐ
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- 特別支援教育の担任となって (第3回)
- 6月 学習に力を入れる
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- グレーゾーンの子を救う効果的な学習指導の方法 (第3回)
- 一斉指導での配慮と社会性の育成
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- 編集後記
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編集後記
○…『心の危機を救え』を書かれた梅原猛氏は、「平和と民主主義の教育」という戦後教育の看板は道徳教育としては実際にはほとんど意味のない教育理念だ、と指摘していました。戦後の教育が子どもの自由、自主性を尊重する反面、子どもの心をみがくこと、心に善悪のけじめをしっかり刻むことを怠り、集団生活に必要なきまり(規則)を守る心、一時的、衝動的な欲望や行為を抑制する心、身のまわりの暴力を憎み、平和を愛する心などの育成を疎かにしてきたのではないか、と十年ほど前の『現代教育科学』の特集号「心の危機」は教育で救えるのか、で指摘されていました。
○…「心の教育」は二十一世紀の緊急課題だと言われながら「モデルなき時代の日本人の心の行方」が問題にされてきました。しかしいざ「心の教育」とは何かとなると、「心」という語自体、厳密に定義された術語ではないので、人によってイメージや主張が異なってくる、とその時の特集号で新堀通也氏が指摘されていました。
○…そこで教師にとっては「心の教育」を考え実践する際、改めて基本的な原則や視点を明確にしておく必要があるとして、次の四点を上げていました。第一は、望ましい心と望ましからぬ心など「心の教育」の分類を。第二は、人により時代により状況によって望ましいか否かの判断が変わることが多いから多面的な解釈を。第三は、望ましい心と考えられるものを一つだけ取り上げたり、それを極端に拡大解釈したりすることを警戒しなくてはならない。心の諸相の長短功罪を高い位置、広い視野から冷静に見極め、行きすぎないよう警戒すること。第四に、臨床教育学の視点を取り入れることの必要性。
○…本号は教育基本法の改正を機に、改めて「心の教育」の実践課題を解明したいと考えました。
(江部 満)
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- 明治図書