生活指導 2003年12月号
子どもたちのトラブルを読み解く

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生活指導 2003年12月号子どもたちのトラブルを読み解く

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2003年11月
対象:
小・中
仕様:
A5判 124頁
状態:
絶版
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目次

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特集 子どもたちのトラブルを読み解く
子どもたちのトラブルを読み解く
鈴木 和夫
小学校実践
「事件の核心は?」―女子の読み解き
鈴木 和夫
言いたいこと言わないのは、言わない人の責任?
原田 真知子
中学校実践
成明の物語
青澤 弘明
分析
トラブルを読み解き、集団づくりへ
今関 和子
子どもたちのトラブルと集団づくり
照本 祥敬
Q&A 子どもたちのトラブルを読み解く
井本 傳枝
第2特集 情報・メディア権力と教育
実践
情報発信から共同へ
塩崎 義明
国語の授業は寝たほうがまし?
広井 護
メディア権力と教育の新たな可能性
子安 潤
関係図書紹介
メディアとデジタル社会を読む参考図書紹介
子安 潤
今月のメッセージ
「あの人は今、どんな思いで、きのう、今日、生きてるんかなあ」
関 誠
手をつなぐ―親と教師
「今、親は苦手です」のトンネルをいつになったら抜け出せるんだろう
矢川 律
生活指導研究コーナー
子ども集団づくりをめぐる対話
船越 勝
教育情報
障害児を含む教育改悪の流れに抗しよう
白桃 敏司
ほっとたいむ サークルからの発信
「避難所・居場所・根拠地」としてのサークルをめざして
佐々原 芳夫
書評
『子どもが子どもとして生きる』
柳田 良雄
読者の声
10月号を読んで
案内板 集会・学習会のお知らせ
投稿 実践記録
「戦争は終わらない」の劇にとりくんで
高波 勉
コメント
後藤 義昭
全生研の窓
編集後記
鈴木 和夫

今月のメッセージ

「あの人は今、どんな思いで、きのう、今日、生きてるんかなあ」

―よりよく生きたいと思っている自分を意識し直そう―

常任委員 関   誠


「今の自分は、いったい、何をやっとるんだろう?!」って、たまには、息を深くついてしみじみと考えてみること。やってます?!

 自分についてだけでなく、家族ひとりひとりについて、お隣さんや知人、友人、同僚、教え子たちについても。やらなくっちゃと思うんですね。

「そうだ、今、あの人は、どんな思いで、きのう、今日、生きてるんかなあ。」って思い浮かべ、それを追いかけてみる。(日頃の課題意識や価値意識で限定し焦点化して自他の状況を推し測り、ストレスを増幅させながら、「どうしたものか?! どうしたものか?!」と、シビアーにつきつめていくといった風なことを言っているのではありません。)

 とにかく、自他が今、その日々を様々に感じ考えつつ生きていることについて……。その生きることが発している息づかい。そこから感じる哀しさとか無惨さとか、おかしさとか……。その魅力とか。価値とか。未分化ながらも意味らしさを感じさせられるものとか。

 そうしたものを、自分に引き寄せ、感じ、どう思い考えたものかと、その文脈さがしをしてみるといったようなことを意識的にやる。

 日頃つかいなれたコトバで、(いわば手アカのついた発想や方法意識で)、今の自分と自分がかかわる「世界」をとらえ、対応のアレコレを思い考える。そういうパターンから離れて(?)、自分の思考をリフレッシュするようなことをしてみたら?! っていうことなのです。

「自分が子どもだった頃、どんなことがあってどんなことを思い、考えたか。」

「本や映画で、どんな世界を知り、どんな思い方、考え方、体験を知ったっけ。」

「そういったものを、自分の日常実践に使っているかなー」って考えてみる。「ジンバブエの九つの子。イラクやアフガンの十一才の子。今、この時間、どうしてるんだろうか?!」と思い描いてみる。「いや。うちのクラスの〇〇ちゃん。今この時間、何してるんだろう? 私のことは、どう思ってるかなあー。」「完治の見込みのない小児病棟。当直の若い看護師さんがいる。今、どんな思いで……?!」こんな風なことを思い描きつつ、自分のアレコレを照射してみたりするのです。ウソみたいに欠落していることがあることに気づいたり、「そうだ、思い切ってやってみようッ」という思いがこみあげてきたりします。


 今、私たちをとりまく大状況も、また小状況もストレスが溜る一方の厳しいものです。

 憤りや悲観で、くじけそう。あきらめちゃいそう。「考えないようにし、気にならないように自分を馴らそうとしたら……」なんて、あらぬ考えが横切ったり……。


 ホント、今の私たちには、エネルギーが必要です。そのエネルギーの再生産のしかたについての研究が必要だと思います。

 それには、まず、科学的な分析や創造的発想。積極的方針や方法。それらの集団的・組織的・研究協議の運動的推進が必要なのですが、同時に必要なのは、困難に負けず、ねばりづよく、楽天的に実践を創造し発展させていくエネルギーは、どのような知恵や営みによって再生産されていくかの研究です。

 弁証法の論理学・思考方法の学習などが意識されます。私たちが求める「エネルギー」の源泉について思いを致し、研究交流したいと思います。情勢や課題や方法について論じるメッセージが続いてきた中で、たまには、こんなメッセージも必要なのでは……と考えペンを執りました。


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