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特集の解説 発達障害児に逆転現象が起こる新メニュー
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
知り合いの方と話す機会があった。今まで運動会で1位になったことがないお子さんが、今年初めて1位になったとのことである。
「どうして1位になったのですか」と聞くと「川本和久著『2時間で足が速くなる!』(ダイヤモンド社)を読んで、練習したからです」と話してくれた。
お子さんは今まで、一度も1位になったことがなかったのである。
それが『2時間で足が速くなる!』を読んで、勝てたのだという。逆転現象が起きたのである。
山梨県の根津盛吾氏は、発達障害を抱える子どもたちを招いて、体育子どもTOSSデーを実施された。
今まで一度も跳び箱を跳んだことのない子どもである。根津氏は、奥行きが35p、高さ3段で30pの「小さな跳び箱」を使用した。
対象児童は年長〜3年生までで、発達の遅れから身体がとても小さいお子さんもいたそうである。
全員に成功体験を保障するために、特別に用意したのである。通常小学校においてある「低学年用跳び箱」は奥行きが60pのものがほとんどである。
この60pの違いが大きいと考え、35pの跳び箱を用意した。
その結果、これらの跳び箱で向山式指導法を行い、15人中14人が「開脚跳び」に成功したと報告している。
跳び箱の大きさを変えることで、逆転現象が起こったのである。今まで跳び箱を飛び越すことのできなかった、発達障害を抱える子どもたちが、跳べるようになったのである。
35pが跳べれば、60pも跳べる。今までできないだろうと思っていた教師や子どもは、この事実に驚き、喜んだとのことである。
本特集では、以上のような逆転現象を起こす体育指導を、次の項目で紹介されている。
@ 教材名
A 逆転現象を起こす方法
B 逆転現象の起こった事実
C 逆転現象によって変容した子どもの様子
D 発展
教材に即して、逆転現象が起こる方法を明示してある。川本氏は、2時間で足が速くなるために、「ポン・ピュン・ラン」という具体的な方法を提案している。
根津氏は、逆転現象を起こすために、奥行きが35p、高さ3段で30pの「小さな跳び箱」を使用している。
この方法を使用すれば、必ず逆転現象が起きるという方法を具体的に示されている。
次は、その方法で逆転現象の起こった事実が示してある。川本氏は、指導した教え子が「ポン・ピュン・ラン」によって、11秒36の日本記録を達成したと述べている。
根津氏は、15人中14人が「開脚跳び」に成功したと述べている。事実を数値で紹介してあるので、説得力がある。
さらに、変容した子どもの様子を写真、イラスト、感想などで紹介してある。
逆転現象によって、どのような変容がなされたのか、紹介している。
最後に、発展としての実践が報告されている。根津氏の場合は、跳び箱の長さを60pにする、高さを4段にするという指導が考えられる。
逆転現象を起こす指導によって、運動の苦手な子どもが1人でもいなくなり、運動は楽しいという体験をさせていってほしい。
発達障害児に逆転現象が起こる新メニューを参考にして、健常児にも応用していって、楽しい体育にしてほしい。
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