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特集の解説
体育の特別支援―
効果抜群の指導法一覧
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
特別支援を要する子どもがどの学級にもいる。活動の欲求はどの子どもにもある。
運動がしたい、上手になりたいというのは、どの子どもも同じである。
特別支援を要する子どもの願いも同じである。本号では、そのような子どもに対応した体育授業の提案がされている。
静岡県の高橋祥二氏は、知的障害児のなわ跳び指導の実践をされた。
分かりやすい方法で効果があったとのことである。次の内容で指導された。
1 なわ跳びがうまくできない原因は何か
1 なわをスムーズに回せない
障害児や幼児がうまく跳べない様子を見ると、なわがスムーズに回らないことである。
特にジャンプしているときになわが体の下方に来なければならないのに、背中、もしくは上方にきている。そして、着地する頃にやっとなわが下方に来る。
ジャンプと同時に手・腕が上方に上がるため、柔らかいなわが体にまとわりつく。そのためスムーズに回らないのである。
2 手と足の協調した動きができない
「手でなわを回す」「回るなわとなわのタイミングに合わせてジャンプする」という手と足の協調した動きができないため、なわ跳びがうまく跳べないのである。
2 初期の段階におけるなわ跳びの技術のポイントは何か
a ジャンプの際の手足の協調運動
b 頭越しに行われるなわの投げだし
この二つのポイントがスムーズに行われるようになれば、なわ跳びを跳ぶことができるようになる。
3 うまく跳べない原因を克服するためにどんな手だてをとれば有効か
なわ跳びに取り組み始めた初期の頃の子どもの動きは、大きく円を描くようになっている。手が頭の後ろから頭上を通り、前方へ大きく投げ出されている。
しかし、なわは手と同じ動きになっていない。手の動きよりも遅れ、体にまとわりついている。
これではなわはスムーズに回らない。なわが柔らかいためにこのようになってしまう。
この原因を克服するための教具を工夫し、「ミラクル跳びなわ」と命名した。
「ミラクル跳びなわ」は、ただなわ跳びの柄の部分に新聞紙を巻いただけのものである。柄の部分から長く新聞紙を巻くことによって、堅い棒状になり、回しやすくなる。
体育セミナーで教師にも実践したが、跳びやすいと好評であった。
4 知的障害児がなわ跳びを跳べる様になるステップの工夫
1 両足ジャンプができない児童の練習ステップ
2 両足ジャンプができて短なわ跳びに挑戦する児童の練習ステップ
高橋氏はミラクル跳びなわを用いた指導ステップを考えた。スモールステップで示されているので、なわ跳びのできない子どもにとっても練習がしやすいのである。
方法が具体的でありモノを使用しているので、評価もしやすく、手足の協調ができるステップになっている。
この指導で跳べなかった知的障害児ができるようになったということである。高橋氏の実践をまとめると次のようになっている。
1 運動がうまくできない原因は何か
2 初期の段階における運動の技術のポイントは何か
3 うまく運動ができない原因を克服するための手だては何か
4 特別支援の子どもができる様になるためのステップ
本号では、高橋祥二氏のなわ跳び指導の1〜4の項目で、特別支援に対応する指導法が紹介されている。
運動の苦手な子どもも、楽しい体育ができるような指導をしていってほしい。
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- 明治図書