楽しい体育の授業 2010年6月号
水泳―長く泳がせる“四つの指導ステップ”

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楽しい体育の授業 2010年6月号水泳―長く泳がせる“四つの指導ステップ”

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2010年5月10日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 水泳―長く泳がせる“四つの指導ステップ”
特集の解説
水泳―長く泳がせる“四つの指導ステップ”
根本 正雄
実践事例
基礎感覚づくりの指導
基礎感覚を身に付ける遊び
高本 英樹
初めて25メートル泳げた!〜“連続だるま浮き”を、授業システムに位置づける〜
西田 真衣子
全体指導の中で、何度も体験しているうちに基礎感覚は高まっていく
小路 健太郎
基礎感覚を身に付ける楽しい「水遊び」
中宿 清美
習得の指導
「イメージ言葉」がキーワード
齋藤 貴裕
ゆったりとした連続だるま浮きを習得させると、長く泳がせることができる
上木 信弘
「習得」への二つの方法と三つのステップ!
大谷 智士
「子どもたちが泳ぐ量の確保」に全力を注ぐ
松本 一樹
楽しくなれば習得を図ることができる!私が使う五つのネタ
松本 隆行
活用の指導
だるま浮きから足だらん平泳ぎまでの勘所
根津 盛吾
水泳指導の第1歩、低学年ではミニゲームが効果的
川田 剛
呼吸力を身に付けながら、だるま浮きから平泳ぎにつなげる
桑原 佑樹
一斉指導を中心とした中学年での指導
柳田 善信
「脱力」と「呼吸のタイミング」の指導で楽に長く泳ぐクロールをマスターさせる
上川 晃
探究の指導
サバイバル耐久泳が楽しい
渡辺 喜男
1時間で1000メートル泳がせる指導システム
高橋 恒久
25メートルを1分5秒で泳ぎます
太田 輝昭
リズムとテンポよく運動量を確保しながら必要なステップを指導していく
桑原 和彦
ミニ特集 6月 新指導要領で体育授業はこう変わる(水泳)
低学年/「水遊び」領域、遊びながら、浮くこと・もぐることの全員習得をめざす!
佐藤 貴子
中学年/楽しい遊びとスモールステップで「ふしうき」をマスターさせる
団野 晶夫
高学年/全体の大きな流れの中で、子どもたちに力をつける
村田 正樹
ライブで体感!TOSS体育講座
できない子ができるようになる!体育の授業をライブで学ぶ―第18回日本体育技術学会in東京―
佐藤 泰之
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
泳げるための三つの段階
鈴木 智光
マンガで見る楽しい体育指導 (第123回)
根本体育直伝マンガ(タッチクロールの巻)
岩野 節男
体育授業が変わる把握術〜子どもをどう動かすのか (第3回)
「先生、体操服忘れました」にどう対応するか
並木 孝樹
苦手な子ができるようになる、新・テクニカルポイント (第3回)
壁倒立の習熟と、倒立ブリッヂ、倒立前転のポイント
村田 淳
拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
2分の1成人式でYOSAKOIソーランを成功させる
柴崎 昌紀
運動会から体育倉庫整備まで〜体育主任の仕事術 (第3回)
具体的な行動を通して、児童の「できる」を保証する
郡司 崇人
〜全学級の達成度調査と効果的な職員研修を行う〜
初任者必見!体育授業の約束&システム (第3回)
「主運動につながる運動」は毎時間継続して行う
本宮 淳平
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第36回)
こわ〜い歯周病〜保育園・小学校・中学校から!
齋藤 滋
「身近なモノ」ちょっとした工夫の教材教具 (第3回)
フラフープ一つで1時間熱中した授業ができる
木村 正章
特別支援の子どもも活躍!楽しい体育授業
低学年で1分間持久跳び全員クリアに至るまで「4月から5分間」「本気になる場」「絶対量」
間嶋 祐樹
学級通信から再現!学校全員達成を目指したドラマ (第3回)
ベテラン先生の指導法を分かち伝えていく
岩田 史朗
今さら聞けない体育授業のイ・ロ・ハ (第3回)
名人から学ぶリズム太鼓の基礎
東條 正興
子どものためのメンタルトレーニング (第3回)
自信を育てる その2
白石 豊
「習得型」教具のユースウェア&活用法 (第3回)
基本的な技ができるようになるイメージ語
竹森 正人
TOSS体育最前線
明確な提案をした山本氏の凄腕!
TOSS体育中央事務局
〜日本体育教育技術学会IN東京(立川)〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
水遊び
福田 慎一郎
〜誰でもできる!水遊び学習カード〜
水泳
荒谷 卓朗
〜水に慣れる習得システム〜
教科書アレンジ!保健の授業 (第3回)
「睡眠」に関心を持たせる
戸井 和彦
ライフスキルと健康教育 (第99回)
人から人に「移る(感染する)病気」の予防スキル
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第218回)
研究論文とは、このように書くという見本だ
向山 洋一
体育科における学力保障 (第87回)
3年/ボール運動ネット型「プレルボール」越智鈴穂氏の実践
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第102回)
6月号
木村 正章
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第39回)
跳び箱
佐藤 泰之
〜台上前転は跳び前転から〜

特集の解説

水泳―長く泳がせる

“四つの指導ステップ”

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 水泳指導の時期である。子どもの泳力を向上させるために、学校ではどんな指導をしていったらよいのであろうか。

 新しい学習指導要領では、習得・活用・探究の学習が示されている。どんな学習内容をどの学年で、どのように指導していったらよいかの課題がある。

 鈴木智光氏は、「水泳は、同じ呼吸のリズムで水の中を浮いて進むことに面白さがあります。

 平泳ぎのかえる足ができることやクロールで速く進むことも大切であるが、それよりもゆったりと楽に長く泳げるようにします。

 泳法を繰り返し練習することよりも同じリズムで、楽に呼吸する方法を習得させます」と述べている。

 泳法を身に付けることは大切であるが、もっと大事なのは同じリズムで、楽に呼吸して長く泳ぐことである。鈴木氏の水泳指導の段階を次のように捉えてみた。

@ 基礎感覚づくり

A 習得の段階

B 活用の段階

C 探究の段階

 クロールや平泳ぎを一度に指導するのではなく、同じリズムで、楽に呼吸して、長く泳ぐためのステップを踏んで指導していくのである。

 基礎感覚づくりとしては、皮膚感覚と呼吸感覚をあげている。皮膚感覚を高めるためには、冷たいシャワーを浴びても呼吸が乱れないようにする。

 呼吸感覚を高めると、水中で息を止める、息を吐き出す、息を吸うことが自由にできるようになる。具体的な運動として次のような教材を示している。

・水中かけっこ ・水中ジャンケン ・ボビング

・だるま浮き

 これらの基礎感覚づくりを行うことによって、楽に泳げる呼吸のリズムを養うことができるのである。

 鈴木氏は習得の段階で、背浮きとちょうちょう背泳ぎを取り上げている。背浮きは息継ぎの必要がないので、楽に呼吸ができる。そのために脱力を習得することができるのである。

 背浮きができるようになったら、ちょうちょう背泳ぎを練習させていく。水泳に必要な脱力を体験しながら、背泳ぎができるようにするのである。

 活用としては連続だるま浮きから平泳ぎを行うようになっている。連続だるま浮きから、膝を抱えていた手を前に伸ばして連続だるま浮きをするのである。

 次に足も伸ばして足はだらんとし、手を横にかくようにする。この泳ぎを「足だらん平泳ぎ」と鈴木氏は呼んでいる。

 この方法で段階的に指導すると、平泳ぎが早く上達するのである。泳ぎの系統を踏んで行くことにより、楽にできるようになる。

 探究としてクロールを指導している。

 クロールも手の動きと呼吸をドッキングさせる。クロールは片方の手だけで呼吸のリズムをとり、両手を使って水をかいていく。

 最初はキックを意識しないで、自然に動く。この泳ぎで泳げるようになってから、やや意識的なキックを入れていくようにするのである。

 このように、鈴木氏は学習内容のステップを考えて指導を行っている。

 本特集では、鈴木氏のような基礎感覚づくり、習得・活用・探究の流れを位置づけた具体的な実践例が示されている。

 実践者の独自の捉え方、内容、方法で紹介されている。いろいろな実践例を参考にして、よりよい指導法を深めていってほしい。

 それぞれの学校の基礎感覚づくり、習得・活用・探究の指導を行って行く中で子どもを育てていくのである。

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