- 特集 水泳―長く泳がせる“四つの指導ステップ”
- 特集の解説
- 水泳―長く泳がせる“四つの指導ステップ”
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- 実践事例
- 基礎感覚づくりの指導
- 基礎感覚を身に付ける遊び
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- 基礎感覚を身に付ける楽しい「水遊び」
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- 習得の指導
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特集の解説
水泳―長く泳がせる
“四つの指導ステップ”
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
水泳指導の時期である。子どもの泳力を向上させるために、学校ではどんな指導をしていったらよいのであろうか。
新しい学習指導要領では、習得・活用・探究の学習が示されている。どんな学習内容をどの学年で、どのように指導していったらよいかの課題がある。
鈴木智光氏は、「水泳は、同じ呼吸のリズムで水の中を浮いて進むことに面白さがあります。
平泳ぎのかえる足ができることやクロールで速く進むことも大切であるが、それよりもゆったりと楽に長く泳げるようにします。
泳法を繰り返し練習することよりも同じリズムで、楽に呼吸する方法を習得させます」と述べている。
泳法を身に付けることは大切であるが、もっと大事なのは同じリズムで、楽に呼吸して長く泳ぐことである。鈴木氏の水泳指導の段階を次のように捉えてみた。
@ 基礎感覚づくり
A 習得の段階
B 活用の段階
C 探究の段階
クロールや平泳ぎを一度に指導するのではなく、同じリズムで、楽に呼吸して、長く泳ぐためのステップを踏んで指導していくのである。
基礎感覚づくりとしては、皮膚感覚と呼吸感覚をあげている。皮膚感覚を高めるためには、冷たいシャワーを浴びても呼吸が乱れないようにする。
呼吸感覚を高めると、水中で息を止める、息を吐き出す、息を吸うことが自由にできるようになる。具体的な運動として次のような教材を示している。
・水中かけっこ ・水中ジャンケン ・ボビング
・だるま浮き
これらの基礎感覚づくりを行うことによって、楽に泳げる呼吸のリズムを養うことができるのである。
鈴木氏は習得の段階で、背浮きとちょうちょう背泳ぎを取り上げている。背浮きは息継ぎの必要がないので、楽に呼吸ができる。そのために脱力を習得することができるのである。
背浮きができるようになったら、ちょうちょう背泳ぎを練習させていく。水泳に必要な脱力を体験しながら、背泳ぎができるようにするのである。
活用としては連続だるま浮きから平泳ぎを行うようになっている。連続だるま浮きから、膝を抱えていた手を前に伸ばして連続だるま浮きをするのである。
次に足も伸ばして足はだらんとし、手を横にかくようにする。この泳ぎを「足だらん平泳ぎ」と鈴木氏は呼んでいる。
この方法で段階的に指導すると、平泳ぎが早く上達するのである。泳ぎの系統を踏んで行くことにより、楽にできるようになる。
探究としてクロールを指導している。
クロールも手の動きと呼吸をドッキングさせる。クロールは片方の手だけで呼吸のリズムをとり、両手を使って水をかいていく。
最初はキックを意識しないで、自然に動く。この泳ぎで泳げるようになってから、やや意識的なキックを入れていくようにするのである。
このように、鈴木氏は学習内容のステップを考えて指導を行っている。
本特集では、鈴木氏のような基礎感覚づくり、習得・活用・探究の流れを位置づけた具体的な実践例が示されている。
実践者の独自の捉え方、内容、方法で紹介されている。いろいろな実践例を参考にして、よりよい指導法を深めていってほしい。
それぞれの学校の基礎感覚づくり、習得・活用・探究の指導を行って行く中で子どもを育てていくのである。
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- 明治図書