楽しい体育の授業 2009年5月号
必ず習得させる器械運動のスモールステップ

K236

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楽しい体育の授業 2009年5月号必ず習得させる器械運動のスモールステップ

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2009年4月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 必ず習得させる器械運動のスモールステップ
特集の解説
根本 正雄
実践事例
固定施設を使った運動遊び
授業最初5分の指導を1年間続ける
斉藤 奈美子
マットを使った運動遊び
腕支持感覚(手で支えての体の保持)を身に付ける
角南 卓也
鉄棒を使った運動遊び
鉄棒は、帯単元で習得させる 1時間に5分の運動が大きな効果をうむ
溝端 達也
跳び箱を使った運動遊び
またぎ乗り・下りから跳び乗りへ
西尾 文昭
マット運動 前転・後転
きれいな前転を習得させる指導法
木下 翔太
マット運動 開脚前転・開脚後転
前転・後転と開脚は、別々に教えると効果大!
吉武 徹也
マット運動 壁倒立
片足ずつ振り上げを意識して
木津 淳一
マット運動 側方倒立回転
スモールステップでどの子にも習得させる
平松 孝治郎
鉄棒運動 膝掛け上がり
ABの違いを体感しながらの鉄棒
谷岡 眞史
鉄棒運動 逆上がり
くるりんベルトを使っても逆上がりができない子への対応
芹沢 晴信
鉄棒運動 後方支持回転
目線・足の振り・膝伸ばしで腕立て後方支持回転の練習
関家 千恵
鉄棒運動 前方支持回転
前方支持回転への基礎感覚を養うかかえこみ回りの指導―かかえこみ回りから前方支持回転へ!毎時間15分の指導で―
風間 俊宏
鉄棒運動 後方片膝かけ回転
後方片膝かけ回転のスモールステップ
今井 豊
鉄棒運動 転向前おり
転向前おりは跳び箱で指導する!
篠崎 弘敬
跳び箱運動 開脚跳び
開脚跳びはこのステップで
森 康行
跳び箱運動 かかえ込み跳び
うさぎ跳び練習の延長にかかえ込み跳びの成功がある
西田 幸二
跳び箱運動 台上前転
気がついたらできるようになっていた台上前転
桑原 泰樹
跳び箱運動 ヘッドスプリング
跳ね動作を段階的に指導していくこと
村田 正樹
ミニ特集 5月 新指導要領で体育授業はこう変わる(鉄棒)
1年生/基礎感覚を確実の習得させよう
太田 健二
2年生/技の習得で鉄棒が好きになる!なくせ!「鉄棒嫌い」
石橋 健一郎
3年生/簡単なことを楽しくくり返してマスターしよう
鈴木 恭子
4年生/鉄棒運動二つのポイント
三好 保雄
5年生/技を選択して上がり技―支持回転技―下り技を組み合わせる
辻岡 義介
6年生/6年生が鉄棒運動を楽しむための最低条件
根津 盛吾
ライブで体感!TOSS体育講座
「楽しい体育は誰でもできる」を実感する
郡司 崇人
〜第5回TOSS体育フレッシュセミナー四国in愛媛〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
体育の身体活動と言語活動の充実の一体化
岩井 邦夫
マンガで見る楽しい体育指導 (第110回)
根本体育直伝マンガ(開脚後転の巻)
岩野 節男岩野 紀子
ルール簡単おすすめゲーム・鬼ごっこ
体育授業開きは「たい・たこ」ゲームで!A
並木 孝樹
〜知っているようで知らないポイント〜
年間を通して鍛えたい基礎感覚・基礎技能
倒立を1年間続けることで腕支持・逆さ感覚を鍛える
木村 正章
拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
衣装も工夫せよ
加藤 真一
運動量を保障する体育授業のシステム
「運動の自動化」を目指す
竹森 正人
あの授業映像から「指導技術」を学ぶ
できない子をできるようにする体育の指導A5月の確認「整列・準備は素早くできますか?」
郡司 崇人
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第23回)
若者の顔がカッコイイ!
齋藤 滋
ここが聞きたい!体育授業のQ&A
新卒教師でもできる!グルーピング子どもに決めさせない。固定しないから楽しくできる
TOSS体育中央事務局
TOSS体育最前線
体育は子どもとの授業が一番!
TOSS体育中央事務局
〜日本体育教育技術学会in奈良@〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
鉄棒(低・中学年)
中宿 清美
〜基礎感覚が身に付く!楽しい鉄棒遊びカード〜
鉄棒(高学年)
渡辺 哲朗
〜連続技に挑戦!目指せ鉄棒名人〜
特別支援の子どもも活躍!楽しい体育授業
原則にそった配慮が必要である
伊藤 新吾
ライフスキルと健康教育 (第86回)
ソシアルスキル学習教材
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第205回)
先行研究のすぐれた整理である
向山 洋一
体育科における学力保障 (第74回)
身体リズムで表現するエアー和太鼓の授業A
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第89回)
持木 信治
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第26回)
閉脚跳びもスモールステップで指導する
佐藤 泰之

特集の解説

必ず習得させる器械運動のスモールステップ

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 2008年TOSS体育フレッシュセミナー東海IN愛知の模擬授業で、木下翔太氏はマット運動の指導をされた。

 学習指導要領で示されているマット運動の内容は次のようである。

低学年 マットを使った運動遊びでは、いろいろな方向への転がり、手で支えての体の保持や回転をすること。

中学年 マット運動では、基本的な回転技や倒立技をすること。

高学年 マット運動では、基本的な回転技や倒立技を安定して行うとともに、その発展技を行ったり、それらを繰り返したり組み合わせたりすること。

 基本的な回転技には次のような技があります。

・前転…開脚前転、跳び前転、倒立前転

・後転…開脚後転、伸膝後転

・側方倒立前転…ロンダート

 中・高学年の器械運動は、基本的な回転技や倒立技の習得です。それではどのように指導すれば、どの子どもにも習得させることができるのであろうか。

 木下氏は、全員の子どもに「前転」を習得させるために、基本である「ゆりかご」の指導からはいった。

 ゆりかごから前転までのスモールステップを次のような手順で行った。

指示1 「ゆりかご」をやります。全員10回やります。

指示2 今度は競争です。「ゆりかご」を10回やったら、自分のマットのところに並び直します。全員が並び直せたチームが勝ちです。

※「ゆりかご」がうまくできない児童には、個別に指導する。

・太ももとおなかの間をなるべく小さくしなさい。

・できるだけ丸まりなさい。

・肩と首だけで、体を支えられるところまで回転しなさい。

指示3 「ゆりかご」を10回やります。10回目に「前転」します。1回やったら、次の人と交代です。なるべく速くやりなさい。

指示4 「前転」します。ボールが坂道を転がるように、だんだんとスピードを速くして行きなさい。

※ここから断定的に評価を加える。

・遅い、1点。

・石が転がっていくようだ、2点。

・だんだん速くなっている、5点。

指示5 1回目と2回目の回転のスピードを変えて回りなさい。

指示6 体をなるべく丸くして回りなさい。

※断定的に評価する。

・三角定規が転がっているようだ、1点。

・ボールのようだ。

指示7 頭をなるべく速く入れて回りなさい。

指示8 息を吐きながら回りなさい。息を抜きながら回るときれいな前転ができます。

指示9 なるべく曲がらないようにマットの縫い目にそって回りなさい。

指示10 自分で一番きれいな前転をしなさい。

指示11 前転リレーをします。前転してマットの端まで行きます。行ったら戻ってきて、次の人にタッチします。

 このようなスモールステップの指導で見事にきれいな前転ができるようになった。段階を踏んでいけば、子どもは少しずつできるようになっていく。

 本特集では、木下氏のように習得型に対応した器械運動のスモールステップが示してある。

 本特集を参考にして、誰でも習得できる指導をしていってほしい。

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