- 特集 必ず習得させる器械運動のスモールステップ
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- 鉄棒は、帯単元で習得させる 1時間に5分の運動が大きな効果をうむ
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- マット運動 前転・後転
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- 前転・後転と開脚は、別々に教えると効果大!
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- スモールステップでどの子にも習得させる
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- ABの違いを体感しながらの鉄棒
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- くるりんベルトを使っても逆上がりができない子への対応
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- 目線・足の振り・膝伸ばしで腕立て後方支持回転の練習
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- 前方支持回転への基礎感覚を養うかかえこみ回りの指導―かかえこみ回りから前方支持回転へ!毎時間15分の指導で―
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- 鉄棒運動 後方片膝かけ回転
- 後方片膝かけ回転のスモールステップ
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- 転向前おりは跳び箱で指導する!
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- うさぎ跳び練習の延長にかかえ込み跳びの成功がある
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- 跳ね動作を段階的に指導していくこと
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- ミニ特集 5月 新指導要領で体育授業はこう変わる(鉄棒)
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- 2年生/技の習得で鉄棒が好きになる!なくせ!「鉄棒嫌い」
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特集の解説
必ず習得させる器械運動のスモールステップ
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
2008年TOSS体育フレッシュセミナー東海IN愛知の模擬授業で、木下翔太氏はマット運動の指導をされた。
学習指導要領で示されているマット運動の内容は次のようである。
低学年 マットを使った運動遊びでは、いろいろな方向への転がり、手で支えての体の保持や回転をすること。
中学年 マット運動では、基本的な回転技や倒立技をすること。
高学年 マット運動では、基本的な回転技や倒立技を安定して行うとともに、その発展技を行ったり、それらを繰り返したり組み合わせたりすること。
基本的な回転技には次のような技があります。
・前転…開脚前転、跳び前転、倒立前転
・後転…開脚後転、伸膝後転
・側方倒立前転…ロンダート
中・高学年の器械運動は、基本的な回転技や倒立技の習得です。それではどのように指導すれば、どの子どもにも習得させることができるのであろうか。
木下氏は、全員の子どもに「前転」を習得させるために、基本である「ゆりかご」の指導からはいった。
ゆりかごから前転までのスモールステップを次のような手順で行った。
指示1 「ゆりかご」をやります。全員10回やります。
指示2 今度は競争です。「ゆりかご」を10回やったら、自分のマットのところに並び直します。全員が並び直せたチームが勝ちです。
※「ゆりかご」がうまくできない児童には、個別に指導する。
・太ももとおなかの間をなるべく小さくしなさい。
・できるだけ丸まりなさい。
・肩と首だけで、体を支えられるところまで回転しなさい。
指示3 「ゆりかご」を10回やります。10回目に「前転」します。1回やったら、次の人と交代です。なるべく速くやりなさい。
指示4 「前転」します。ボールが坂道を転がるように、だんだんとスピードを速くして行きなさい。
※ここから断定的に評価を加える。
・遅い、1点。
・石が転がっていくようだ、2点。
・だんだん速くなっている、5点。
指示5 1回目と2回目の回転のスピードを変えて回りなさい。
指示6 体をなるべく丸くして回りなさい。
※断定的に評価する。
・三角定規が転がっているようだ、1点。
・ボールのようだ。
指示7 頭をなるべく速く入れて回りなさい。
指示8 息を吐きながら回りなさい。息を抜きながら回るときれいな前転ができます。
指示9 なるべく曲がらないようにマットの縫い目にそって回りなさい。
指示10 自分で一番きれいな前転をしなさい。
指示11 前転リレーをします。前転してマットの端まで行きます。行ったら戻ってきて、次の人にタッチします。
このようなスモールステップの指導で見事にきれいな前転ができるようになった。段階を踏んでいけば、子どもは少しずつできるようになっていく。
本特集では、木下氏のように習得型に対応した器械運動のスモールステップが示してある。
本特集を参考にして、誰でも習得できる指導をしていってほしい。
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- 明治図書