楽しい体育の授業 2009年3月号
子どもに大人気の体育教師:実力の磨き方

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楽しい体育の授業 2009年3月号子どもに大人気の体育教師:実力の磨き方

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2009年2月9日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 子どもに大人気の体育教師:実力の磨き方
特集の解説
根本 正雄
実践事例
低学年
〈体ほぐし〉基礎感覚が身に付く!楽しい体ほぐし!
中宿 清美
〈走の運動遊び〉すぐできる!運動量を確保した走の運動遊び
勝島 大輔
〈鬼遊び〉協力する 作戦を立てる 仲間と工夫する鬼遊びが進化形である
並木 孝樹
〈固定施設を使った運動遊び〉子どもたちの遊びを教材にする
細川 晃
〈器具・用具を使った運動遊び〉全員楽しめる平均台遊び
宮澤 忠利
〈ボールゲーム〉どの子も参加できるボールけりゲーム
名城 早苗
中学年
〈体ほぐし〉「楽しく・熱中させて、できる」体ほぐしの運動
小田原 誠一
〈かけっこ・リレー〉教師の指導力は「バトンパス」で分かる―実力を磨くには、優れた指導法を学び続けるしかない―
木村 重夫
〈連続長なわ跳び〉連続長なわ跳びが上達する三つの指示−なわを跳ばない指導も有効である
桑原 和彦
〈ゴール型ゲーム〉少人数ゲームで運動量バッチリ!
齊藤 振一郎
〈ネット型ゲーム〉運動量を確保する、この一点のみを考える
千原 一弘
〈ベースボール型ゲーム〉運動量を確保し、始めにシステムを作る「ティーボール」
山田 泰生
高学年
〈体ほぐし〉授業にシステムを導入すると、「教師が楽になり」「子どもに力がつく」
許 鍾萬
〈短距離・リレー〉バトンパス指導は「システム」で空白をなくし「個別評定」でできるようにする
西村 純一
〈連続長なわ跳び〉達成パーティを仕組み、楽しく取り組む連続長なわ跳び
北川 泰三
〈サッカー〉まず教師自身が入力し出力する
三好 保雄
〈バスケットボール〉セミナー・サークル・読書で実力を磨く
前田 吉法
〈ハンドボール〉課題ゲームを生かしたハンドボールの授業
前島 康志
ミニ特集 3月の体育はこう指導する(体つくり)
低学年
繰り返しで動きを高める
中濱 麻美
中学年
体つくりは、1年間を通して毎時間行う
山下 恵子
友だちにあわせながら、自分の体を高めよう
谷岡 眞史
高学年
最後にクラスの仲をグッと深める「体ジャンケン」
東條 正興
声を掛け合い、みんなが笑顔
小田 誠
ライブで体感!TOSS体育講座
全国津々浦々でセミナー開催
村田 斎
〜第1回TOSS体育フレッシュセミナーin沖縄〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
体育の授業分析と授業研究
岩井 邦夫
マンガで見る楽しい体育指導 (第108回)
根本体育直伝マンガ(イメージ・音を声に出す表現運動の巻)
岩野 節男岩野 紀子
子どもが熱中!低学年体育の指導
なわとび運動で1年を締めくくる!なわとびの苦手な子に行う指導とは?
TOSS体育中央事務局
体育科の系統的指導
質問にお答えして4「場の工夫」
浜井 俊洋
拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
衣装が踊りをひきたてる
阪下 誠
新卒教師必見!体育授業を面白くするコツ
原典を読む大切さ!準備怠りなく!
木村 孝康
〜新学習指導要領を読み込みましたか?〜
テクニカルポイントを踏まえた授業づくり
状況判断力を高めるベースボール型ゲーム
井坂 広輝
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第21回)
食育は「次世代の体と心」を育てる!最終回
齋藤 滋
苦手な子どもも満足する鉄棒指導
変化のある繰り返しで基礎感覚づくりを
石本 康一郎
成功体験を保証するなわ跳び指導
成功体験を積ませることで連続二重跳びをできるようにさせる
古井 友樹
体育指導でドラマをつくる
できるようになると学級がまとまる
大谷 貴子
TOSS体育最前線
向山氏「ハードルの授業」を視写して学ぶ―木村正章氏の実践―
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
体つくり運動(低学年)
吉岡 勝
〜ボールを使って楽しみながら運動量を確保する〜
体つくり(高学年)
佐藤 真健
〜動きが楽しい体力つくり〜
水泳指導の秘密兵器
フィンを使ってエネルギッシュに泳ごう!!
下永田 修二
ライフスキルと健康教育 (第84回)
共感ラボのコミュニケーションスキル
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第203回)
できない子のゲームへの参加
向山 洋一
体育科における学力保障 (第72回)
福岡県・長丘幼稚園の体育指導
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第87回)
持木 信治
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第24回)
長なわ 1分間100回にチャレンジ! part2
佐藤 泰之

特集の解説

TOSS体育授業研究会代表 根本正雄

子どもに大人気の体育教師:実力の磨き方


 若い教師に、TOSS体育に参加した理由を聞いたことがある。「学級が崩壊して授業がうまく行かなかったときに、TOSS体育を実践したら、学級がうまくいくようになったからです」と答えてくれた。

 「TOSS体育のどこが学級を再生させたのですか」とさらに質問した。「子どもを動かす体育指導のシステムがあったからです」と説明してくれた。

 子どもを動かす体育指導のシステムは、具体的にどんなことなのか。それが分かれば学級崩壊は防げる。

 徳島県の浜井俊洋氏は、基礎学力を保障する体育授業が大切だと話された。

 基礎学力が身に付いていれば学級は崩壊しない。きちんと基礎的な動きが習得されていれば、子どもは自己実現し、達成感が得られるからである。

 日本体育技術学会で浜井氏は、表現運動でイメージを動きにつなげる授業「ジャングル探検」の模擬授業をされた。表現運動における「基礎学力」とは何か。

 浜井氏は、「表したい感じ(イメージ)を体の動きによって表現することができる」と定義された。

 授業では「躍る」「創る」「見る」の活動を連続する中で、自然にイメージと動きが結びついた表現ができる指導のシステムがなされていた。

 そのシステムは、全員を瞬く間にジャングル探検に引き込んでしまった。子どもを動かすシステム化は次の4点である。

@ 動きのカード 事前に準備されていた。絵が描かれ、短い状況説明がしてある。絵を見て動けるようになっていた。導入のシステム化。

A ストーリーの設定 ジャングル探検の様子を一つのストーリーにして展開し、授業の組み立てを行った。

B 声掛け ジャングルの様子、動き方を状況に応じて言葉掛けをし、イメージ化を図った。

C リズム 始めから終わりまで音楽を流して、ジャングル探検のイメージ作りをした。途中でボリュームを落としたり高めたりして、意欲化を図った。

 四つの指導システムは、自然に表現活動をさせ、動きの質を高めていくように仕組まれていた。

 個人差に応じた指導がなされ、教師のねらいが必然的に達成されるようにシステム化されていたのである。

 動きのカードによって、どんな動きをすればよいのかが理解できた。特に絵が描かれているので、イメージ化がしやすかった。

 浜井氏の語りとリズムによって、全員がジャングル探検の主人公になることに成功した。ジャングル探検の主人公になるとは、主体的に授業に参加できたことである。

 さらに動きの質を高めるために、ジャングルの様子、動き方を状況に応じて言葉掛けしイメージ作りを行った。

 これが効果的であった。声の抑揚、大きい声、小さい声、高い声、低い声と場面に応じて使い分けられていた。

 イメージを作る言葉の描写が巧みなのである。「空気も動いている」「動物のにおいがする」「強い風が吹いてきました」と具体的で、動きのイメージ化を図る言葉掛けがなされていた。

 数字、高低、斜め、近い・遠いなどの表現によって示されていた。これらはすべて動きを引き出す言葉である。

 浜井氏が選びに選んだ言葉で、無駄な言葉を排除し、ぎりぎりに絞った言葉なのである。

 子どもが自然に動き出す言葉が、システム化されていた。だから子どもは動けたのである。言葉で絵を描いたのである。

 本特集では浜井氏の授業のように、子どもが自然に楽しく動けるようなシステムが、実践を通して紹介してある。実際に確かめてほしい。

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