楽しい体育の授業 2008年11月号
“この種目”が激変する微細技術の大集合

K230

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楽しい体育の授業 2008年11月号“この種目”が激変する微細技術の大集合

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2008年10月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 “この種目”が激変する微細技術の大集合
特集の解説
根本 正雄
実践事例
低学年
〈走・跳の運動〉「先生に向かって走ってきなさい」初めての徒競走で混乱しない指示これだ
溝端 達也
〈力試しの運動〉力試しの運動をこのポイントで迫る
森 康行
〈用具を操作する運動〉体育用の棒とフラフープを使っていろいろな動きを作る
桑原 佑樹
〈鬼遊び〉初めての宝島鬼、一時に一事の指示で!
牛田 美和子
〈ボール投げ遊び〉作戦タイムと挑発で盛り上げるドッジボール
末廣 真弓
〈ボールけり遊び〉全員楽しめる三つの重点指導
松澤 正仁
中学年
〈マット運動〉初めての子もみるみるできるようになる開脚前転
本宮 淳平
〈鉄棒運動〉前後に振る五つの動きでうまくなる
川口 達実
〈跳び箱運動〉抱え込み跳びでつまずく子への微細指導
堀場 弘喜
〈バスケットボール型ゲーム〉イメージできる言葉で技能を高める
川口 浩彦
〈サッカー型ゲーム〉シュートチャンスアップで女子も熱中!
常田 幸宣
〈ハンドベースボール型ゲーム〉ルールの工夫でどの子も大活躍
岩田 史朗
高学年
〈短距離走・リレー〉活動を工夫し、楽しく基礎感覚を育てる
堀 達也
〈体つくり〉男女の仲がさらによくなる体つくりの微細技術
猿渡 功
〈表現運動〉決めのポーズと即興の動きを合わせて
関家 千恵
〈跳び箱運動〉子ども大興奮!台上前転につながる運動
大貝 浩蔵
〈バスケットボール〉全員参加のパスプレーバスケ
堀 健一
〈サッカー〉子どもの運動量を保障するシステムの構築
久保 宏行
ミニ特集 11月の体育はこう指導する(基本運動・マット運動)
低学年
(マット遊び)グループで楽しくマット遊び
藤田 貴也
中学年
(前転・後転)テクニカルポイントを発問で気づかせる
黒瀧 耕治
(開脚前転)大きなゆりかご、速度をつけた前転、開脚立ちの三つの動きをマスターして、開脚前転に挑戦しよう
郡司 崇人
高学年
(側方倒立回転)安定した動きは子どものつまずきに正対して初めて作られる
千原 一弘
(組み合わせ技)連続技成功のコツ〜終末局面から指導する〜
井上 敬悟
ライブで体感!TOSS体育講座
「新指導要領」に対応した体育指導を体感する
村田 斎
〜一歩先を行くTOSS〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
機器の利用は?
藤井 喜一
マンガで見る楽しい体育指導 (第104回)
根本体育直伝マンガ(ゆりかごの巻)
岩野 節男岩野 紀子
子どもが熱中!低学年体育の指導
グルーピングで必要なこと「男女組む」ことでクラスが安定する
TOSS体育中央事務局
体育科の系統的指導
マット運動8「倒立」
浜井 俊洋
拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
かっこいい法被に鳴子!1・2年生、笑顔はじけて踊りました!!
佐藤 貴子
新卒教師必見!体育授業を面白くするコツ
体育では運動量を確保した授業を!
木村 孝康
テクニカルポイントを踏まえた授業づくり
腰の回転運動を体感させる投げる練習
井坂 広輝
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第17回)
食育:今と昔―そのT
齋藤 滋
苦手な子どもも満足する鉄棒指導
軽く、小刻みに、何回も
菅原 光敏
成功体験を保証するなわ跳び指導
どの子どもも上達する!導入のなわ跳びとなわ跳びリレー
末宗 昭信
体育指導でドラマをつくる
力試しの運動で団結!
大谷 貴子
TOSS体育最前線
根本氏の新学習指導要領論
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
マット遊び(低学年)
小嶋 広明
〜1枚で継続して使える学習カード〜
マット運動(高学年)
伊藤 秀男
〜5種類の「前転」を習熟する〜
水泳指導の秘密兵器
フィンをはいて行う競技会『フィンスイミング』
下永田 修二
ライフスキルと健康教育 (第80回)
江戸しぐさのソシアルスキル(2)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第199回)
ていねいだが、平凡だ
向山 洋一
体育科における学力保障 (第68回)
サッカー1年生の指導A JEF市原千葉・池上正氏の指導
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第83回)
持木 信治
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第20回)
側方倒立回転のテクニカルポイント
佐藤 泰之

特集の解説

TOSS体育授業研究会代表 根本正雄

“この種目”が激変する微細技術の大集合


 前徳島市佐古小学校の浜井俊洋氏は模擬授業で、「シンクロ側方倒立回転〜リズムに合わせてト・トーン・トン・トン〜」を展開された。

 体育の苦手な先生でも、指示するリズムに合わせて「島わたり」を行わせるだけで、子どもがいつの間にか「側方倒立回転」ができるようになる指導法である。

 浜井俊洋氏の次の二つの提案は素晴らしかった。

@「リズムを軸に学習を進める」

A「できばえの違う者がリズムを合わせて一緒に行う楽しさ」

 リズムの変化により側方倒立回転が見事にできていった。同時に多くの微細技術が使用されていた。二つの提案が達成できたのは巧みな微細技術が多く使用されていたからである。

 授業の骨格は、歯切れのよいリズム・テンポのある指示・発問である。授業に流れがあり、自然に引き込まれてしまう授業展開である。それと合わせて次の微細技術が組み合わされていた。

1 励まし、賞賛などのマネージメントがきめ細かにされていた。

 「えらいね、ちゃんとマットのみみを入れて」「2分で用意します」「声をだしてね」「〇〇さん、今のでいいんだよ」と活動の度に声掛けをしていた。

 指導の流れは指示・説明―師範―練習の順である。必ず師範して動きのイメージをつかませた。その後活動させたが、間髪いれずに「うまい」「そうです」という言葉を投げかけた。よい動きを肯定することによって、イメージの強化を図っていった。

 「声を掛けてあげるといいね」という指示も入れていた。跳んでいる人と跳ばないで見ている人とが、掛け声をかけることによって、リズムを共有し一体感が得られるようにしたのである。

2 小さい跳び箱2段に着手して行った。

 マットに直接着地すると、逆さ感覚がないと恐怖心がある。全員でのシンクロのリズムが難しくなる。跳び箱の台に着くと着手がしやすく、個人差が吸収されるのである。

 大きい跳び箱では恐怖心がある。小さい跳び箱を使用することにより安心感を持ち、側方倒立回転がしやすくなった。

3 跳び箱が6台あり、連続して回転できる場の設定をした。

 普通マットで行うと1回で終わってしまう。ところが跳び箱を6台連続跳ぶなかで、トン・トンのリズムが習熟していった。

 しかも仲間と一緒である。自然に全体のリズムにのって回転していく。個人差が吸収される場作りになっているのである。集団側方倒立回転になっている。

4 ソーレという掛け声で間を調整していた。

 動きの遅い子ども、速い子どもがいる。ソーレという声で全体の動きを合わせることができる。

 ソーレの掛け声でタイミングをそろえることができる。そして大きな掛け声をかけることによって、一体感ができる。タイミングの遅い子どもも動きが追いつくような仕掛けがされている。

5 ソーレという声と同時に全員が正面を向いて、万歳をするようにしていた。

 声だけではそろわない。両手をあげることによって動きがそろう。声と両手を合わせることによって、自然に動きがあっていくのである。これは、実際に見ることによって理解できる。指導案では理解しにくい状況である。

 以上のような微細技術によって、側方倒立回転の基本的な動きが習熟していった。本特集では浜井氏の指導のように、45分で激変する微細技術を紹介してある。

 具体的な微細技術を授業場面に即して紹介してあるので、授業ですぐに活用できる。

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      明治図書

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