- 特集 “この種目”が激変する微細技術の大集合
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特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
“この種目”が激変する微細技術の大集合
前徳島市佐古小学校の浜井俊洋氏は模擬授業で、「シンクロ側方倒立回転〜リズムに合わせてト・トーン・トン・トン〜」を展開された。
体育の苦手な先生でも、指示するリズムに合わせて「島わたり」を行わせるだけで、子どもがいつの間にか「側方倒立回転」ができるようになる指導法である。
浜井俊洋氏の次の二つの提案は素晴らしかった。
@「リズムを軸に学習を進める」
A「できばえの違う者がリズムを合わせて一緒に行う楽しさ」
リズムの変化により側方倒立回転が見事にできていった。同時に多くの微細技術が使用されていた。二つの提案が達成できたのは巧みな微細技術が多く使用されていたからである。
授業の骨格は、歯切れのよいリズム・テンポのある指示・発問である。授業に流れがあり、自然に引き込まれてしまう授業展開である。それと合わせて次の微細技術が組み合わされていた。
1 励まし、賞賛などのマネージメントがきめ細かにされていた。
「えらいね、ちゃんとマットのみみを入れて」「2分で用意します」「声をだしてね」「〇〇さん、今のでいいんだよ」と活動の度に声掛けをしていた。
指導の流れは指示・説明―師範―練習の順である。必ず師範して動きのイメージをつかませた。その後活動させたが、間髪いれずに「うまい」「そうです」という言葉を投げかけた。よい動きを肯定することによって、イメージの強化を図っていった。
「声を掛けてあげるといいね」という指示も入れていた。跳んでいる人と跳ばないで見ている人とが、掛け声をかけることによって、リズムを共有し一体感が得られるようにしたのである。
2 小さい跳び箱2段に着手して行った。
マットに直接着地すると、逆さ感覚がないと恐怖心がある。全員でのシンクロのリズムが難しくなる。跳び箱の台に着くと着手がしやすく、個人差が吸収されるのである。
大きい跳び箱では恐怖心がある。小さい跳び箱を使用することにより安心感を持ち、側方倒立回転がしやすくなった。
3 跳び箱が6台あり、連続して回転できる場の設定をした。
普通マットで行うと1回で終わってしまう。ところが跳び箱を6台連続跳ぶなかで、トン・トンのリズムが習熟していった。
しかも仲間と一緒である。自然に全体のリズムにのって回転していく。個人差が吸収される場作りになっているのである。集団側方倒立回転になっている。
4 ソーレという掛け声で間を調整していた。
動きの遅い子ども、速い子どもがいる。ソーレという声で全体の動きを合わせることができる。
ソーレの掛け声でタイミングをそろえることができる。そして大きな掛け声をかけることによって、一体感ができる。タイミングの遅い子どもも動きが追いつくような仕掛けがされている。
5 ソーレという声と同時に全員が正面を向いて、万歳をするようにしていた。
声だけではそろわない。両手をあげることによって動きがそろう。声と両手を合わせることによって、自然に動きがあっていくのである。これは、実際に見ることによって理解できる。指導案では理解しにくい状況である。
以上のような微細技術によって、側方倒立回転の基本的な動きが習熟していった。本特集では浜井氏の指導のように、45分で激変する微細技術を紹介してある。
具体的な微細技術を授業場面に即して紹介してあるので、授業ですぐに活用できる。
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- 明治図書