楽しい体育の授業 2007年3月号
1年の成長を子どもが実感する教材種目

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楽しい体育の授業 2007年3月号1年の成長を子どもが実感する教材種目

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2007年2月6日
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 1年の成長を子どもが実感する教材種目
特集の解説
根本 正雄
実践事例
低学年/基本の運動
「向山式なわとび級表」で実感する
寺本 聡
魅せる跳び箱〜シンクロ跳び箱〜
宮崎 正明
友だちと一緒に笑顔で活動できる二つのおすすめ「体ほぐし」
滝脇 友紀
低学年/ゲーム
「キック&シュート」でボールゲームの総まとめを
浜條 信彦
易しいルール、友だちとの関わりで楽しくなる鬼遊び
小松 和重
熱中するボールゲーム!ルールを守って楽しく運動しよう
竹中 洋子
中学年/器械運動
「シンクロ鉄棒」集団の達成感をもてる
伊藤 秀男
「集団連続跳び」で集団演技を楽しもう
内田 尚孝
中学年/ボール運動
誰もがヒーローになれるチャンスがあるメチャブツケ
鮫島 秀己
やればやるほど面白いフラッグフットボール
近藤 光弘
中学年/陸上運動
8秒間走で走る醍醐味を味わう
伊藤 道海
中学年/表現運動
照れ屋さんも自然に乗ってくる表現運動「宝島探検に行こう!」
塩苅 有紀
高学年/器械運動
技の数を限定し、美しさを評価する連続技で、どの子も成長を実感させる
松崎 力
計画的に、継続的に
谷岡 眞史
高学年/ボール運動
ルールが簡単・男女の仲もよくなるミニサッカー
鈴木 崇之
企画を加えて行うバスケットボール
大貝 浩蔵
高学年/陸上運動
「走り高跳び」でチームの団結力を高める
松本 久美子
高学年/表現運動
チームで火山の運動。表現って楽しい!
真鍋 陽子
ミニ特集 3月の体育はこう指導する
低学年(体力づくり)
2人でもできる楽しいホームラン野球!
石橋 健一郎
中学年(体力づくり)
楽しく走って体力アップ
前島 康志
体力づくりは、ゲームを通して行う
岩田 史朗
高学年(体力づくり)
男女で熱中!アルティメットで楽しもう
溝端 達也
長なわ1分間100回跳びに挑戦
村田 正樹
ライブで体感!TOSS体育講座
子ども事実で学べる最高の機会
村田 斎
レベルアップ!体育の授業を変える
動感能力を育てる動きの学習
三木 四郎
マンガで見る楽しい体育指導 (第84回)
根本体育直伝マンガ(バスケットボール・得点ルールの変更の巻)
岩野 節男岩野 紀子
新卒教師の陥りやすい体育指導 (第12回)
現場は応用問題である
桑原 和彦
集合・整列・グループ分けの微細技術 (第12回)
出席番号で並ぶ 体育の列
村田 淳
学校と地域をつなぐYOSAKOIソーランの新展開 (第12回)
産みの苦しみの果てに、感動の嵐がやってきた!
臼井 俊男
“ボクとわたしのからだとスポーツ”質問・疑問・悩み大集合! (第12回)
スポーツや食事はなぜ大切なの?
長谷川 亜弓
ライブで学ぶ体育指導技術 (第12回)
誰ができて、誰ができていないか確認する
渡辺 喜男
一目瞭然!教師の個別評定 (第12回)
個別評定をするから真剣になる
並木 孝樹
〜【ジャングルジム編】〜
知らなかった!技の数々!なわ跳びの世界 (第12回)
意外と簡単!かっこいい!!「クルーガ」の指導
本吉 伸行
子ども熱中!鉄棒の新ドリル (第12回)
逆上がりは誰でもできる
井坂 広輝
1枚の写真で示す陸上運動のテクニカルポイント (第12回)
はさみ跳びでより高く飛ぶ
竹森 正人
TOSS体育最前線
向山氏が語る「TOSSよさこいソーラン」
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
力試し(低学年)
大谷 貴子
〜力いっぱい楽しくチャレンジしよう!〜
体力づくり(高学年)
田代 光章
〜「気持ちいい!」走りを指導する〜持久走〜〜
最新情報を盛り込んだボール運動 (第12回)
楕円形ボールを投げるコツ
池田 潤
ライフスキルと健康教育 (第60回)
食育、親子対話改造(3)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第179回)
跳べた後、どうするか
向山 洋一
体育科における学力保障 (第48回)
長なわ跳び・ダルマ回りに挑戦の実践@
根本 正雄
〜筑波大学附属小 山本 悟氏の授業〜
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第63回)
テクニカルポイントはここだ! (第24回)
開脚跳び
横浜YMCA

特集の解説

1年の成長を子どもが実感する教材種目

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 3月は学年のまとめをする季節である。子どもが自己の成長を確認し、次の学年に期待が持てる体育指導を行うことが必要である。

 A先生は、運動の楽しさを子どもに体験させたいと願い、1年間指導してきた。

 4年生の終わりに1年の成長を子どもが実感する教材として、パスをしながらシュートする「キャッチゴール」を行った。子どもが成長を実感できる内容を次のように考えた。

@ 誰もがシュートをして得点できる。

A 全員がパスをして、みんなの力で勝つことができる。

B ボールの投捕が確実にでき、シュートを正確にできる。

 子どもはボール運動が好きである。しかし、誰もが楽しく参加できるとは限らない。

 A先生は学年のまとめの教材として、堀健一氏が実践した「キャッチゴール」を選択した。

 キャッチゴールのルールは次のようである。

(1) ボールを持って走ることはできない

(2) ドリブルはなし

(3) サークルに入ってキャッチしたら得点

(4) 円の中にディフェンスは入らない

(5) サイドラインとエンドラインは特に必要としない

 キャッチゴールの教材としての魅力は、バスケットボールのセンターサークルを活用して、ゴールマンが入り得点できるようにしたことである。

 普通はエンドラインにゴールを設置して行う。そうすると攻撃は正面だけになり、得点は入りにくくなる。

 キャッチゴールは、ゴールの位置を変えた。バスケットボールのセンターサークルをゴールにすることによって、前方だけではなく側方や後方からも攻撃できるようにしたのである。

 すると得点がたくさん入るようになった。その結果、全員の子どもがシュートすることができるようになった。

 「運動の楽しさをどの子どもにも体験させたい」というA先生の願いは実現し、1年の成長を子どもは実感できたのである。

 A先生は、1年間を通して仲間づくりを目指してきた。ボール運動では1人の力でシュートするのではなく、チーム全員の力でシュートし、得点する指導をしてきた。

 キャッチゴールは3対3で行う。3人で攻めていくので、パスをもらうためには全員が動かなければならない。

 1人でも動かないと勝てない。仲間の協力がないと得点にはならない。

 3対3の攻防を通して、全員がパスをして、みんなの力で勝つゲームができるようになった。

 運動の得意な子どもだけがパスをするのではなく、どの子どももパスができ、みんなの力でゲームに勝てる実感を持つことができるようになった。

 最後に3対3の攻防を通して、ボールの投捕、シュートの基礎・基本が身に付いていった。どこに走ればボールがもらえるかを理解していったからである。

 得点をすることによって、ボールの投捕、シュート力の伸びを確認し、自己の成長を実感できたのである。

 それらはバスケットボール、サッカーへと発展していく。

 キャッチゴールを経験することによって、バスケットボール、サッカーに必要なパスやシュートの基礎・基本を習得することができるのである。

 学年のまとめの時期に成長を実感できた子どもは、次年度の体育に期待を持つことができる。

 そのためには、子どもが自己の成長を確認し、次の学年に期待が持てる体育指導を行っていくことである。

 本特集では、キャッチゴールのように1年の成長を子どもが実感する教材種目が紹介されている。本誌を活用して、楽しい授業づくりをしていってほしい。

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      明治図書

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