楽しい体育の授業 2006年6月号
新卒ですぐできる“水泳指導”のコツ

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楽しい体育の授業 2006年6月号新卒ですぐできる“水泳指導”のコツ

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2006年5月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

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特集 新卒ですぐできる“水泳指導”のコツ
特集の解説
根本 正雄
実践事例
更衣から集合
更衣から集合の指導のコツ
鮫島 秀己
シャワーの仕方
地獄のシャワーもこれで安全!
折本 ちはる
準備運動
できるだけ教師の指示を少なくして行うようにする
山口 正仁
入水
入水は慎重に!体を水に慣らせよう
堀井 郁子
輪くぐりジャンケン
いつのまにか顔を水につけてしまう水遊び
伊藤 新吾
石拾い
石拾いをシステム化・ゲーム化し、短時間で毎回するのがコツである
梶野 修次郎
だるま浮き
浮かせるのではない、沈ませるのだ
鈴木 智光
伏し浮き
伏し浮きの指導は「水中花」で仲間と楽しく
鈴木 章弘
け伸び
脱力ができれば「け伸び」はできる
小倉 秀志
面かぶりクロール
スモールステップでどの子にも力をつける
松尾 英樹
かえる足
足首の返しをマスターさせる
団野 晶夫
ちょうちょう背泳ぎ
子どもを信じ励まし背浮きをできるようにする
雨宮 淳子
ドル平
まず呼吸、次に伏し浮きの順で指導する
藤井 喜一
クロール
ゆっくり泳がせることで100Mを完泳できる
迫田 一弘
平泳ぎ
「呼吸」と「け伸び」にポイントをしぼって
木津 淳一
背泳ぎ
背浮きができれば、背泳ぎができる!
古川 光弘
バタフライ
スモールステップでバタフライに挑戦
芹沢 晴信
着衣泳
「背浮き」の三段階
丸山 明生
ミニ特集 6月の体育(水遊び・水泳)はこう指導する
低学年
パターン化し、リズムとテンポで運動量の確保を
加藤 正代
中学年
時間を有効活用して楽しい活動を
内山 義朗
6月 水泳の「黄金の三日間」
南 惠介
高学年
最初の指導が肝心!運動量はこの指導で確保する
鈴木 康一
ゆるめる体操と動きの部分練習で背泳ぎの泳力をアップさせよう
津戸 弘光
ライブで体感!TOSS体育講座
どんな子だってできるようになる体育授業究極の「技」
竹森 正人
レベルアップ!体育の授業を変える
一人ひとりの子どもの心と体が生きること
岩井 邦夫
マンガで見る楽しい体育指導 (第75回)
根本体育直伝マンガ(水泳・シャワーの巻)
岩野 節男岩野 紀子
新卒教師の陥りやすい体育指導 (第3回)
人間の生き方を教える「リズム太鼓」
桑原 和彦
集合・整列・グループ分けの微細技術 (第3回)
クラスの仲がよくなるチーム分けの方法
田代 光章
学校と地域をつなぐYOSAKOIソーランの新展開 (第3回)
「さぁ、行こうか」―渡里唯舞の挑戦―
竹内 右子
“ボクとわたしのからだとスポーツ”質問・疑問・悩み大集合! (第3回)
どういう練習をすればスポーツが上達するの?
長谷川 亜弓
ライブで学ぶ体育指導技術 (第3回)
楽しいことをやっていれば自然にできるようになる
渡辺 喜男
一目瞭然!教師の個別評定 (第3回)
跳び箱運動の個別評定
並木 孝樹
知らなかった!技の数々!なわ跳びの世界 (第3回)
変幻自在!前後左右交差跳びに挑戦
平山 健太郎
子ども熱中!鉄棒の新ドリル (第3回)
鉄棒運動は体育館で鉄棒大嫌いが大好きに
土屋 洋之
1枚の写真で示す陸上運動のテクニカルポイント (第3回)
クラウチングスタートA
竹森 正人
TOSS体育最前線
スポーツ界を変える「ナンバ走り」とは?
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
水遊び
松澤 正仁
〜めあてが分かる水遊び学習カード〜
水泳
高橋 聡
〜「クロール・平泳ぎ」授業はこれ1枚でOK!〜
最新情報を盛り込んだボール運動 (第3回)
効果抜群!「ゆるトレ」
黒瀧 耕治
ライフスキルと健康教育 (第51回)
エンパワーメントコミュニケーション
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第170回)
研究は先行研究を踏まえて
向山 洋一
体育科における学力保障 (第39回)
ジェフ市原おとどけ隊のサッカー指導1
根本 正雄
〜池上正氏の3年の指導〜
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第54回)
テクニカルポイントはここだ! (第15回)
サッカー
横浜YMCA
〜ボールコントロールのバリエーション〜

特集の解説

新卒ですぐできる“水泳指導”のコツ

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 新卒の若い教師から「水泳指導のマネジメントはどのようにしたらよいですか」という質問があった。これに対して大阪府の鮫島秀己氏は次の実践報告をしてくれた。

1 更衣から集合まで

 1回目なので、まず上履きの場所や集合場所を確認しました。2回目からは、チャイムがなるまでにその場所に集合するように指示した。

2 心得

・自分の調子が悪くなったら必ず先生に言う。

・周りで具合の悪そうな人やおぼれているなど様子のおかしい人がいたら必ず先生に言う。

3 ルールづくり

・長い笛がなったらどんな時でも絶対話しをやめる。

・先生の指示に必ず従う。ふざけない

・プールサイドは走らない。

 「以上のルールを守らず3回注意されたら、水泳の授業は参加させません。お家の人にも説明して、水泳の成績はつけません」と話した。

4 シャワー

 これは失敗した。シャワーの浴び方までうち合わせしてなかった。当日一方通行にならないことに気づいたり、誰がどこに立つかも決めていなかった。シャワーは冷たい水を急激にあびるかなり危険な時である。

5 入水

 1でプールサイド上で後ろ向きになる。2でプールサイドを両手でつかまえさせながら、足を沈めていく。直立状態まで足をいれさせる。3でその姿勢のまま、肩まで沈めさせる。

 鮫島氏の実践は水泳指導を行う上で大切なシステムである。水泳は命に関わる。泳ぐためのマネジメントが確立していないと、効率のよい水泳指導はできない。

 マネジメントができたら、次は泳げるようにする指導法である。広島県の迫田一弘氏は次のような実践報告をしている。異学年合同で行われるプール開きの実践である。1年生と6年生の合同プール開きの授業である。

0.準備体操とシャワーは終えている。

1.1年生と6年生一人ずつ手をつながせた。余った6年生は再度、1年生と組ませ、3人組とした。

2.プールサイドに座らせ、はじめに6年生に自分に水をかけて入水させた。そのまま頭の先まで3回浸からせた。

3.1年生に同じように自分に水をかけて入水させた。この時、抱っこして入水してもよいことを6年生に話した。しかし、頭の先まで浸からせていない。

4.6年生は1年生をおんぶし、プールサイドに沿って時計と反対回りにゆっくり歩かせた。所々で6年生に「しゃがんで肩まで浸かりながら歩きなさい」と指示する。

5.4の逆で、時計回りに歩かせ、同じように肩まで浸かって歩かせた。

6.一旦止め、1年生と6年生に両手をつなぐよう指示。手をつないだまま、ゆっくり肩まで浸からせた。次は口まで、次は鼻まで、次は目までとレベルを上げさせる。この時、「1年生で難しい人はやらなくてもよい」と話す。

7.1回ごとに1年生のできた子に手を挙げさせ、その子に「6年生は頭をなでてあげなさい」と指示する。

8.1年生と6年生で水中じゃんけん 1年生には水中にならなくても大目に見る。6年生がするのを見させたり、6年生は教えたりしている。

9.もう一度6年生は1年生をおんぶし、じゃんけんゲーム。おんぶされた1年生同士でじゃんけんする。負けたグループよりプールから上がる。適当なところで、全員をあげ、1年生は終了し、シャワーを浴びさせる。

10.1年生がシャワーを浴びるまでの時間を使って、6年生だけ再度、泳がせる。け伸び3本、ターン3本、そして、最後にプール全体を使って、生き残り遠泳。

 1年生の先生から大いに感謝され、6年生も満足そうだったということである。このような異学年の指導を行えば、新卒教師でも指導できる。

 本号では、以上のような水泳指導の基礎・基本の指導が示されているので活用して欲しい。

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