- 特集 新卒ですぐできる“水泳指導”のコツ
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- 更衣から集合
- 更衣から集合の指導のコツ
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- シャワーの仕方
- 地獄のシャワーもこれで安全!
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- できるだけ教師の指示を少なくして行うようにする
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- 入水
- 入水は慎重に!体を水に慣らせよう
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- いつのまにか顔を水につけてしまう水遊び
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- 石拾い
- 石拾いをシステム化・ゲーム化し、短時間で毎回するのがコツである
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- 伏し浮き
- 伏し浮きの指導は「水中花」で仲間と楽しく
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- 脱力ができれば「け伸び」はできる
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- 面かぶりクロール
- スモールステップでどの子にも力をつける
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- 足首の返しをマスターさせる
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- 子どもを信じ励まし背浮きをできるようにする
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- ドル平
- まず呼吸、次に伏し浮きの順で指導する
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- 「呼吸」と「け伸び」にポイントをしぼって
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- 背浮きができれば、背泳ぎができる!
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- スモールステップでバタフライに挑戦
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- 着衣泳
- 「背浮き」の三段階
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- ミニ特集 6月の体育(水遊び・水泳)はこう指導する
- 低学年
- パターン化し、リズムとテンポで運動量の確保を
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- 中学年
- 時間を有効活用して楽しい活動を
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- 6月 水泳の「黄金の三日間」
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- 高学年
- 最初の指導が肝心!運動量はこの指導で確保する
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- ゆるめる体操と動きの部分練習で背泳ぎの泳力をアップさせよう
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- ライブで体感!TOSS体育講座
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- レベルアップ!体育の授業を変える
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特集の解説
新卒ですぐできる“水泳指導”のコツ
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
新卒の若い教師から「水泳指導のマネジメントはどのようにしたらよいですか」という質問があった。これに対して大阪府の鮫島秀己氏は次の実践報告をしてくれた。
1 更衣から集合まで
1回目なので、まず上履きの場所や集合場所を確認しました。2回目からは、チャイムがなるまでにその場所に集合するように指示した。
2 心得
・自分の調子が悪くなったら必ず先生に言う。
・周りで具合の悪そうな人やおぼれているなど様子のおかしい人がいたら必ず先生に言う。
3 ルールづくり
・長い笛がなったらどんな時でも絶対話しをやめる。
・先生の指示に必ず従う。ふざけない
・プールサイドは走らない。
「以上のルールを守らず3回注意されたら、水泳の授業は参加させません。お家の人にも説明して、水泳の成績はつけません」と話した。
4 シャワー
これは失敗した。シャワーの浴び方までうち合わせしてなかった。当日一方通行にならないことに気づいたり、誰がどこに立つかも決めていなかった。シャワーは冷たい水を急激にあびるかなり危険な時である。
5 入水
1でプールサイド上で後ろ向きになる。2でプールサイドを両手でつかまえさせながら、足を沈めていく。直立状態まで足をいれさせる。3でその姿勢のまま、肩まで沈めさせる。
鮫島氏の実践は水泳指導を行う上で大切なシステムである。水泳は命に関わる。泳ぐためのマネジメントが確立していないと、効率のよい水泳指導はできない。
マネジメントができたら、次は泳げるようにする指導法である。広島県の迫田一弘氏は次のような実践報告をしている。異学年合同で行われるプール開きの実践である。1年生と6年生の合同プール開きの授業である。
0.準備体操とシャワーは終えている。
1.1年生と6年生一人ずつ手をつながせた。余った6年生は再度、1年生と組ませ、3人組とした。
2.プールサイドに座らせ、はじめに6年生に自分に水をかけて入水させた。そのまま頭の先まで3回浸からせた。
3.1年生に同じように自分に水をかけて入水させた。この時、抱っこして入水してもよいことを6年生に話した。しかし、頭の先まで浸からせていない。
4.6年生は1年生をおんぶし、プールサイドに沿って時計と反対回りにゆっくり歩かせた。所々で6年生に「しゃがんで肩まで浸かりながら歩きなさい」と指示する。
5.4の逆で、時計回りに歩かせ、同じように肩まで浸かって歩かせた。
6.一旦止め、1年生と6年生に両手をつなぐよう指示。手をつないだまま、ゆっくり肩まで浸からせた。次は口まで、次は鼻まで、次は目までとレベルを上げさせる。この時、「1年生で難しい人はやらなくてもよい」と話す。
7.1回ごとに1年生のできた子に手を挙げさせ、その子に「6年生は頭をなでてあげなさい」と指示する。
8.1年生と6年生で水中じゃんけん 1年生には水中にならなくても大目に見る。6年生がするのを見させたり、6年生は教えたりしている。
9.もう一度6年生は1年生をおんぶし、じゃんけんゲーム。おんぶされた1年生同士でじゃんけんする。負けたグループよりプールから上がる。適当なところで、全員をあげ、1年生は終了し、シャワーを浴びさせる。
10.1年生がシャワーを浴びるまでの時間を使って、6年生だけ再度、泳がせる。け伸び3本、ターン3本、そして、最後にプール全体を使って、生き残り遠泳。
1年生の先生から大いに感謝され、6年生も満足そうだったということである。このような異学年の指導を行えば、新卒教師でも指導できる。
本号では、以上のような水泳指導の基礎・基本の指導が示されているので活用して欲しい。
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