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特集の解説
千葉市立弥生小学校
根本正雄
体育の授業開きをどのようにしたらよいのであろうか。黄金の3日間という言葉がある。
黄金の3日間の意味は、1年間の体育授業の骨格がここでできるという意味である。1年間の骨格が3日間で決定されるのである。
それではどのような授業をしたらよいのであろうか。一番大切なのは運動の喜びを体験させることである。
子供たちに体育は楽しい、自分から進んで体育の授業がしたいという気持ちにさせるには、運動の喜びを体験させていくことが大切である。
運動の喜びを体験させるには、次のような条件を満たしていく。
1.喜びを体験させる
2.できる喜びを体験させる
3.仲間と関わる喜びを体験させる
一つ目はわかる喜びを体験させることにある。運動のしくみや動き方がわかった時に子供は喜びを感じる。
例えば2年生でシュートゲームの学習をしている。今まで遠くに投げられなかった子供が、「片足を一歩前に出して投げると遠くに投げられる」ことを発見したとする。
すぐに遠くには投げられなくても、「遠くに投げるコツ」が分かったことは大きな喜びである。コツを習得すれば遠くに投げられるからである。
そのためには、授業開きで「分かる喜び」を体験させることである。
今まで知らなかった運動のできる仕組みやコツが分かることは、体育の授業への意欲や興味を高める。授業開きで知的な体育に触れさせることは大切なことである。
体育の学習でも思考力や判断力が大事な学習であることを理解させていく。
次に、できる喜びを体験させる。体育の授業で子供が喜ぶのは運動ができたときである。
跳び箱の開脚跳びが授業開きで行れるのは、向山式で1時間で全員ができるようになるからである。全員がで
きたという感動を共有できるからである。
今までできなかった子供ができるようになった自信は大きい。「自分もやればできる」という自信は、他の教科にも転移していく。
一番望ましいのは「分かって」「できる」ことである。跳べるコツを見つけ、そのコツを使って実際に跳べるようにすることである。
跳べるコツが分かれば他に伝えることができる。仲間との関わり合いが生まれてくる。
年度の始めに自信をもった子供は1年間「やればできる」という気持ちで学習できる。自己への信頼感をもつことができる。
跳び箱が全員跳べたという感動は、子供だけでなく教師の喜びにつながる。
授業開きは子供と教師の一体感を作り出していく内容にする。全員ができたという感動が教師と子供の心にベルトをかけていく。
それは仲間と関わる喜びを体験させることにつながる。
体ほぐしの授業は子供どうしの一体感も作るが、子供と教師の一体感も生み出していく。
体ほぐしは指導している教師も楽しくなる。子供が心と体を開放し楽しく動いている姿を通して、喜びを共有することができるからである。
仲間との関わりはこのような一体感を生みだし、学級経営にも役立つ。
授業開きで何を行うのかは教師の願いがどこにあるのかで決まる。「こんな子供にしたい」という強烈な理念に裏打ちされた授業開きをしてくのである。
教師の願いが黄金の3日間で示せるかが勝負である。本特集の実践を参考にして組み立てていってほしい。そして、運動の喜びを体験させてほしい。
千葉市立弥生小学校
根本正雄
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