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特集の解説
ここを押さえよう;体育授業の基礎・基本
千葉市立弥生小学校
根本正雄
体育授業の指導が分からないと言う声を聞く。山梨県の根津盛吾氏は、根本正雄の「用具を使った体ほぐし」の擬授業を4回受けて、体育授業では次の3点が大切であると述べている。
1.教材づくり
2.指導法づくり
3.授業づくり
用具を使った体ほぐしでは、輪・ソフトバレーボール・棒を扱った。どこの学校にもある用具である。
それを体ほぐしの「仲間との交流」ができるように教材を工夫した。いずれも3人組をつくり、力を合わせないとうまくできないような仕組みになっている。
輪では、1人が輪を床に投げて、2人が同時に輪に入る。同時に入るには、3人の呼吸が大切である。
ソフトバレーボールでは、1人が投げてもう1人が手で打ち、3人目の人がバケツで受け取る。うまく入ったら合格である。
棒では、3人1組で棒ジャンケンをする。3人でグー、チョキ、パーを出し、対戦チームと行なう。
このように、用具の活用を学習の狙いに合わせて工夫していく。これが教材づくりである。
以上の教材づくりをされたのは、名古屋市立東海小学校の川本めぐみ氏である。この教材づくりは優れていると考え、私はさっそく追試を行なった。
追試をするときに、どのように指導したらよいのかを考えた。それが指導法づくりである。
優れた教材があっても指導法が悪ければよい授業にはならない。川本氏の教材を追試ができるように工夫し、
私なりの授業を実践したのである。
根本の模擬授業を受けて、根津氏は新しい運動の提示の仕方について、次の方法があると述べている。
@すべて教師がやってみせる。
Aすべて子供にやってもらう。
B教師がやってみせる時と子供にさせる時を分ける。
C絵やイラスト、写真などで見せる。
Dビデオなどの動画で見せる。
必要に応じて使い分けることが大切である。言葉だけで動きを引き出せる場合にはAがよく、運動が複雑であったり多様な場合は@がよいと述べている。
このように運動の提示をはじめ、3人組にする方法、評価の方法など指導法づくりを行なう必要がある。
最後は授業づくりである。どのような組み立てにするかが問題である。ある模擬授業では次のように組み立てにした。
@前向き走 A足ジャンケン Bジャンケンおんぶ
C後ろ向き走 D輪 Eスキップ Fソフトバレーボール Gギャロップ H棒
この一つ一つの動きに対して、発問・指示を明示した。特に仲間づくりをさせるために、新しい3人組を作る時には次の指示を行なった。
「指示 さっきと違う3人組を作りなさい」と具体的に指示することによって、授業を展開した。
その他にも、授業全体のリズム、テンポ、タイミング、雰囲気、個別の対応などが必要だと根津氏は述べている。
体育授業が成立するためには、このような基礎・基本が必要なのである。
本特集では、このような観点で体育授業の基礎・基本が紹介してある。そのまま行なうのではなく、学級の実態に応じて取り入れ、自分なりの授業づくりをしていってほしい。
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- 明治図書