- 改訂学習指導要領(中学校数学科)を解明する
- まえがき
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- 第T章 これからの数学教育―改訂学習指導要領(平成20年3月28日告示)が示す方向―
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- 第U章 改訂学習指導要領(中学校数学科)の特色
- 1 新教育課程と数学教育
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- 2 改訂学習指導要領(中学校数学科)の特色
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- 第V章 移行期(平成21〜23年度)における数学科の対応
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- 第W章 数学科における指導の改善で配慮すべき事項
- 1 基礎的・基本的な知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力の育成―数学的表現を読む活動を通して―
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- 2 学年間,学校間の移動が行われた内容の取扱い
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- 3 新規に導入された内容の取扱いと配慮事項
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- 4 新設領域「資料の活用」の取扱いと育むべき能力
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- 5 学年・領域を越えて「学び直し」ができる指導過程の工夫
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- 第X章 数学科の授業をどう変えるか
- 1 誰が語る,どんな習得か―「いきさつ」に裏付けられた知識と技能―
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- 2 学ぶ意欲を高め,考えをさらに進めることを重視した指導
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- 3 実生活の様々な場面を数学へ用い,理解を深める授業―言語活動を重視した指導―
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- 4 自ら判断し,表現する力の育成を重視した指導
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- 5 数学科「資料の活用」で育むべき判断力を育成する指導
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- 6 理解を一層深めるための数学的活動を生む指導
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- 7 学年・領域を越えたつながりを生かし,確実な知識の獲得を目指した指導
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- 8 数学的に伝え合う知的コミュニケーションを重視した指導
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- 9 学ぶことの意義や有用性を実感できることを重視した指導―学習内容を実生活と関連させた指導を通して―
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- 10 数学をつくる学習活動の実現を目指す指導−既習と振り返りを生かして数学をつくる−
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- 第Y章 「総合的学習の時間」と課題学習の再検討及び選択数学のあり方
- 1 総合的な学習の時間は
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- 2 課題学習の課題と指導展開方法―課題学習の再検討の視点―
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- 3 選択数学のあり方
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- 第Z章 数学教師は変われるか
- 今こそ,数学観・学習観の転換を
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- 数学的な考え方はどうした?
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- 数学の学習に創造的な視点を
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- あとがき
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- 資料 中学校学習指導要領「数学」新旧対照表
まえがき
この(平成20年)3月,「改訂学習指導要領」が告示された。「試案」として示された学習指導要領(昭和22年)から数えると7回目の改訂になる。TIMSS2003.やPISA2003.など,国際調査の結果は一時社会的に大きな波紋を呼んだ。今回の教育課程の基準の改善,とりわけ,中学校数学科の改善は皮肉にもこの風に後押しされたとも考えることができよう。復元に止まらず,新規内容(領域)の導入は望ましいことである。授業時数増も歓迎されるところであろう。
ただ,この改訂に先立つ中央教育審議会の答申(「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善についてH20.1.17.)には,現行学習指導要領(H10.12.)告示に当たり強調された「生きる力」について,「「生きる力」をはぐくむという理念はますます重要」(p.8.)と述べられていることに注意したい。すなわち,条件が整えば,当然社会の期待度も高まる。付随して,相当する成果が求められていることも一方で深く自覚しなければならないということである。「元に戻ったのだから,前と同じようにすれば〜」というのではなく,気持ちを新たにしてこれからの数学教育へとその第一歩を踏み出していきたい。これが本書編集の趣旨である。
そこで本書は,第T章において上記「答申」を踏まえこれからの数学教育の方向を見定め,第U章で「改訂学習指導要領」(中学校数学科)の基本的な考え方をしっかりとらえるとともに,同学習指導要領の内容,領域構成,また,数学的活動の位置付けなどその特色を明らかにし,第V章では数学科として新課程へ円滑に移行できるようにするため移行期(平成21,22,23年度)における準備,対応策を述べる。第W章では,「学び直し」など「改訂学習指導要領」が数学科のこれからの指導に求めている事項を抽出し,改善を図る際にどのようなことに配慮すべきかを検討し,これを受けて第X章では,言語活動を重視した指導など,授業改善の実際を考察している。その事例は,いかにすればこれまでの授業を変えることができるかという提案である。また,第Y章では,「総合的な学習の時間」と課題学習の再検討及びこれからの選択数学のあり方について述べている。そして,最後の第Z章は,これまで数学教育の発展を担ってきた諸先輩の,今般の改訂に対するご意見である。変わらなければならない私たち数学教師への大局的立場からのメッセージと受け取っていただきたい。
まさに,今世紀初の「改訂学習指導要領」が成ったばかりに世に出るこの小著を,読者諸氏のご批正によって一層充実させ,これからの数学教育を進めていく際の道案内の書としてご活用いただければ幸いである。
全国の先生方の熱意を是非とも伝えたいと思い,編者の一存でできるだけ広く協力者を募り,大学や附属中学校の先生方をはじめ,多くの先生方に執筆をお願いした。短い期間であったにもかかわらず,執筆に精力的に取り組んでいただいた先生方に改めてお礼を申し上げたい。その分,原稿のとりまとめに当たっては,全国各地からの電子メール等でのやり取りで明治図書編集部の仁井田康義氏,相田芳子氏には大変なご苦労をおかけした。最後になったが,両氏に心から感謝を申し上げる次第である。
根本 博
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- 明治図書