- 特集 一度習ったら忘れない!目からウロコの歴史人物学習
- 1 一度習ったら忘れない!歴史人物を切り口にした授業デザイン
- 児童・生徒が現代社会を築くための歴史人物学習,4つの基本
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- 2 一度習ったら忘れない!目からウロコの歴史人物学習
- 〈卑弥呼〉歴史の流れをつかむ視点の習得
- 卑弥呼と纒向遺跡の学習で歴史の流れをつかむ視点を習得し,その後の歴史学習で活用することで,何度も学び直す。
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- 〈聖徳太子〉聖徳太子に着目し,三つの視点と型を身につけよう!
- 歴史学習で初めて肖像画が登場する聖徳太子に着目し,歴史人物を調べる三つの視点と型を身につける。
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- 〈中大兄皇子(天智天皇)/中臣鎌足〉朝鮮に翻弄された7世紀の歴史
- 蘇我氏と中大兄皇子・中臣鎌足が政治的に対立する理由に,百済,新羅,高句麗が関わっていたのではないか?
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- 〈聖武天皇/行基〉大仏の大きさと詔から決意の強さを
- 仏教の力で国を守ろうという決意の強さが,大仏の大きさや詔に表れている。そこをじっくり読み取らせたい。
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- 〈鑑真〉鑑真の目線から奈良時代を大観する
- 6度目の航海の末にようやく来日できた鑑真が見た奈良時代の日本を,内政・外交・社会・文化の面から捉える。
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- 〈藤原道長〉人物から歴史の概念を深めよう
- 藤原道長を手がかりに,「平安貴族」「摂政政治」「権力」の概念を深め,時代の特色を理解する。
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- 〈紫式部/清少納言〉平安時代の見方を覆す授業プラン
- 平安時代を象徴する紫式部や清少納言の肖像画や作品をもとに,生活の意外なつながりや新たな発見を見出す。
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- 〈平清盛〉なぜ平氏は大きな権力を持ったのか?
- 平清盛という人物を通して,「権力」がなぜ生まれるのか,どのような時代に失われるのかを分析させたい。
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- 〈源頼朝/源義経〉兄弟間のズレはなぜ生じたのか?
- 平氏打倒を掲げ戦った兄弟の年表をもとに,政治家・頼朝と軍略家・義経が目指す着地点の違いを明らかにする。
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- 〈北条時宗〉元軍から日本を守ったのに,なぜ?
- 元軍から日本を守った時宗。それなのになぜ,その後,幕府は衰退したのか? 御恩と奉公の限界を探る授業。
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- 〈後醍醐天皇/足利尊氏〉なぜ朝廷は南北に分裂したのだろう
- 後醍醐天皇と足利尊氏に関するエピソードを盛り込み,子どもの発言を引き出す授業案を提示する。
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- 〈足利義満/足利義政〉現代的課題につなげる歴史学習
- 室町文化を代表する金閣・銀閣と足利義満・義政の魅力を今に伝える価値を問い,提案する授業。
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- 〈マルコ・ポーロ/コロンブス〉思ったより遠かった黄金国ジパング
- マルコ・ポーロの「東方見聞録」やコロンブスの航路を基に,ヨーロッパ人から見たアジア像・日本像に迫る。
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- 〈雪舟〉クイズと意味づけで文化人を学習
- 室町時代の禅僧・画僧。水墨画を大成。クイズでモチベーションを高め,意味づけでレリバンスを見出す。
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- 〈ザビエル〉世界遺産とザビエルは関係している!?
- キリスト教の広がりと影響について,地図とエピソード,世界遺産等を関連付けながら探る。
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- 〈織田信長〉「フィールドマップ」で読み解こう
- 政治的な意図をもって城を築いた信長。城の位置に着目して当時のフィールドを地理的,政治的に考察する。
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- 〈豊臣秀吉〉戦国時代を終わらせた秀吉の政策を評価しよう!
- 豊臣秀吉の政策を,個別に扱うのではなく,めざした「国づくり」を考え,政策を評価する学習を行う。
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- 〈徳川家康〉どうした家康?引っ越しの繰り返し
- 「天下餅 座りしままに食うは徳川」と風刺されたこともあるが,家康の人生は決して平坦なものではない。
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- 〈徳川家光〉「ご恩と奉公」でとらえる江戸時代
- 武家政権に共通の主従関係について一般化するとともに,家光が武断的な統治を行えた背景に迫る。
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- 〈徳川吉宗/田沼意次/松平定信〉経済政策を比べて視る
- 吉宗や定信の政策は緊縮倹約,対して意次は経済成長。対比して影響を探る学習は現代にも生きる。
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- 〈ワシントン〉アメリカの建国の精神にせまる工夫
- アメリカ合衆国初代大統領,独立戦争の司令官。その功績を学びアメリカ合衆国建国の精神について把握する。
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- 〈ナポレオン〉多面的な「現在とのつながり」から
- 仏革命期に構想された制度等が現在に結びついていることを,ナポレオンを多面的に探究することで気づかせる。
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- 〈近松門左衛門/安藤広重〉江戸時代の町人に令和の自分を重ねて
- 大衆娯楽文化の“創り手”である近松と広重。“楽しみ手”の町人の立場に立つことで彼らの業績について考える。
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- 〈本居宣長/杉田玄白〉二人と今の時代のつながりとは!?
- 「勉強する目的」が二人の業績から見えてくる。それは,「世のため,人のため」ということ。
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- 〈伊能忠敬〉伊能図を通して日本地図を深掘り!
- 伊能図以前の地図を知ることで伊能忠敬への理解を深め,明治に至る地図の歴史の流れをつかむ。
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- 〈ペリー〉ペリーは当時,どう映っていたか
- 鎖国を終わらせたペリー。肖像画から,当時の人々にとって彼がどんな存在だったかを読み取ることができる。
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- 〈井伊直弼〉イイ直弼か,ワルイ直弼か,どっっっちなんだい?
- 井伊直弼の評価を考えることを通して,歴史の見方を再考する授業を構成する。
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- 〈リンカン〉リンカン×ウクライナ侵攻
- 人権保障の起源に疑問をもたせ,リンカンの演説文から民主主義のあり方を考えさせた教材である。
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- 〈勝海舟/西郷隆盛〉人物同士の接点に着目する
- 幕末から明治へと激動の時代を生きた勝海舟と西郷隆盛。二人が交わるターニングポイントを教材化する。
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- 〈大久保利通〉二人の人物に感情移入する授業
- @二人の人物への感情移入による共感的理解の相対化・客観化,A後の学習への布石を大切にした人物学習。
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- 〈明治天皇〉近代国家への変貌を物語る明治天皇の軍服姿
- 明治時代の日本は近代国家へと変貌していった。明治天皇の軍服姿は,当時の日本の状況を表現しているといえる。
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- 〈福沢諭吉〉福沢諭吉は「複雑」(な)諭吉?
- 福沢諭吉の「脱亜論」から,国際社会の中で,今後日本はどのような国づくりをすべきかを考える。
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- 〈大隈重信〉既存の認識を疑い,歴史と向き合う
- 二度首相を務め,日本発の政党内閣を樹立した人物である。歴史人物の没後を切り口に教材化した。
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- 〈板垣退助〉見学を生かして「自由」を身近に!
- 民主主義の大切さを教えてくれた板垣退助。議会政治の発展に大きく貢献し,日本発の憲法制定に尽力した。
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- 〈伊藤博文〉人物の判断に焦点を当てた人物学習を!
- 伊藤は明治初期〜末期まで,多くの問題の判断を下した人物である。これをどう授業で扱うかが重要である。
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- 〈孫文〉人物分析カードで“信念”を掴む学習
- 民主主義を唱え,中華民国の成立を成し遂げた孫文。人物分析カードで革命を果たした“信念”を掴む。
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- 〈中江兆民〉『三酔人経綸問答』を用いた「問い」と単元への見通し
- 19世紀後半を生きた啓蒙思想家である中江兆民の「矛盾」や「葛藤」にこそ「問い」のヒントがある。
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- 〈陸奥宗光/小村寿太郎〉歴史の動きをイメージしながら
- 陸奥宗光・小村寿太郎が成し遂げた諸外国との条約改正を,開国後の日本の変化と具体的に結び付けて考える。
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- 〈東郷平八郎〉英雄:東郷平八郎誕生。その一方で…
- 英雄:東郷平八郎を誕生させた一方で,暴動が起きたのはなぜかという問いを生む授業構成を提案する。
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- 〈野口英世/北里柴三郎〉グローバルで科学的な思考の育成を
- 伝染病の予防や治療で世界的に活躍し,新旧千円札の肖像である医学者。その人生から時代の特色をつかむ。
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- 〈ガンディー〉帝国主義の支配/抵抗。非暴力・不服従,そして平和へ
- 帝国主義への抵抗,ガンディーの行動の目的や結果を当時の社会の状況から解釈できるように問いを立てていく。
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- 〈マッカーサー/吉田茂〉対等な議論が戦後の日本をつくった
- 連合国軍総司令官と戦後の総理大臣のやりとりを切り口として,戦後の日本の民主化と独立回復を読み解く。
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- 〈ロック/ルソー/モンテスキュー〉思想家になりきり対話で深める授業
- 王政下で異論を唱えた三人について,宮廷文化を教室に再現し原典訳をもとに対話する授業を考案した。
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- 最新情報で徹底解説! どうなる・どうする社会科教育 (第54回)
- 「単元で考える」授業づくりP
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- 1人1台端末も有効活用!板書&資料でよくわかる授業づくりの教科書 (第54回)
- 室町文化を多角的な視点で教材化する
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- 〜6年生「室町文化」〜
- 「個」の学びを豊かにする!社会科「個別最適な学び」への挑戦 (第18回)
- 「間(ま)」を活かす
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- 100万人が受けたい!見方・考え方を鍛える中学社会 大人もハマる最新授業ネタ (第42回)
- 危機からの国づくり〜白村江の戦い〜
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- 〜歴史〜
- 最新情報でしっかり解説!歴史教育はどう変わるか (第48回)
- 高等学校「探究」科目の実施にあたって(6)
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- 〜「日本史探究」の科目の特徴を捉える〜
- リアルな世界と日本がわかる!地理授業デザイン (第6回)
- 地域防災のリアルと地理授業デザイン
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- 多様性と向き合う公民教育 (第6回)
- 「生物多様性」の公民教育教材としての価値は何か
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- 見方を変えると世界が変わる!「考えたくなる」社会科授業 (第6回)
- 社会科授業の指導技術A
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- 〜本時のねらいと展開を考える〜
- みんながゴールに到達できる!課題設定&授業展開スキル (第6回)
- 多様な学びを保障しつつ単元の目標に迫る
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- 生徒も教師も楽しくなる中学校社会科ゲーム&アクティビティ (第6回)
- [公民/現代社会 他]正解のない問いからはじまるアクティビティ
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- 明日の授業づくりに役立つ!学習指導案の理論と実践モデル (第6回)
- 「本時の展開」の理論を考える
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- 〈全国社会科教育学会の広場〉社会科教育は子どもや教師,社会のために何ができるか (第6回)
- [社会科教育は社会のために何ができるか]【小学校】科学によって答えることのできない問題のために
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- 〜科学・技術のシビリアン・コントロールの実現を目指す社会科授業〜
- わが県の情報 ここに「この授業あり」 (第306回)
- 香川県の巻
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- 編集後記
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編集後記
昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では,北条義時を主人公として,頼朝や義経もこれまでのドラマの王道とは少し違った切り口での扱い方で,主人公以外の人物にも注目が集まり,その衝撃的な最終回などが,大きな話題になりました。
教科書で扱われるような有名な人物はもちろんのこと,それ以外にも時代を彩る人物,時代の変革期の人物には,ドラマのような脚色を含めなくても,魅力的なエピソードや資料が多く,時代のキーになる人物をもとに授業を展開することは,歴史を楽しく学べるポイントの一つになるとも言えると思います。
『社会科教育』誌における歴史人物を取り上げた特集は,前回は二〇一八年六月号にさかのぼりますが,この五年,学校や子どもたちを取り巻く環境も大きく変わり,一人一台端末やSNSで,真贋入り混じった資料に子どもが触れる機会も増えました。それらの資料の真贋の見極め方,見方や考え方を子どもたちに育てていく必要もあるのだと思います。
そこで,本号では,「一度習ったら忘れない!目からウロコの歴史人物学習」を特集テーマとしました。
時代を彩った魅力的な人物を切り口に,どのような授業を展開すれば,「忘れない授業」となるのか。子どもたちが驚くような授業資料やエピソード,「私ならこのように教える」という授業ネタや授業手法を,ご紹介いただきました。
/及川 誠
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