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「生きる力」を育む国語学習 1999年12月号8 「伝え合う力」を育む授業改革

紙版価格: 1,037円(税込)

送料無料

電子書籍版: なし

ジャンル:
国語
刊行:
1999年11月
対象:
小・中
仕様:
B5判 88頁
状態:
絶版
出荷:
予定なし
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目次

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特集 「伝え合う力」を育てる授業改革
▼グラビア/自らの言葉で、自ら考え、判断する子供たちの育成(写真提供・解説/日暮一美・山村美枝子)
▼特集のねらい(編集長 瀬川榮志)▼自らを耕す子供を育てる(表紙W=東京都渋谷区立長谷戸小学校)
★提言・「伝え合う力」をつけるために授業をどう変えるか
「伝え合う力」の的確な理解と確かな言語の技能・技術を/相澤秀夫
短く表現する学習が中心になる/市毛勝雄
相互交流ができる時間を設定せよ/花田修一
★「伝え合う力」の系統と指導計画
[低学年]信頼感に基づく伝え合う喜びを重視して/新井啓子
[中学年]相手や目的に応じ、自分の言葉で「伝え合う力」の育成/南雲成二
[高学年]思考力(言葉で考える力)や認識力(言葉でとらえる力)を重視して/伊藤京子
[中学校]「話す・聞く」力を鍛える系統的指導/中嶋真弓
★「伝え合う学習」の教材開発・授業開発
[低学年]手紙で育てる目的意識を持って書く子/内藤才智
[中学生]インタビューを生かしてスピーチしよう/藤川ひとみ
[高学年]世界の子供たちと「伝え合う学習」/宮原久直
[中学校]ポイントは「相手意識」と「説得力」/小田和也
★「伝え合う力」を育てる『話す・聞く』授業展開
[低学年]「伝え合う」は『行為』/佐藤祐一
[中学年]音声言語を絶えず意識して/瀬戸崎正洋
[高学年]伝え合うことの基盤は分かり合いの心/森 布枝
[中学校]豊かな「伝え合う力」の育成を目指して/篠原圭絵
「伝え合う力」とは何か、その実体を的確に把握し、指導の理念と理論を確立して独創的な授業を創造―コメント/瀬川榮志
★「伝え合う力」を育てる『書く』授業展開
【低学年】かぎ(「 」)で対話をはずませよう/山中友子
【中学年】自分のことを新聞で伝えよう/三上昌男
【高学年】魅力がなければ始まらない/田中 晃
【中学校】質の高い言葉で書く―他者交流の場から/堀口賢治
書く活動を通して『伝え合う力』を育てる指導法の道を拓き具体的な実践で学習者主体の授業を開発―コメント/瀬川榮志
★「伝え合う力」を育てる『読む』授業展開
【低学年】言葉を通して思いを伝え合う嬉しさ/田中桂子
【中学年】子供の「よみ」の思いを大切にして/渡邊直樹
【高学年】話し合いで伝え合う力を育てる/勝又昭彦
【中学校】読みを発信につなげる学習活動/西村 治
読み取った知識や情報を交流し、『伝え合う力』を高める読むことの新しい授業を開発―コメント/瀬川榮志
実践についての全体のまとめ
―「伝え合う力」を育てるためには情報収集・構成・発信能力を組織化し運用する具体策が必要―/瀬川榮志
▼「伝え合う力」の育成と音声言語の重視
――対論・自己内対話・生きる力――/村松賢一
▼音声言語指導研究の歴史
――子供主体の表現重視の学習を――/益田信一
読み切り連載「生きる力」を核にした国語科教育の改革8
「生きる力」が育つ音声言語の学習指導/熊瀬外喜雄
★連載
「生きる力」と言語行動主体の学習7
「伝え合う力」を駆使・運用する言語行動主体の学習を創る/瀬川榮志
▼研究情報ネットワーク=全国小学校国語教育研究会・全国大会情報/西澤 清
▼研究情報欄=大阪市小学校教育研究会国語部・大阪市小学校国語教育研究会の研究情報/曽我正雄
▼シリーズ8/愛語「真実一路の教育」(表紙V=瀬川榮志)
★子供たちの作品(作文・感想・日記・文集)から学ぶコーナー
子供の自己実現と生きる力<語感を磨き豊かな心を育てる音読>
―文部省教育課程研究指定校(平成元年)の実績を今に生かし伝え続ける―
大すきになった音読/東京都中野区立鷺宮小学校二年・阿部美沙
学校は、とても楽しいです。わたしは、みんなでこえを合わせて音読するのがすきになりました。
まい日、朝に、音読をします。日直が、すきなしのだいを言うと一、二と心で数えて、しをみんなで音読します。新しいしの時は、こえがそろわないですが、何回かつづけると、そろうようになります。こえが合って音読できた時は、気もちがすっきりします。みんなもにこにこしています。きっと、わたしと同じで、気もちがすっきりしているんだと思います。
わたしは、音読の本がすきです。一年の時の「ひばり」のしを 48こおぼえました。音読カードも 123まいたまりました。
二年の音読の本は「おがわ」です。あんしょうできるのは 11こです。二年のねらいは、「じまんのしをふやそう」なので、くふうしてれんしゅうしています。一年では、しをおぼえればよかったけれど、二年では、じまんできるようにくふうするところがむずかしいです。
今、れんしゅうしているしは、「さかなやの おっちゃん」です。友だちとやくをきめてれんしゅうしています。さかなやさんになったつもりが、むずかしいです。一年の生かつかでおみせやさんの番をしたことを思い出してこうてや こうてや おててかむ イワシやでぇ≠、早くしたり、ゆっくりしたりしてれんしゅうしました。また、おきゃくさんが、おどろいたように、少し早口で「ほんまいかいな」と聞くように言って、楽しそうに、「おっちゃん」と言うようにします。
はじめは、ことばもなれなかったけれど、友だちとれんしゅうをくふうしたら、楽しくできました。ちょうくんと二人で音読したら、音読チャンピオンになりました。うれしかったです。音読をつづけて、じまんできるしをふやしていきたいと思います。
【先生から】担任/鈴木智子
いつも恥ずかしそうに、声をかけられても小さな声で返事をしていたみさちゃん。音読の練習の姿がみるみる変わってきた。「暗誦できる詩を聞いて下さい。」と、暗誦できる詩がふえるごとに大きな声で、口を大きく開いて言うようになってきた。音読する時もニコニコ顔である。周囲の人へ自分から話しかけるようになった。
「そういう言葉は、相手にいい気持ちしないと思うわよ。」
と、きっぱりとも話せるみさちゃんに成長している。音読は、語感を磨き、言葉も人の心も大切にする力を確かに育てているのである。
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