- はじめに
- 本書の使い方
- 第1章 授業DXのポイント
- 1 デジタルならではのよさを生かす
- 2 発達段階に合わせた活用
- 3 アナログとデジタルのベストミックス
- 第2章 授業DXの実践例
- 1年
- くちばしクイズをしよう
- 【くちばし】
- 一番すごい隠れ方をしているのは?
- 【うみの かくれんぼ】
- カードを使って,仲間分けしよう
- 【じどう車くらべ】
- お話の面白さをカードにまとめよう
- 【おかゆの おなべ】
- 「のはらうたカード」を作ろう
- 【こえに 出して よもう】
- 好きなところを見付けよう
- 【たぬきの 糸車】
- ライオンとしまうまとカンガルーの赤ちゃんを比べよう
- 【どうぶつの 赤ちゃん】
- ヒントの順番を考えてクイズをつくろう
- 【これは,なんでしょう】
- 2年
- 目のつけどころを変えて,かんさつ名人になろう
- 【かんさつ名人に なろう】
- 元気を取り戻していくスイミーの心の声を表現しよう
- 【スイミー】
- スライドを使って考えたことを話そう
- 【どうぶつ園のじゅうい】
- 「お手紙」における「話題(問い)」を決めよう
- 【お手紙】
- おもしろ漢字文を読んだり書いたりしよう
- 【かん字の読み方】
- 折り紙の折り方を説明しよう
- 【馬のおもちゃの作り方】
- すみれちゃんの言動と自分を比べて,感想文を書こう
- 【わたしはおねえさん】
- 心が動いたことを詩に書こう
- 【見たこと,かんじたこと】
- 3年
- 七つ目の事例の説明文を書いて,読み合おう
- 【こまを楽しむ】
- みんなが納得する答えは何?
- 【山小屋で三日間すごすなら】
- 物語の設定を確かめて,場面をとらえよう
- 【ちいちゃんのかげおくり】
- 「すがたをかえる○○」を書くための設計図をつくろう
- 【食べ物のひみつを教えます】
- ことわざを集めて発表しよう
- 【ことわざ・故事成語】
- 組み立てをとらえて,民話を紹介しよう
- 【三年とうげ】
- ウイルソンの実験内容を予想しよう
- 【ありの行列】
- 豆太の性格を読み取ろう
- 【モチモチの木】
- 4年
- ベン図を使って比べよう
- 【アップとルーズで伝える】
- 登場人物の心情の変化を読み取ろう
- 【一つの花】
- つなぎ言葉クイズを解き合おう
- 【つなぎ言葉のはたらきを知ろう】
- 「ぼくは○」という詩を書こう
- 【忘れもの/ぼくは川】
- 自分の読みを自分らしい表現で伝えよう
- 【プラタナスの木】
- テーマに合わせて自分だけの詩集を作ろう
- 【自分だけの詩集を作ろう】
- 要約した文章を読み合おう
- 【ウナギのなぞを追って】
- 筆者の主張に対する自分の考えをもとう
- 【数え方を生みだそう】
- 5年
- 春花の心情の変化から,名前をつける意味を考えよう
- 【なまえつけてよ】
- スライドを見せながら,調べたことを発表しよう
- 【みんなが過ごしやすい町へ】
- 新聞の見出しを考えよう
- 【新聞を読もう】
- 発表ノートで資料と文の関連を読み,交流しよう
- 【固有種が教えてくれること】
- 伝記を読み取り,偉人を紹介しよう
- 【やなせたかし―アンパンマンの勇気】
- 反論への答えを加えて,意見文をレベルアップしよう
- 【あなたは,どう考える】
- 主題を読み取ろう
- 【大造じいさんとガン】
- 朗読のレベルアップにつなげよう
- 【紙風船/水のこころ】
- 6年
- 「心の時間」の感覚の違いを考えよう
- 【時計の時間と心の時間】
- チームで提案発表会の準備をしよう
- 【私たちにできること】
- 言葉をもとに2枚の幻灯を描くヒントを見付けよう
- 【やまなし】
- 筆者の書きぶりの工夫に着目して書こう
- 【『鳥獣戯画』を読む】
- 割り付けを試しながら,魅力的なパンフレットを作ろう
- 【日本文化を発信しよう】
- 仲間と読み合って,意見を伝え合い推敲を重ねよう
- 【大切にしたい言葉】
- 読み比べて,自分の意見を投稿しよう
- 【インターネットの投稿を読み比べよう】
- プレゼンテーションをして意見を交流しよう
- 【町の未来をえがこう】
はじめに
コロナ禍の急激な拡大によるオンライン授業の要請と,GIGAスクール構想によるタブレットPCの急速な配備により,あれよあれよという間に教室にICT環境がそろってしまいました。あまりの展開の早さに「ICT? 今は,ちょっと,使えるようになったかな」とようやく一息ついた方も多いのではないでしょうか。確かに,ICTの導入により日々の授業は大きく変わりつつあります。ペアやグループによる対話が制限された環境でも,タブレット上で意見を交流することが可能になりました。プリントの配付や付箋の回収などに使っていた時間も,タブレットにより別の活動に充てることができます。さらに今後は,子どもによって異なる苦手な分野を重点的に繰り返してくれるような,個別最適な形での活用が期待されるでしょう。
しかし,あまりにも早すぎるICTの導入に,戸惑いを感じる時もありませんか。例えば,せっかくICTを活用できる環境があるのだから,どんどん使ってほしいという管理職や保護者からの要請が,プレッシャーに思えてしまうとか。隣のクラスの先生が目新しい使い方をしていると,何となく焦ってしまうとか。特に多様な言語活動を伴う国語の授業でのICT活用には,頭を抱えることも多いでしょう。もちろん,ちょっと検索するだけでずらりとリストが並ぶほど,ICTを使った授業実践は爆発的に増えているため,参考事例には事欠きません。ただし,自分の学校とは教科書が違ったり,デバイスが異なったりして,なかなかフィットした実践が見付からないことがあります。専門的で,先進的でとても真似できないような実践を見るとため息が出てきます。ああ,もっと身近で,明日の国語の授業で真似したくなるような実践があればいいのに。そんなふうに思うことはありませんか。
それ,関西国語授業研究会で何とかします。
関西国語授業研究会(以下「関国研」)は関西圏に勤務する30余名のメンバーが,国語の新たな実践的研究をしようと2017年に立ち上げた団体です。「教材の前では誰もが平等」「ビジョンは共有するが,手法は多様に」「とにかく子どもに言葉の力をつける」をモットーに,2か月に1回の定例会を開き,歯に衣着せぬ白熱した議論を続けています。
この本は,日々の国語の授業をよりよくするために,ICTをどう生かすのかという問いに対する,関国研ならではのアンサーです。1学年8つ,6学年で48の実践がまとめられています。もちろん多様なメンバーの多様な実践ですから,玉石混交であることは否めません。しかし,あなたの明日の授業に役立つアイデアに溢れていることは確約します。読後に「ICT? いろいろ,ちゃうとこあるけど,とりあえずやってみよ」と思っていただければ幸いです。
2022年6月
「関西国語授業研究会」を代表して /河合 啓志・宍戸 寛昌・樋口 綾香
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- 明治図書
- 画像が多く、具体的にイメージしやすいところが良いと感じた。2024/3/2050代・小学校教員
- 具体的授業が載っており、分かりやすかった。単元計画もあるとよいかと思った。2022/8/3030代・小学校教員
- 手にとってよかったと思える一冊でした。無料のダウンロード版も有効利用させていただいています。2022/8/12教職3年目
- 関西国語授業研究会にいつも参加しています。本書もさすが関国研の先生方と思わせるアイデアがたくさん詰まっていて、大変参考になりました。2022/7/2330代・小学校教員