- ■はじめに■
- T章 視聴覚教材の効果的な利用のポイント
- §1 英語活動を盛り上げる楽しい教材の要件
- §2 視聴覚教材のあれこれ
- U章 代表的な視聴覚教材を利用した授業の実際
- §1 「えいごリアン4」(NHK学校放送番組)を利用した取り組み
- 1 えいごリアン4の特徴
- 2 えいごリアン4を生かす展開のポイント
- 3 中学年での指導の実際(仲よくなろう)
- (1) 外国のお客様と遊ぼう(3年生)
- (2) 名刺交換会をしよう(3年生)
- (3) コマを作ろう(4年生)
- (4) なりきり自己紹介(4年生)
- 4 高学年での指導の実際(デザインしよう)
- (1) 七夕飾りを作ろう(5年生)
- (2) 王様になって国旗を作ろう(6年生)
- 5 えいごリアン4HPの利用
- (http://www.nhk.or.jp/eigorian/ja/frame.html)
- §2 「スーパーえいごリアン」(NHK学校放送番組)を利用した取り組み
- 1 スーパーえいごリアンの特徴
- 2 スーパーえいごリアンを生かす展開のポイント
- 3 中学年での指導の実際(作ってみよう)
- (1) タングラムを作ろう(3年生)
- (2) オリジナルコースターを作ろう(4年生)
- (3) ポップコーンを作ろう(4年生)
- 4 高学年での指導の実際(数えてみよう!測ってみよう!)
- (1) ペットボトルボウリングに挑戦(5年生)
- (2) インチで測ってみよう(6年生)
- 5 スーパーえいごリアンHPの利用
- (http://www.nhk.or.jp/s-eigorian/ja/frame.html)
- §3 「えいごリアン3」(NHK学校放送番組)を利用した取り組み
- 1 「えいごリアン3」の特徴
- 2 えいごリアン3を生かす展開のポイント
- 3 中学年での指導の実際
- (1) 学校のまわりを調べてみよう(3年生)
- (2) 生き物を育てよう(3年生)
- 4 えいごリアン3HPの利用
- §4 ウェブサイトを利用した取り組み
- 1 ウェブサイト利用のメリットと留意点
- 2 英語活動で利用できるウェブサイトの紹介
- 3 中学年での指導の実際(パソコンのゲームを楽しもう)
- 4 高学年での指導の実際(世界に目を向けよう)
- (1) 世界の天気(5年生)
- (2) 世界の時刻と時差(6年生)
- §5 自作教材を利用した取り組み
- 1 自作教材の工夫のポント
- 2 絵カード・写真カード
- 3 OHP・OHCの利用
- (1) 「何でしょう」クイズ その1(OHPを使って)
- (2) 「何でしょう」クイズ その2(OHCを使って)
- 4 パワーポイントソフトの利用
- (1) パワーポイントの特徴
- (2) パワーポイントを使った指導の実際(3・4年生)
- 5 画像処理ソフトの利用
- 6 デジタルカメラ・ビデオカメラの利用
- (1) 修学旅行の報告会をしよう(6年生)
- (2) ビデオレターで交流しよう(6年生)
- §6 市販のビデオ教材を利用した取り組み
- 1 絵本と英語活動
- 2 レオ・レオニの絵本ビデオの活用
- 3 指導の実際
- (1) お話の場面絵を描こう(図工と関連させて)
- (2) 友達のいいところは?(学級活動と関連させて)
- §7 視聴覚教材利用上の留意点
- 参考文献・引用文献
- あとがき
まえがき
英語活動に取り組んでいる小学校が急速に広がり,ほとんどの学校で時間数の多い少ないはあっても英語活動を行っている。また,中央教育審議会の議論からも,小学校における英語活動が近く必修化される気配が極めて高くなってきている。このような状況にあって,小学校の教師は,時間と労力とお金をかけて,子どもの英語に対する興味・関心を高めようと日夜英語活動の年間計画の構成や授業の効率的な構成を考え,教材・教具の開発に心を砕きながら,楽しい英語活動の推進に努力している。
これまで多くの小学校教師が,英語活動については年間活動計画や指導内容や指導方法について何もない状況から,非常に苦しい思いをしながらも,子どもが英語活動を楽しみに待っている姿や英語を使うことを喜ぶ笑顔に後押しされて,また,自分でも様々な活動を創造する過程を楽しみながら,小学校教師の持ち前の創造性を生かし,エネルギーを注ぎ込み,自分なりに授業を楽しくする努力を積み重ねてきた。この努力を積み上げていく過程で,創造性に富んだ様々なクイズやゲームやごっこ遊びなどを開発してきた。また,視聴覚機器を使い,様々な内容の視聴覚教材の活用にも新たな視点を求めて,これらを英語活動に最大限に活用する方法も考えてきた。
しかし,全国の小学校の教師が開発したこれらのアイディア溢れるクイズやゲームやごっこ遊びは,ややもすれば個人のレベルで留まって広がっていかないきらいがある。広がったとしても学校内であったり,せいぜいその学校近辺の研究会のグループ内であったりして,せっかくの教師の熱い思いが詰まった,努力の賜物であるこれらの宝物が全国の教師の共通の宝物にならない傾向が強い。そこで,せっかくのすばらしい英語活動のクイズやゲームや視聴覚教材の活用のアイディアを集めて,その内容や遊びの方法をできるだけ具体的に示すことによって, 全国の教師が自由に,しかも,簡単にこれらを利用できるようにすることが,今後の英語活動を更に充実させる上から必要であろうと確信している。また,そうすることによって,英語活動に取り組む教師のアイディアを更に膨らませるとともに,英語活動に取り組んでいる教師が最初の一から作っていく手間とエネルギーを少しでも減らすことができればいいという思いから,『これでできる小学校英語必修時代の授業』シリーズを編集することにした。
本書は,シリーズの中の『「視聴覚教材」の指導テキスト』である。英語活動において,教師の手作りの教材を利用することはとても大切なことであるが,さらに市販の,あるいは,テレビ等で放映される,インターネットから手に入るような様々な視聴覚教材を英語活動の授業に取り入れることによって,授業に変化をもたせたり,授業を更に深めたりすることができる。
本書では,視聴覚教材を利用する際の基本的な考え方を「視聴覚教材の効果的な利用のポイント」で,小学校で実際に指導している立場から具体的に述べたものである。更に,これまで活用したり開発したりしてきた様々な視聴覚教材とその活用法を具体的に述べた。例えば,N HKの放送番組の利用した授業の展開,また,ウェブサイトを利用した試み,さらには,自作教材を生かした取り組み,あるいは,市販のビデオ教材を利用した取り組みについて,具体的に詳しく説明した。
本書を活用するに当たって,紹介されている指導内容と指導方法は,新しい視聴覚教材の利用や開発を行う際の大きなヒントになるものと確信する。本書で紹介されている視聴覚教材の授業例は,子どもの興味・関心やこれまで慣れ親しんだ程度に合わせて,学期や学年をずらしたりしながら,実際に指導している子どもの喜ぶ笑顔に合わせて,教師の創造性と工夫を振りかけながら授業を楽しく構成していただければ幸いである。
本書を編集するに際して,子どもたちと楽しく,また,忙しく日常生活を過ごしておられるアイディア溢れる執筆者に心からお礼を申し上げる次第である。また,本書の構想から校正まで,細かいところまで編集者の心意気を示してくださった安藤征宏氏にお礼を申し上げる次第である。
平成19年1月
鹿児島純心女子大学国際人間学部長・教授 /影浦 攻
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