- ■はじめに■
- T章 「ごっこ遊び」はなぜ有効か
- §1 効果的な英語学習のあり方
- §2 楽しい活動を
- §3 ごっこ遊びはこう役立つ
- U章 「ごっこ遊び」を生かすポイント
- 1 基本的人権を尊重する態度(相手を尊重する態度)を身につける
- 2 自国文化及び異文化の理解(自他の理解)を深める
- 3 コミュニケーション能力を育てる
- V章 「ごっこ遊び」のモデル展開案
- §1 家族紹介遊び
- 1 家族紹介遊びのねらい
- 2 家族紹介遊びを生かす展開のポイント
- 3・4年[1時間目]/大きなかぶ
- 3・4年[2時間目]/家族の言い方
- 3・4年[3時間目]/家族ゲーム
- 3・4年[4時間目]/家族紹介
- 5・6年[1時間目]/家族の言い方
- 5・6年[2時間目]/家族ゲーム
- 5・6年[3時間目]/わたしはだれ?
- 5・6年[4時間目]/家族パーティー
- §2 誕生会で楽しもう
- 1 誕生会遊びのねらい
- 2 誕生会遊びを生かす展開のポイント
- 3・4年[1時間目]/貨物列車
- 3・4年[2時間目]/誕生月ゲーム
- 3・4年[3時間目]/仲間さがし
- 3・4年[4時間目]/誕生会
- 5・6年[1時間目]/誕生日の言い方
- 5・6年[2時間目]/マイバースデー
- 5・6年[3時間目]/有名人の誕生日
- 5・6年[4時間目]/誕生会ゲーム
- §3 インタビューをしよう
- 1 インタビューのねらい
- 2 インタビューを生かす展開のポイント
- 3・4年[1時間目]/食べ物・飲み物
- 3・4年[2時間目]/いろいろなもの
- 3・4年[3時間目]/インタビュー
- 3・4年[4時間目]/わたしはだれ?
- 5・6年[1時間目]/仲間さがし
- 5・6年[2時間目]/すきなものインタビュー
- 5・6年[3時間目]/いろいろインタビュー
- 5・6年[4時間目]/わたしはだれ?
- §4 旅行へ行こう
- 1 旅行へ行こうの学習のねらい
- 2 旅行へ行こうの学習を生かす展開のポイント
- 3・4年[1時間目]/趣味
- 3・4年[2時間目]/どこから来たの
- 3・4年[3時間目]/飛行機の中で
- 3・4年[4時間目]/パーティーごっこ
- 5・6年[1時間目]/すごろく
- 5・6年[2時間目]/キャンプ
- 5・6年[3時間目]/英語劇
- 5・6年[4時間目]/劇発表会
- §5 自分の夢を語ろう
- 1 「自分の夢を語ろう」の学習のねらい
- 2 「自分の夢を語ろう」の学習を生かす展開のポイント
- 3・4年[1時間目]/趣味
- 3・4年[2時間目]/趣味の質問
- 3・4年[3時間目]/しごと
- 3・4年[4時間目]/職業占い
- 5・6年[1時間目]/職業の言い方
- 5・6年[2時間目]/理由の言い方
- 5・6年[3時間目]/職業占い
- 5・6年[4時間目]/自分の夢発表会
- W章 イラストで見る「ごっこ遊び」の授業プラン
- §1 あいさつ遊び
- 1 あいさつ遊びのねらい
- 2 あいさつ遊びを生かす展開のポイント
- 〔3年/あく手してください〕
- 4年/友だちになろう
- 〔5年/どこからきましたか〕
- 6年/出会った人にインタビュー
- §2 おもてなしごっこ遊び
- 1 おもてなし遊びのねらい
- 2 おもてなし遊びを生かす展開のポイント
- 3年/バーベキューをしよう
- 〔4年/ティーパーティー〕
- 5年/世界の食べ物
- 〔6年/レストランに行こう〕
- §3 おでかけごっこ遊び
- 1 おでかけごっこ遊びのねらい
- 2 おでかけごっこ遊びを生かす展開のポイント
- 〔3年/サイクリングに行こう〕
- 4年/動物園に行こう
- 〔5年/道案内をしよう〕
- 6年/学校を案内しよう
- §4 お買い物ごっこ遊び
- 1 お買い物ごっこ遊びのねらい
- 2 お買い物ごっこ遊びを生かす展開のポイント
- 〔3年/買い物をしよう〕
- 〔4年/ほしいものは〕
- 5年/夕食の買い物をしよう
- 6年/フリーマーケット
- §5 変身ごっこ遊び
- 1 変身ごっこ遊びのねらい
- 2 変身ごっこ遊びを生かす展開のポイント
- 〔3年/サンタクロースになろう〕
- 〔4年/ハローウィンキャラクターになろう〕
- 5年/ガイドになろう
- 6年/レポーターになろう
まえがき
英語活動に取り組んでいる小学校が急速に広がり,ほとんどの学校で時間数の多い少ないはあっても英語活動を行っている。また,中央教育審議会の議論からも,小学校における英語活動が近く必修化される気配が極めて高くなってきている。このような状況にあって,小学校の教師は,時間と労力とお金をかけて,子どもの英語に対する興味・関心を高めようと日夜英語活動の年間計画の構成や授業の効率的な構成を考え,教材・教具の開発に心を砕きながら,楽しい英語活動の推進に努力している。
これまで多くの小学校教師が,英語活動については年間活動計画や指導内容や指導方法について何もない状況から,非常に苦しい思いをしながらも,子どもが英語活動を楽しみに待っている姿や英語を使うことを喜ぶ笑顔に後押しされて,また,自分でも様々な活動を創造する過程を楽しみながら,小学校教師の持ち前の創造性を生かし,エネルギーを注ぎ込み,自分なりに授業を楽しくする努力を積み重ねてきた。この努力を積み上げていく過程で,創造性に富んだ様々なクイズやゲームやごっこ遊びなどを開発してきた。また,視聴覚機器を使い,様々な内容の視聴覚教材の活用にも新たな視点を求めて,これらを英語活動に最大限に活用する方法も考えてきた。
しかし,全国の小学校の教師が開発したこれらのアイディア溢れるクイズやゲームやごっこ遊びは,ややもすれば個人のレベルで留まって広がっていかないきらいがある。広がったとしても学校内であったり,せいぜいその学校近辺の研究会のグループ内であったりして,せっかくの教師の熱い思いが詰まった,努力の賜物であるこれらの宝物が全国の教師の共通の宝物にならない傾向が強い。そこで,せっかくのすばらしい英語活動のクイズやゲームや視聴覚教材の活用のアイディアを集めて,その内容や遊びの方法をできるだけ具体的に示すことによって, 全国の教師が自由に,しかも,簡単にこれらを利用できるようにすることが,今後の英語活動を更に充実させる上から必要であろうと確信している。また,そうすることによって,英語活動に取り組む教師のアイディアを更に膨らませるとともに,英語活動に取り組んでいる教師が最初の一から作っていく手間とエネルギーを少しでも減らすことができればいいという思いから,『これでできる小学校英語必修時代の授業』シリーズを編集することにした。
本書は,シリーズの中の『「ごっこ遊び」の指導テキスト』であり,ごっこ遊びについての基本的な考え方を「『ごっこ遊び』はなぜ小学校英語で有効か」で説明し,また,ごっこ遊びを取り入れる際の留意点を「『ごっこ遊び』を生かすポイント」で,小学校で実際に指導している立場から具体的に述べたものである。更に,これまで開発してきた様々な面白い,また, 楽しいネーミングのごっこ遊びを具体的に紹介している。また,これらのごっこ遊びを最大限にいかすために,「ごっこ遊びのねらい」と「ごっこ遊びを生かす展開のポイント」について詳しく説明することによって,この「ごっこ遊び」を,言語材料を変えたり,学年を変えたりする際のヒントとして活用できるようにした。
本書を活用するに当たって,紹介されているごっこ遊びは,あくまでも執筆した筆者の実践例であり,実際に指導する教師が担当する子どもの実態に合わせて利用していただきたい。どのごっこ遊びも,言語材料を変えればどの学期でも利用でき,また,どの学年でも活用できるものである。また,ある特定の学年で紹介されているごっこ遊びでも言語材料を変えればどの学年でも利用できるものである。実際に指導している子どもの喜ぶ笑顔に合わせて,教師の創造性と工夫を振りかけながら授業を楽しく構成していただければ幸いである。
本書を編集するに際して,子どもたちと楽しく,また,忙しく日常生活を過ごしておられるアイディア溢れる執筆者に心からお礼を申し上げる次第である。また,本書の構想から校正まで,細かいところまで編集者の心意気を示してくださった安藤征宏氏にお礼を申し上げる次第である。
平成19年1月
鹿児島純心女子大学国際人間学部長・教授 /影浦 攻
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- 明治図書