教育新書29
「ひとり学び」を育てる

教育新書29「ひとり学び」を育てる

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自学の方法を教え,自力で学ぶ力が育つことこそ指導のねらいだとする著者の長い経験から生み出された画期的な指導方法の克明な解説と展開例。


復刊時予価: 2,940円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-911915-6
ジャンル:
教育学一般
刊行:
3刷
対象:
小・中
仕様:
新書判 254頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第
新学習指導要領解説書籍
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もくじ

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まえがき
一 「ひとり学び」の提唱
1 「ひとり学び」とは
(1) 「教える」ことの限界
(2) 学習の本来像
(3) 「ひとり学び」のねらい
(4) 国語学力を問い直す
2 「ひとり学び」の求める子どもの能力像
(1) 旺盛な向上の意欲を持つ児童・生徒であること
(2) 自ら学べる児童・生徒であり、生涯学び続ける者であること
(3) 問題意識を持つ児童・生徒であること
(4) 思考力・創造力の豊かな児童・生徒であること
(5) 個性的・独創的な児童・生徒であること
(6) 言語の正確な使用ができる児童・生徒であること
(7) 言葉、さらに学びに対してすなおな態度を持つ児童・生徒であること
(8) 学習習慣を身につけた児童・生徒であること
二 「ひとり学び」を成り立たせる条件
1 児童・生徒に必要な条件
(1) 基礎力
(2) 学習態度
2 教師に要求される条件
(1) 教師の指導態度
(2) 学習の目標と内容の設定
(3) 指導計画の立案準備
(4) 聞かれた教室づくり
(5) 励ましと評価
三 「ひとり学び」を支える学習技能
1 課題把握の技能
(1) 課題の意義
(2) 課題意識について
(3) よい課題の条件
(4) 課題の作り方
2 課題解決構想技能(砕き方)
(1) 課題による指導の問題点
(2) 解決の視点
(3) 視点のとらえ方
(4) 課題砕きの例
3 メモ・記録の技能
(1) メモ・記録の必要性
(2) メモ・記録の技能
(3) メモ・記録を支える技能
(4) 要点把握練習テキストの作成
4 要約・抜粋の技能
(1) 要約・抜粋技能の必要性
(2) 要約を支える技能
(3) 抜粋を支える態度と技能
(4) あらすじ把握を支える技能
(5) 要約・抜粋の技能練習
5 ノート活用の技能(書写技能を含む)
(1) ノートの機能
(2) ノートを支える技能
(3) よいノートの条件
(4) ノートの様式とその創造
(5) ノートの選ばせ方
(6) 点検と評価
6 速読の技能
(1) 速読の目的と必要性
(2) 速読の個人差、訓練差
(3) 読みの速度の発達
(4) 速読の指導
7 辞書・参考図書・資料活用の技能
(1) 活用技能の必要性
(2) 指導すべき知識
(3) 活用技能の指導
(4) 学校の役割
8 図表作成の技能
(1) 図表化の意義
(2) 図表化の条件
(3) 図表の種類
(4) 図表作成の指導
9 レポート作成の技能
(1) 「ひとり学び」におけるレポートの意義
(2) レポートに対する学習反応と問題点
(3) レポート作成のプロセスとその指導
10 口頭発表の技能
(1) 口頭発表技能の必要性
(2) 口頭発表の技能
(3) 指導のポイント
11 話し合い・討議の技能
(1) 話し合い・討議の必要性
(2) 話し合い・討議の態度・技能
(3) 指導のポイント
12 反省評価の技能
(1) 反省評価の意義
(2) 反省評価の方法
あとがき

まえがき

 「先生のおっしやるとおり、国語は大事です。勉強しなければならないと思います。これからどう勉強したら国語の力がつくでしょうか」

 全国の多くの子どもたちはこんな質問を口ではなく、体でしている。はたして先生方はこれに適切に応え得ておられるだろうか。発問を連発し、思考を誘導してその場で分からせたところで、これに応えていることにはならない。これを口でいくら説明してもそれで彼らは満足しはしないであろう。これは体験を通して身につけてやらねば、分かったことにならない。

 一方、技術革新時代、情報化時代、そして生涯学習時代の今日、教育は自力で学ぶことのできる力をつけることが、第一のねらいでなければならない。私は真に自学の方法を教えているだろうかと反省させられたとき、子どもたちに申しわけないことをしていたと慟愧の念に耐えなかった。

 一斉指導は否定できないが、もはや今日の児童・生徒を救い得ないことははっきりしてきた。学ぼうとの自覚をもって学習し、試行錯誤しながらも自ら得た成果に満足し、自ら学べる力をもって学校を巣立っていく、この「ひとり学び」の学習法は、私のロマンである。

 「ひとり学び」を研究し出して一五年になり、著書もこれで三冊めである。三冊めにして、学びの基礎力としての国語学力を追究してみた。そして私なりにえられたのが二類四層の体系である。国語科が基礎教科となるゆえんはこの学びの基礎力としてであるとの確信を得、それに応える国語学習でなければならないとの思いをいよいよ新たにした。

 この書の一章では、「ひとり学び」を学びの本質から問い直し、私のロマンとしてのイメージをえがいてみた。二章では「ひとり学び」が成り立つ条件を、学ぶ側と教える側から追究し、ここに基礎力としての国語学力を明らかにした。三章では、いわゆる「学び方技術」を取り出し、その指導の仕方を解説した。

 この書にはこれまで雑誌等に発表した論考をいくつか取り入れたが、そのまま組みこんだものは一つもない。そういう意味ではほとんど書き下ろしといってもよいであろう。

 この書ができあがったのは、明治図書の江部満氏の奨めと援助によるものである。国語学力を考え直して私なりにまとめ得たのも氏のおかげである。ここに深く感謝申し上げたい。

 幸いに、読者のみなさんから、このつたない私の考えに、忌憚のないご批判をたまわることができるなら、この上なく幸せに思われる。


  一九八一年八月   八幡平のふもとにて /斎藤 喜門

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      明治図書

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