自立活動の計画と展開2
身体の健康・動きを育てる自立活動
障害児教育の新領域

自立活動の計画と展開2身体の健康・動きを育てる自立活動障害児教育の新領域

好評7刷

感覚運動を中心に,環境との融和を図り,動きの拡大や健康を育てていく取り組みをまとめた。第1〜3章は「理論編」,4章を「展開編」,5章を「実践編」の3部構成。


紙版価格: 2,260円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-905811-4
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
7刷
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 168頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年11月22日
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
【理論編】
第1章 子どもの健康と動きを育てる自立活動
1 動きのとらえ方
2 身体と運動発達
3 自立活動の計画と展開
第2章 ムーブメント教育による動きづくりの支援
1 新しい動きづくりの支援の考え方――ムーブメント教育のめざすもの――
2 感覚運動技能の向上
3 身体意識能力とは
4 動きづくりを進めるうえで配慮すべき事項
第3章 動きづくりを支援するための手がかり
1 運動発達の手がかり
2 ムーブメント教育プログラムアセスメント(MEPA)とムーブメント教育プログラムアセスメントU(MEPAU)
3 ムーブメントスキルテストバッテリー(MSTB)
4 身体協応性テスト(BCT)
【展開編】
第4章 身体の健康と動きを育てる展開
[さまざまな遊具を利用して子どもに働きかける]
1 重度・重複障害児の身体・運動を育てる
展開例1
首のすわり,安定座位,寝返りを育てる支援
首のすわり,コントロールを育てる
安定した座位を育てる
寝返りを育てる
2 動きの基本を育てる
展開例2
動きの基本(歩く,とぶ,ころがる,投げるなど)を育てる
歩くことを育てる
「とぶ」ことを育てる
投げることを育てる
3 身体意識を育てる
展開例3
身体意識を育てる展開
動きによる身体部位の操作
4 視知覚―運動能力を育てる
展開例4
視知覚―運動能力を育てる支援
目と手の協応
目と足の協応
目と手と足の協応
【事例編】
第5章 身体の健康と動きを育てる実践事例
実践事例について
1 安定した歩行をめざしたかかわり
2 片足立ち,両足跳びの能力を育てるための援助
3 粗大運動や用具を使った運動を通して身体意識を育てる
4 動きのぎこちなさに課題を持つ子どもの指導
5 自分とものや,自分と人との位置関係を理解し,活動する範囲を適切に捉える力を高める指導
6 物の操作学習を通して空間のイメージ化を促し,位置関係能力を高める指導
7 スポーツを通して他者の動きを意識し,必要な動きを企画実行する力を育てる指導
8 動きを育みながら気持ちや行動の安定をめざした取り組み
9 教科「体育」の中で配慮した自立活動の指導――「うんどう」の授業から――

はじめに

 近年,時代の進展とともに,盲・聾・養護学校を取り巻く諸状況は大きく変化してきている。例えば,国際化や情報化等社会の各分野の急速な変化をはじめとして,障害の重度重複化の傾向の拡大,早期からの教育的対応に対するニーズの高まり,卒業後の進路の多様化,交流教育の推進等が挙げられる。

 このような状況の変化に適切に対応し,障害のある幼児児童生徒が自己のもつ能力や可能性を最大限に伸ばし,自立し社会参加するための基盤となる「生きる力」を培うためには,一人一人の障害の状態等に応じたきめ細かな指導を充実することが必要である。このため,平成11年3月に告示された盲・聾・養護学校の学習指導要領ではいくつかの改善が図られている。

 その中のひとつとして,障害の重度・重複化への対応を図る目的で「自立活動」に関する改訂がある。この中で,障害の状態を改善・克服するための指導領域である「養護・訓練」について,自立を目指した主体的な活動を一層推進する観点から,目標にその趣旨を明記し,内容についても,コミュニケーションや運動・動作の基本的技能に関する指導等が充実されるよう改善するとともに,その名称を「自立活動」に変更している。また,障害の状態等に応じた個別の指導計画の作成について規定している。

 近年の養護学校や特殊学級などでは,在籍する幼児児童生徒の重度化,多様化が進んでいるが,主たる障害として運動障害を持つ肢体不自由児だけでなく,身体と動きの問題はすべての子どもたちにとって重要な問題である。健康の維持・増進という点に加えて,環境を探索し,また環境を操作するための身体・運動機能は生きていく上での原点であると言える。

 このような子どもたちの身体・運動能力を促す手段として,本書で取り上げるムーブメント教育(Movement Education)は有効な一つの方法論であると言える。ムーブメント教育は,子どもの身体的能力や運動は,心理的諸機能(認知能力・コミュニケーション能力)や情緒と密接不可分な関係にあり,前者を促進させることで,後者の発達を促すことができるという考え方に立つ教育法である。このムーブメント教育は,遊びの感覚で子どもの「快い」「楽しい」という気持ちを最大限に生かしながら,身体的活動を通じて身体的な成長と同時に精神的な成長の発展を目指している。ムーブメント教育の基本理念は,「人間尊重」の教育として子どもの自主性・自発性を重視し,究極的には子どもの「幸福感の達成」を目指すという点にあり,今回の「自立活動」の考え方に直結するものである。


 本書「身体の健康・動きを育てる自立活動」は,「障害児の自立活動の計画と展開」シリーズ(全4巻)の第2巻に当たり,ムーブメント教育を主体とした自立活動による新しい動きづくりの支援として,感覚運動を中心に,環境との融和を図り,動きの拡大や健康を育てていく取り組みをまとめたものである。第1章から第3章までを「理論編」,第4章を「展開編」,第5章を学校教育現場での「事例編」として,3部で構成されている。第1章は,動きづくりに関わる要素を概説し,養護学校,特殊学級等で自立活動の指導を実際に計画,展開していく上での留意点について述べた。第2章は,人間の全面発達を支援するムーブメント教育の理論について概説し,なかでも本書の中核的な内容である感覚運動技能,身体意識について取り上げ,その基本的な考え方について解説した。第3章では,個別の指導計画を作成する上で参考となるアセスメントの幾つかを紹介した。第4章は,前段の「理論編」に基づいて,具体的に学校教育の現場における動きづくりの支援のためのプログラム(展開例)を取り上げた。肢体不自由養護学校での重度な子どもから,知的障害養護学校での比較的軽度な子どもまで,学校教育現場で応用可能なプログラム(展開例)を紹介した。また,多様な環境を使用した展開例や,家庭や地域でも応用できる身近な素材を用いた展開例も,併せて紹介した。第5章は,第1章から第3章までの理論編及び第4章の展開例と関連させながら,実際の学校教育現場での指導実践に取り組んでいる先生方に,教育的観点からの動きづくりに関する事例を,多方面から提供していただいた。理論編,展開編,事例編と縦の流れで見ていくと,より参考になるものと考える。

 本書は,養護学校や特殊学級などの学校教育の現場で,実際に子どもたちを指導している先生や新任の先生を対象として構成しているが,学校教育現場以外の療育機関や病院,幼稚園,保育所,地域の児童館・児童センター等での実践,さらには家庭の中の実践にも活用できることを意図して計画したものである。

 本書と同様に,「障害児教育の新領域・自立活動の計画と展開」シリーズ第1巻「認知発達を育てる自立活動」,第3巻「コミュニケーションを育てる自立活動」,第4巻「音楽・遊具を活用した自立活動」と併せて活用してもらえると,より実践的,効果的な指導が展開できるものと確信している。

 最後に,本書の出版にあたり多大なる励ましと助言をいただいた明治図書出版株式会社の三橋由美子さんをはじめ,編集・校正できめ細かな配慮をいただいた編集部の方々に心から御礼申し上げたい。


  2001年10月   編者 /小林 芳文 /永松 裕希

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