- 監修のことば・一人ひとりの個性・特性を伸ばす評価観に基づく国語科教育 /瀬川 榮志
- まえがき /山田 修平
- T 生きて働く基礎・基本の評価規準と絶対評価の方法
- 一 国語科の授業における評価規準の明確化と段階的指導
- 二 国語科授業における絶対評価の必要性
- 三 言語技術を向上させる評価の内容・方法
- U 授業改革を目指す絶対評価規準と方法
- 一 国語科における絶対評価とは
- 二 何のための絶対評価規準か
- 三 評価規準をどのように設定していくか
- 四 評価方法について
- 五 評価のスパンについて
- 六 数値化した評価データを基に指導の是非を語ること
- V 基礎的技能が定着する絶対評価
- ――言語事項の指導――
- 一 漢字の形と音・意味を調べよう
- 二 送り仮名に気を付けよう
- 三 漢字の意味や由来を調べよう
- 四 文語調の文章を音読しよう
- 五 敬語の使い方に慣れよう
- W 基本的能力を養う絶対評価
- ――領域の指導――
- 一 話し手の意図を考えながら聞こう
- 二 自分の立場や意図をはっきりさせながら話そう
- 三 話の組み立てを工夫しながら話そう
- 四 目的に応じて効果的に書こう
- 五 書く必要のあることを整理して書こう
- 六 自分の考えを明確に表現するため、文章の組み立てを工夫して書こう
- 七 文章の内容を押さえながら、筆者の考え方を読み取ろう
- 八 必要な情報を得るために、効果的な読み方を工夫しよう
- 九 優れた叙述を味わいながら読もう
- 十 主人公の生き方や考え方を読みとり、自分の考えを深めよう
- X 統合発信力が育つ絶対評価
- ――総合的学習の時間との関連――
- 一 調べたことをまとめ、ポスターセッションで発表しよう
- 二 目的に即してインタビューし、整理して必要な情報を効果的にまとめよう
- 三 読み手の興味を引くパンフレットを作ろう
- あとがき /山田 修平
まえがき
二一世紀を拓く国語科教育で今、求められていることは、生きて働く国語科の基礎・基本をどの子供にも着実に身に付けることです。このことは、平成一二年四月に発表された教育課程審議会答申(「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」)で示された「相対評価」から「目標に準拠した評価」(絶対評価)へ教育評価観の大きな転換を示していることからも明らかな通りです。到達目標を明確にしながら、国語科の基礎・基本をどの子供にも確実に定着させる指導が、子供自身の主体的で独創的な学習態度や学習実践力の育成に必要不可欠であることはいうまでもないことです。
この答申の主旨を受け止め、小学校六年生の国語科指導として、「目標に準拠した評価」を生かしながら、生きて働く国語科の言語技術(基礎・基本・統合発信力)をどのようにして身に付けていけばよいかを一八の事例に厳選し、提言します。第T章・U章では、「国語科の基礎・基本と評価規準との関係」や「評価規準を単元ごとにどのように設定するか」など具体的に論じます。V章・W章では、「基礎的・基本的技能を定着させるために、どのように評価活動を生かし、学習を展開していくか」を新教材に即して示します。X章では、「統合発信力が育つ絶対評価」の在り方として、総合的な学習の時間との関連から、具体的に論じます。「絶対評価」の規準やその方法を明らかにすること、この規準を生かす学習展開の在り方など、実践上の課題は多く挙げられます。その意味で本書は、これらの課題に対する一つの応答です。指導理論や実践上の方法等でまだ究明が不十分な点もあるかと思いますが、「言語技術が定着する」授業を創造していく際の一つのヒントとして活用いただければ幸いです。同時に、本書の提言内容について、全国の実践者の皆様から忌憚のないご批判・ご批正をお願いいたします。それを生かしながら、今後も「言語技術が定着する」授業の在り方を究明していきたいと考えております。
新発田市立第一中学校 /山田 修平
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