- はじめに
- T 「動的係り活動」を始めよう
- 一 「これやりたいな」「うん、やろう」がスタート
- 1 やりたいことを係りにする
- 2 やりたいことは具体的にする
- 3 困っている子には例を示す
- 二 係りの計画を立てよう
- 1 画用紙を渡す
- 2 いつやるのか決める
- 3 ルール、やり方を決める
- 4 計画書は未完成でも教室に掲示する
- 三 学級全体に提案しよう
- 1 計画書通りに提案する
- 2 質問を受ける
- 3 「再提案」を教える
- 4 ちょっとだけアドバイスをする
- 5 活動が承認された計画は色画用紙にコピーして掲示する
- 四 計画を実施しよう
- 1 休み時間が活動時間
- 五 活動が終了すると解散する
- 1 係り活動がイベント化していく
- 2 新しい活動が始まる
- 六 教師は楽をしてしまおう
- 1 とことん子どもたちに任せよう
- 2 最低限の声掛けをする
- U 係り活動が遊び文化をつくっていく
- 一 仲良し集団から目的集団へ変化していく
- 1 仲良し集団だけからの脱却
- 2 遊びの数だけ係りができる
- 3 子どもの感想
- 4 もめ合う時を通過する
- 5 些細な変化をほめる
- 6 目的集団が子どもを育てる
- 二 子どもの「やりたい」をできるかぎり公認しよう
- 1 学校全部を使ったかくれんぼ大会
- 2 こんなこと学校でしちゃっていいのかな
- 3 「やりたい活動」を広げるためにする三つのこと
- 4 教師も想像力を発揮しよう
- 5 動的係り活動から総合的な学習へ
- V 係り活動から学級全体のイベントへ
- 一 動的係り活動は小さなイベントである
- 1 動的係り活動成立の手順
- 2 係り活動がそのままイベントになる
- 3 役割分担には全員の名前を入れる
- 4 準備が始まる
- 5 「もの」と「時間」を用意する
- 6 イベントの当日を迎える
- 7 反省会をする
- 二 学級最大のイベントに取り組む ──向山氏の実践を追って
- 1 係り活動をきっかけにしてイベントを仕組む
- 2 班ごとに方針案を立てさせる
- 3 子どもの立てた方針案
- 4 論争となる
- 5 仲良くしなさいなどと言わなくてもよい
- 6 エピローグ
- あとがき
はじめに…「やりたい」という思いを組織する
学級が荒れ、崩壊しているという話を耳にする。
学級が集団としてうまく機能していないという。
子ども文化がなくなってきているという話もある。
しかし、一方で、次のような姿も見る。
例えば休み時間である。子どもたちは休み時間、それぞれ思い思いの活動をしている。
グラウンドでサッカーをしている子。
教室で本を読んでいる子。
友達とおしゃべりしている子。
その時の子どもたちの顔は、本当に生き生きしている。元気である。たくましくも見える。
それは、やりたいことをしているからである。
やりたいことのためには、子どもたちは知恵を出すし、体も動かす。仲間をつくる。
たいへんなパワーを持っている。
この力を学級づくりに生かさない手はない。
「やりたい」という思いは、人を動かす。子ども集団をつくる。その集団の力が学級の力となる。そしてその力が学級文化をつくっていく。
思い切って、この「やりたい」という思いを学級の活動に組み入れよう。
学級の組織として、位置付けてしまうのである。
子どもたちの「やりたい」という思いを組織し、学級集団づくりに生かそうというのが法則化知的学級集団づくり研究会の提案する「動的係り活動」である。
子どもにとって、「やりたいこと」は「遊び」である。
子どもたちは係り活動として様々な遊びを持ち込んでくることになる。つまりは「裏文化」が学級活動の前面にでてくる。
向山氏は言う。
子供は、何らかの裏文化の権威者である。その時だけは、たとえ学校のテストがすべて0点でも、みんなから尊敬される。裏文化の世界、遊びの文化の世界ぬきには子供の成長は語れない。(中略)
裏文化を、もっと大胆に学校の教育の中にとり入れるべきであるというのが、私の主張である。
『子供の活動ははじけるごとく 5年の学級経営』(明治図書 1984年 9〜10ページ)
裏文化、遊び文化の中の子どもたちは、どの子も生き生きしている。活動がダイナミックになっていく。学級が活性化する。
「動的係り活動」は子どもの裏文化、遊び文化を係り活動として学級にとり入れていこうとする一つの試みでもある。
動的係り活動をとり入れると学級に次のような変化が見られる。
1 子どもたちだけでどんどん活動する。
2 学級会が活性化する。
3 遊びが広がる。
4 様々な集団がつくられる。
5 係り活動を楽しいと子どもが言う。
本書では、どのような手立てで「動的係り活動」を組織していくのかをいくつかの原則を元に述べさせていただいた。
少しでも学級づくりの参考になることを願っている。
1999年2月8日 /馬場 慶典
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明治図書















