中学校新教育課程 数学科の指導計画作成と授業づくり

中学校新教育課程 数学科の指導計画作成と授業づくり

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新しい数学科の指導計画作成と授業づくりはすべておまかせ!

学習指導要領の改訂で、授業時数が増える一方、学習内容も大幅に増加した中学校数学科。限られた時数の中で充実した授業をつくるために不可欠となる指導計画作成の指針と、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、発問から生徒の反応例まで押さえた詳細な授業例を豊富に収録。


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ISBN:
978-4-18-833612-0
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 164頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 中学校数学科 学習指導要領改訂のポイント
(1) 学習指導要領改訂のねらい―数学に着目して―
(2) 中学校数学科改訂の視点
U 中学校数学科 指導計画作成のポイント
(1) 目標にかかわる課題
(2) 内容にかかわる課題
(3) 方法にかかわる課題
(4) 指導計画全体にかかわる課題
V 中学校数学科の年間指導計画作成と指導上の留意点
§1 第1学年の年間指導計画作成と指導上の留意点
(1) 年間指導計画作成と内容の取扱い
(2) 年間指導計画例
(3) 指導内容及び指導上の留意点
§2 第2学年の年間指導計画作成と指導上の留意点
(1) 年間指導計画作成と内容の取扱い
(2) 年間指導計画例
(3) 指導内容及び指導上の留意点
§3 第3学年の年間指導計画作成と指導上の留意点
(1) 年間指導計画作成と内容の取扱い
(2) 年間指導計画例
(3) 指導内容及び指導上の留意点
W 新学習指導要領の趣旨を実現する25の授業提案
§1 意味理解を確かなものにする授業
(1) 図形の作図で必要な数学の知識 【平面図形(第1学年)】
(2) 反比例におけるグラフの特徴 【比例と反比例(第1学年)】
(3) 連立方程式を解くときの考え方 【連立方程式(第2学年)】
(4) 平行移動からわかる一次関数のグラフの特徴 【一次関数(第2学年)】
(5) 確率1―2の意味 【確率(第2学年)】
§2 筋道立てて考え,判断する力に着目した授業
(6) 正多面体の特徴 【空間図形(第1学年)】
(7) 二等辺三角形の定理の証明における補助線の引き方 【三角形と四角形(第2学年)】
(8) 平方根の計算の可能性 【平方根(第3学年)】
§3 数学と身の回りの事象とのつながりを重視した授業
(9) 身の回りの事象に照らした等式や不等式の解釈 【文字と式(第1学年)】
(10) 一次方程式をつくろう 【一次方程式(第1学年)】
(11) 相対度数で表したヒストグラム 【資料の散らばりと代表値(第1学年)】
(12) ビリヤードの中にある相似 【図形の相似(第3学年)】
(13) 標本調査の留意すべき点 【標本調査(第3学年)】
§4 既習内容を振り返り,数学を深めていく授業
(14) 数の広がり 【正の数・負の数(第1学年)】
(15) 文字式の求積への活用 【式と計算(第2学年)】
(16) 方程式のグラフからわかる一次方程式の解の個数 【一次関数(第2学年)】
(17) 三平方の定理の逆を用いて校庭に棒を立てる 【三平方の定理(第3学年)】
(18) 関数y=ax2における表・式・グラフの表現 【関数y=ax2(第3学年)】
§5 コミュニケーションにより,知識や考え方が共有されていく授業
(19) 文字式の約束 【文字と式(第1学年)】
(20) 平行線と角における多様な考え方 【平行と合同(第2学年)】
(21) 式の形から因数分解を考える 【多項式(第3学年)】
§6 考えを広げながら,発展的に考える授業
(22) 等積変形における多様な考え方 【三角形と四角形(第2学年)】
(23) 二次方程式の解の公式の見方 【二次方程式(第3学年)】
(24) 相似から導かれる反比例の関係 【図形の相似(第3学年)】
(25) 円に内接する四角形の性質 【円周角と中心角(第3学年)】

まえがき

 学習指導要領が改訂されて以降,数学教育に関する書籍が数多く出版されています。このような中で,本書は学習指導要領を踏まえながら,新たな視点から中学校の数学教育を考えてみようとの思いからまとめたものです。IEAのカリキュラムのとらえ方に照らせば,意図したカリキュラムを踏まえつつも実施したカリキュラムの充実に焦点を置いたということになります。

 ただし,“学習指導要領を踏まえながら”と言っても,私たちの中には中学校の学習指導要領改訂に直接かかわった者はおりませんので,新しい学習指導要領及び解説に対しては,独自の解釈が含まれている面もあろうかと思います。しかし,数学的活動など,その重要性は執筆した6人が以前から大切にしてきたことであり,学習指導要領の精神は随所に述べられていると考えています。また,このような立場の私たちが,学習指導要領について考え,これを具体化することには意味があるのではないかととらえています。

 本書は,中学校や高等学校で数学教育の現場経験をもつ先生方に協力をいただきました。私たちは,生徒自らが数学をつくり上げていくことに重点を置き,問題解決的な授業の日常化,学習者間の相互作用の活発化,発展的に考察する態度の育成,数学の社会的有用性の感得,等々を大切にすべきであると考えています。また,数学の基礎的基本的な力とは,知識の習得や技能の習熟だけでなく,ここには,理解,思考,さらに情意的側面も含まれるととらえています。

 ところで,後半の授業の具体例をご覧になると,他の書籍に比べて少々異質であるとの感想をもつ方も少なくないのではないかと思っています。例えば,このような教材が課題学習ではなく単元の中に位置付けられるのか,また,このような内容まで指導する必要があるのか,さらに,このような学習が数学の内容なのか,といったことです。しかしながら,私たちは,複数の単元や領域に関係する内容であっても,課題学習ではない扱いをする必要があること,また,発展的な内容や学習指導要領の範囲を超えているようにみえても,中学校の段階ですべての生徒が身に付けなければならない“数学”があること,さらに,一見,数学の範疇ではないと思われる内容であっても,そこには数学の舞台に上げて考察する際に必要な数学にかかわる考え方が含まれていること,などに着目しています。

 また,本書の執筆者は,公立,国立,私立に所属する先生,あるいはこうした学校での経験をもつ先生方です。こうした点からは,指導する生徒の実態を踏まえながら,幅広い視野から教材を検討することができたのではないかとの思いがあります。数学に対する生徒の実態を考慮して指導することは大切なことですが,先にも述べたように,本書で取り上げた授業の提案は,すべての生徒が身に付けなければならない数学の力の育成を目指しています。生徒の実態に応じて,数値や図形等々を修正することはあっても,それぞれの教材は,すべての生徒にとって重要な意味をもっていると考えています。

 学習指導要領の改訂に伴い,数学の授業時数が増加しました。この時間増をどのようにとらえるのか,具体的にはどのような内容に重点を置いていくのかを検討することが必要です。知識や技能に重点を置いて“数学ができる”生徒を育成することも大切ですが,高め深め広げる学習,数学の本質に迫る学習,解決の必要感を高める学習,数学のよさや美しさが実感できる学習などにも,これまで以上に目を向ける必要があると思います。当然のことながら,これらは新しい学習指導要領が強調していることでもあります。

 本書が,先生方の日々の指導のお役に立てればと考えております。

 本書の出版に当たっては,明治図書の矢口郁雄氏に大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。


  平成21年12月   /久保 良宏 /久永 靖史

著者紹介

久保 良宏(くぼ よしひろ)著書を検索»

1955年1月東京生まれ。1977年東京理科大学理学部応用数学科卒業。共立女子学園共立女子中学高等学校教諭を経て,2002年北海道教育大学助教授(旭川校),2007年から教授。国立教育研究所(当時)科学教育研究センター共同研究員,TIMSS・TIMSS-R国内専門委員,教育課程実施状況調査委員。

久永 靖史(ひさなが やすふみ)著書を検索»

1959年4月熊本生まれ。1982年早稲田大学教育学部理学科数学専修卒業。1982年から共立女子学園共立女子中学高等学校教諭。文部科学省『個に応じた指導に関する指導資料―発展的な学習や補充的な学習の推進―(中学校数学編)』(2002年)作成協力者,東京私学教育研究所委員(2002年〜2008年)。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書

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