- はじめに
- 第1章 授業DXのポイント
- 1 ICT活用で道徳科授業を拡げ深める
- 2 ICT活用で情報を集めて考える
- 3 ICT活用で情報を分けて考える
- 4 ICT活用で情報を比べて考える
- 5 ICT活用で情報を意味づけて考える
- 第2章 授業DXの実践例
- 1・2年
- 事前アンケートを利用して深めよう
- 【節度,節制】
- よいところカードを送り合って,うれしさを共有しよう
- 【個性の伸長】
- 思考ツールを用いて考えを整理し,伝え合おう
- 【希望と勇気,努力と強い意志】
- 共有機能を使って,感謝の気持ちを高めよう
- 【感謝】
- 繰り返し考えを発信し,自分の親の思いをさぐろう
- 【感謝】
- 自分の考えを書いて伝えよう
- 【礼儀】
- 四象限マトリクスで考えを整理しよう
- 【友情,信頼】
- 迷っている心を色で表そう
- 【規則の尊重】
- 教科書の場面絵をもとに,考えを共有しよう
- 【よりよい学校生活,集団生活の充実】
- 日本の遊びを体験しよう
- 【伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度】
- 自分だけのあさがおをつくって,さらに愛着を深めよう
- 【自然愛護】
- 納得解を共有しよう
- 【感動,畏敬の念】
- 3・4年
- テキストマイニングで,考えの成長に気づこう
- 【正直,誠実】
- マトリクスで人物の思いに迫り,考えを深めよう
- 【正直,誠実】
- コメント機能で,みんなのよいところを伝えよう
- 【個性の伸長】
- 画面共有で友達の考えを知ろう
- 【感謝】
- 思考ツールで考え,映像でメタ認知して振り返ろう
- 【礼儀】
- アプリで話を整理し,協同学習ソフトで考えを共有しよう
- 【礼儀】
- 動画共有で,全員の役割演技から考えよう
- 【友情,信頼】
- Google Jamboardで,考えを伝え合おう
- 【友情,信頼】
- Google Jamboardで,学びを深めよう
- 【公正,公平,社会正義】
- 協同学習ソフトで考えを共有しよう
- 【公正,公平,社会正義】
- デジタルSDGsワークシートで,考えを広げ,伝え合おう
- 【勤労,公共の精神】
- Googleスライドで,思いを伝えよう
- 【家族愛,家庭生活の充実】
- テキスト分析で共通解を導こう
- 【国際理解,国際親善】
- 共有ノートで協働しながら,考えを深めよう
- 【生命の尊さ】
- 思いを視覚化し,遠隔からリアルな様子を伝え合おう
- 【感動,畏敬の念】
- 5・6年
- スケール図で立場を示しながら話し合おう
- 【善悪の判断,自律,自由と責任】
- ICTを活用して考えを共有しよう
- 【正直,誠実】
- 誠実の意味を,アプリを使って共有しよう
- 【正直,誠実】
- テキストマイニングを活用し,学習の深まりを確認する
- 【親切,思いやり】
- 事前アンケートで自分の変容を知ろう
- 【感謝】
- クラウドを活用し,子どもに合わせた指導計画に調整しよう
- 【友情,信頼】
- 登場人物の問題点を分類しよう
- 【相互理解,寛容】
- 真意を理解し合うきっかけとして,共有アプリを活用しよう
- 【規則の尊重】
- 主人公の判断の是非から,きまりの意義について考えよう
- 【規則の尊重】
- ポジショニングで,立場を決めて伝え合おう
- 【家族愛,家庭生活の充実】
- 紙媒体とICTをハイブリッドに活用しよう
- 【よりよい学校生活,集団生活の充実】
- 共同編集機能を使って様々な立場から考えよう
- 【国際理解,国際親善】
- 学習履歴を蓄積し,自己の生き方についての考えを深めよう
- 【自然愛護】
- イメージマップで学びを広げよう
- 【自然愛護】
- 心を変化させたものについて多面的に捉えよう
- 【感動,畏敬の念】
はじめに
小・中学校学習指導要領が改訂されて令和時代の新たな学校教育の幕開けとなった2019年12月,政府の閣議決定を受けて文部科学省はGIGAスクール構想に着手しました。改めて解説するまでもなく,GIGA「Global and Innovation Gateway for All(全ての子どもたちにグローバルで革新的な学びの入り口を)」スクール構想とは全国の児童生徒一人ひとりに情報端末を用意し,それを学びのツールとしてフル活用できるような高速ネットワーク環境を全国の学校に配備するという壮大な教育インフラ整備事業です。
この構想が打ち出されたとき,行政も含めた教育関係者の多くは半信半疑でした。たしかに先進諸国ではすでに当たり前のICT活用教育ですが,我が国では黒板とチョーク1本を頼りに多年続けてきた伝統的な教育指導観が根強く残っています。それに,膨大な導入予算が必要です。ですからGIGAスクール構想が公にされても,学校関係者は「ICT活用による授業づくりなんてまだまだ先のこと」「道徳科授業でICT活用なんてできっこないし,それを試みる必要もない」といった雰囲気でした。ところが,言わずと知れた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界を席巻すると,それが追い風となって瞬く間に学校現場にICT活用環境が整備され,学習スタイルや教師の役割そのものも一変させるまでになってきました。
本書はそんなDX(Digital Transformation)時代を反映し,どちらかというとICT活用とは無縁と思われていた道徳科での積極的な導入実践を進めて新たな令和時代の道徳科における個別最適な学び,協働(協同)的な学びの実現を目指そうと企画されたものです。そして,本書に所収された実践事例の全ては2021年3月に小学校低・中・高学年別に刊行されて好評をいただいている『板書&イラストでよくわかる365日の全授業 小学校道徳』の掲載事例に基づくものです。ですから,その掲載事例を参考に日々の道徳科授業実践をしてこられた全国の教師のみなさんには,これまで同様の感覚で受け止めていただければICT活用という利便性と指導効果を存分に実感いただけるものと思います。道徳科授業におけるICT活用授業は,もはや学校教育の日常的一光景にすぎません。そして,これからの多様な道徳科指導にはそのスキルの獲得が求められ,子どもたちの新たな学び方を創出する道標ともなります。授業力アップデートに欠かせないICT活用は,未来志向型の明日の道徳教育を実現してくれます。
このように,GIGAスクール構想は学校教育の世界で不変と思われていた授業時の教師の役割や,子どもの学び方のスタイルを変革させる大いなる原動力となります。しかし,忘れてはいけないのは,それを学校教育の場で実現していくキーパーソンはあくまでも血の通ったひとりの教師であり,一人ひとりの子どもであるという事実です。そんな視点から本書をお読みください。
2022年6月 /田沼 茂紀
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- 明治図書
- わかりやすいので、利用しています2024/8/240代・小学校教員
- 研究の参考になりました。2024/6/930代・小学校教員
- たくさんすぐに使える実践が載っているのでどれを使ってみようか楽しみです。2023/6/1240代・小学校教員
- 道徳授業にどのようにGIGAタブ活用を採り入れているかが、明確に示されている。実践例も豊富。「365日の板書」シリーズと合わせて読むとわかりやすい。2022/8/26ドイツ人