- まえがき
- 1 おもしろおもちゃをつくろう
- ストロー笛 低〜高S(10+10)なる
- コラム1 ストローの話
- ストローロケット 低〜中S(10+20)とぶ
- とり笛 中〜高S(20+10)なる
- ストロー人形 中〜高N(40+20)うごく
- コラム2 輪ゴムの話
- 色紙ギネス 低〜高S(30+30)あそぶ
- 紙パッチン 低〜高S(20+20)とぶ
- ブーメラン 低〜高S(20+20)とぶ
- クルクルアニメ 低〜中S(30+20) マジック
- ブルブルおもちゃ 中〜高N(40+10) マジック
- のぼるおもちゃ 低〜高N(40+20)うごく
- ミミンバ 低〜高S(30+20)なる
- シュート棒 中〜高N(30+20)うごく
- 紙まきごま 中〜高N(40+20)まわる
- 浮沈子 中〜高N(30+20)うごく
- パクパクしし 中〜高N(50+10)うごく
- パックカー 低〜高N(60+20)うごく
- コラム3 フィルムケースの話
- のびるおもちゃ 低〜高S(20+10) マジック
- さんかくパラシュート 低〜高N(30+30)あそぶ
- ふうとう人形 低〜高N(40+20)うごく
- てぶくろ人形 中〜高N(30+20)あそぶ
- タオル人形 中〜高N(30+20)あそぶ
- 2 伝 承おもちゃをつくろう
- 身近な材料編
- かざぐるま 低〜高N(30+20)まわる
- コラム4 色紙(いろがみ)の話
- 紙トンボ 低〜高S(20+20)とぶ
- ブンブンゴマ 低〜高N(30+30)まわる
- だましぶね 低〜中S(20+10) マジック
- ロケットヒコーキ 低〜高S(10+20)とぶ
- へそヒコーキ 低〜高S(10+20)とぶ
- いかヒコーキ 低〜高S(20+20)とぶ
- はばたく鶴 低〜中S(20+10)うごく
- 紙ふうせん 中〜高S(20+20)あそぶ
- 紙てっぽう 低〜高S(20+10)なる
- わりばしてっぽう 低〜中S(20+20)とぶ
- 吹き矢 低〜中S(10+20)とぶ
- 糸でんわ 低〜中N(20+20)あそぶ
- 糸ぐるま 低〜中N(20+20)うごく
- でんでん太鼓 低〜中N(30+10)なる
- ぶた笛 低〜高N(30+10)なる
- ガリガリプロペラ 中〜高N(30+20)まわる
- 紙ずもう 低〜中N(30+20)あそぶ
- てるてるぼうず 低〜中S(20+10)かざる
- しょうのう船 中〜高N(20+20)うごく
- コイのたきのぼり 中〜高N(50+10)うごく
- からくりびょうぶ 高〜 H(90+20) マジック
- 六角がえし 中〜高N(30+20) マジック
- まんげきょう 中〜高H(90+20) マジック
- 染め紙 低〜高H(60+20)あそぶ
- 染め紙ブック 中〜高N(60+10)つかう
- 染め紙小物入れ 中〜高N(60+10)つかう
- 連凧(ダイヤ凧) 中〜高N(60+60)とぶ
- コラム5 伝承おもちゃはすぐれた学校教材である
- 3 伝 承おもちゃをつくろう
- 自然の材料編
- ささぶね 低〜高S(20+20)あそぶ
- ねこじゃらしで遊ぼう 低〜高S(20+20)あそぶ
- 竹がえし 中〜高N(60+30)あそぶ
- うぐいす笛 中〜高N(60+20)なる
- ジージーぜみ 高〜 N(90+20)なる
- 野菜でっぽう 中〜高N(90+20)とぶ
- べんけい人形 中〜高H(90+20)うごく
- パチンコ 中〜高N(40+20)とぶ
- スギでっぽう 中〜高N(30+20)とぶ
- 水でっぽう 低〜高N(40+20)とぶ
- 弓矢 中〜高H(60+20)とぶ
- たたきごま 中〜高H(60+20)まわる
- スイカおばけ 低〜高H(60+20)かざる
- かんぽっくり 低〜高N(60+30)あそぶ
- 竹馬 中〜高H(90+60)あそぶ
- オカリナ 中〜高H(90+30)なる
- 4 郷土のおもちゃをつくろう
- すすきでつくる 中〜高H(60+10)かざる
- あねさま人形 低〜高N(60+10)かざる
- くねくねヘビ 低〜中N(60+20)うごく
- 鯛車 低〜中N(60+10)うごく
- 三角だるま 中〜高N(60+10)うごく
- 首ふり牛 高〜 N(90+10)うごく
- 金魚台輪 中〜高N(60+10)うごく
- ずぼんぼ 中〜高N(90+20)あそぶ
- うなりごま 中〜高H(90+30)まわる
- 米くいねずみ 高〜 H(90+20)うごく
- まわりねずみ 高〜 H(90+20)うごく
- 運動人形 中〜高N(90+20)うごく
- きじ車 中〜高H(90+20)うごく
- 六角凧 高〜 H(120+60)とぶ
- ノコノコ 高〜 H(120+20)うごく
- 土鈴 低〜高H(90+20)なる
- かみつきへび 高〜 N(90+20)マジック
- 細工馬 高〜 N(90+10)かざる
- だるま 中〜高H(120+20)かざる
- 犬張りこ 中〜高H(150+20)かざる
- 5 郷土玩具に学ぼう
- その魅力と教材化の視点
- (1) 「張り子」編
- 郷土玩具について/ 張り子について/ 張り子の魅力/ 張り子のいろいろ/ 教材化へのヒント
- (2) 「凧」編
- さまざまな凧/ 教材化へのヒント
- (3) 「木の動く玩具」編
- 車の玩具―きじ馬ときじ車/ からくり玩具―神戸人形など/ 教材化へのヒント
- 郷土玩具 文献・おすすめサイト
- 日本郷土玩具地図
- 道具の使い方いろいろ
まえがき
伝承おもちゃは,現代における最もすぐれた教材の一つである
伝承おもちゃというと,お年寄りが子どもたちにつくる手なぐさみのようなものといったイメージで受け止められているのが一般的です。本当にそうでしょうか?
筆者は,これまであわせて2万人以上の子どもたちや先生,大学生の皆さんと伝承おもちゃをつくってきました。そのプロセスで見たものは,おもちゃをつくることに熱中し,遊ぶことでその魅力にとりこにされた人たちの姿です。
子どもならともかく,大人が伝承おもちゃに熱中するとはどういうことでしょうか。
これは伝承おもちゃそのものに多くの魅力,値打ちがつまっているからだと思います。後述しますように,それ故,伝承おもちゃは,現代において子どもたちの学ぶ意欲を生みだすもっともすぐれた教材の一つだといってよいと思います。しかしながら,伝承おもちゃであれば何でもいいのかというと決してそうではありません。材料や作り方など,「伝承」であるがゆえの曖昧さがその難しさをあおり,必ずしも成功するとは限らないのです。
「伝承おもちゃそのものの面白さや値打ちの本質を変えることなく,身近な材料をつかって,簡単にしかし,確実につくるにはどうすればいいのか」。さらに,「適切な援助のしかたはどうすればいいのか」等々,試行錯誤の繰り返しが続きました。その問いかけは今もなお続き,キリがありません。このような取り組みの過程で,これまでに拙著「伝承おもちゃを作ろう」,「幼児版 伝承おもちゃワークショップ」(共に明治図書)を出版しました。本書は,そのような成果を生かしながら,これまでの研究の成果を加え,児童用として新たに加筆修正したものです。
1章は,現代版伝承おもちゃの値打ちをもつ面白おもちゃをまとめました。これは,きっと子どもたちに大人気になることうけあいです。2章では,身近な材料でできる伝承おもちゃに改良をくわえたものをまとめました。3章では,自然の材料を使った伝承おもちゃをまとめたもの,そして,4章では,わが国の代表的な郷土玩具をできるだけ簡単につくれるようにしたものをとりあげました。
執筆にあたっては,作り方のポイント,遊びの支援など,実践において必要となる観点をできるだけ多く盛り込みました。ここにあるおもちゃは,いずれも,それを作って遊んでいただくことで,学ぶことの喜びや,ものをつくり,考える楽しさを与え,友だちと共に関わることの楽しさを生みだしてくれるものと思います。図画工作や生活科のみならず,理科,総合学習,課外活動,野外活動など様々な領域で生かして頂けるなら存外の喜びです。
最後になりましたが,本書の出版に際しお世話になりました,明治図書編集部 石塚嘉典氏,編集の労をとって頂きました鈴木嗣子さんに心よりお礼申し上げます。
2003年3月 著 者
-
- 明治図書