- はじめに
- 第T章 鑑賞の授業を求めて
- 1 今,なぜ鑑賞教育か
- 2 鑑賞教育とは
- 3 鑑賞することと表現すること
- 4 鑑賞授業の内容と方法
- 5 学習指導要領では
- 第U章 鑑賞の授業を進めて
- 1 教室での鑑賞指導
- (1) 青春のメッセージ
- 山田かまち『ナイフを持つ自画像』他〈中学3年〉
- (2) 暗い谷間を生きた画家
- 松本竣介『立てる像』〈中学2〜3年〉
- (3) 人間と自然への信頼
- 葛飾北斎『富嶽三十六景』〈中学2〜3年〉
- (4) 情熱と技法のすべてをかけた表現
- レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』他〈中学2〜3年〉
- (5) 青年芸術家の風貌と魂
- 荻原碌山『戸張孤雁像』〈中学2〜3年〉
- (6) 仏像に見る新しい人間像
- 東大寺南大門『金剛力士像』〈中学2〜3年〉
- (7) 苦悩と希望の「肖像」
- フィンセント・ファン・ゴッホ『靴』〈中学1年〉
- 2 地域での鑑賞指導
- (1) 人生への肯定と未来への希望
- 青山熊治『金仏』〈中学1〜3年〉
- (2) 堂と仏像・陽光がつくる輝き
- 国宝『浄土堂』『阿弥陀三尊像』〈中学1〜3年〉
- 3 美術館での鑑賞指導
- (1) 20世紀フランス絵画の表現と魅力
- キスリング『ジョゼット』他〈中学1〜3年〉
- 第V章 鑑賞授業を広げて
- ―学校における美術館教育
- 1 美術館教育は生徒の豊かな人格形成とかかわって
- 2 美との出会いは地域から
- 3 生徒による学校美術館活動を
- 美術鑑賞カード
はじめに
青春―それは人生の中で,もっとも輝き,活気に満ちた「人生の春」である。
夢があります 希望があります 喜びいっぱいの青春!
いちずに,情熱を燃やします 走ります
ささいなことでも,深く考えます 悩みます
友をもとめます 恋をします 心がときめきます
未来があります 輝きがあります すばらしい青春!
目にうつります 友がいます 自分がいます
歩きつづけます 新しい世界にむかって……
今,中学生は,真剣に,いちずに走ることで自分を発見し,友がいることで新しい自分を発見しようとしている。こうした思春期では,自分と向き合い,自分に語りかけ,自分の生き方を探ることを励ます支えが必要である。その支えが美術作品であり,鑑賞であると考えてきた。
鑑賞の授業を通して,美術作品に接した中学生は,「おもしろい」「楽しい」という。そこには,自分から能動的に働きかけ,「試行錯誤」を繰り返しながら,自分の意見や意志を確かめ,個性をもった人間として成長していく自分があるからだと思う。
鑑賞は,従来からその重要性が指摘されてきたが,今回の学習指導要領告示(98.12.14)では,鑑賞の充実,日本の美術文化の尊重,鑑賞方法の指導,鑑賞授業時数の確保,美術館等の活用が示され,美術鑑賞の授業を避けて通ることは,もはやできないといえる。
本書は,こうした思いをもって,鑑賞の授業を進めたいという願いにこたえ,だれでもすぐに使える授業のサンプルとして示した。その特徴は,@授業書を中心に構成し,Aファクス教材として美術鑑賞カードを取り入れ,B地域文化財や美術館の活用を取り入れることで,わかりやすく,使いやすくした点にある。
本書をみなさんに活用していただき,充実した美術鑑賞の授業がつくり出されることを願っています。
この『だれでもできる中学美術鑑賞の授業』の出版にあたり,お世話になりました明治図書の石塚嘉典氏,橘亜希さんに深く感謝します。
1999年2月 著者 /神吉 脩
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明治図書















