- はじめに
- 低学年の造形活動
- ツルピカ泥だんごをつくろう(低学年3時間)
- 1 準備する材料や用具/ 2 活動の実際/ 3 実践ワンポイント/ 4 題材の発展
- アースケーキをつくろう(低学年2時間)
- 花ごおり(低学年2時間)―涼しい世界へご招待―
- 秋の宝物を使ってつくろう(低学年4時間)
- 葉っぱの色はカメレオン(低学年5時間)
- 雪にお化粧しましょ(低学年2時間)
- 中学年の造形活動
- ザ・お守り面(中学年4時間)
- 1 準備する材料や用具/ 2 活動の実際/ 3 実践ワンポイント/ 4 題材の発展
- こんな七夕飾りがあったなら(中学年2時間)
- 宇宙人へメッセージを送ろう!(中学年2時間)
- オリジナルハンコをつくろう(中学年3時間)
- ヒマラヤスギの落ち葉から(中学年4時間)―落ち葉が変身して○○○―
- 草木染めで遊ぼう(中学年4時間)
- 枝がゆらゆら,木の葉がゆらゆら(中学年2時間)
- 高学年の造形活動
- 聞いてみたいな土の響き(高学年4時間)
- 1 準備する材料や用具 2 活動の実際/ 3 実践ワンポイント/ 4 題材の発展
- 藍染めを生かして(高学年5時間)―わたしの心の一風景―
- 砂鉄に魔法をかけたら(高学年2時間)
- 校庭で「美」の発見(高学年2時間)―デジカメ・ウォッチング―
- 土・砂・小石が生み出す世界(高学年3時間)
- ペタペタ・ボディーペインティング(高学年4時間)
- スクリーンの裏には……(高学年3時間)
- デジカメで百面相(高学年2時間)
- 木切れを組み合わせて(高学年4時間)―12歳の「わ・た・し」―
- 身近な自然素材を利用した造形活動を進めよう
- リサイクル工作を考える
- 環境に配慮された図画工作の授業を
- もう一つの可能性―自然素材―
- 身近な自然素材に注目しよう
- 自然素材の特長を生かした造形活動を進めよう
- 身近な自然素材を利用した造形活動の裏話
- 何といっても材料費がかからない
- 身近な自然素材を知る
- 自然素材をゲットするアンテナを張る
- 時には積極的に自然素材を探し出す
- 自然素材の特長を最大限に生かす
- デジタルカメラが大活躍する
- 自然素材を使うことで人工材のよさが見えてくる
- おわりに
はじめに
環境問題についての理論を教育の基軸にすえた図画工作科の実践をどのように推し進めていけばよいかが問われている。
それは,単にペットボトルを再利用するそのことだけでリサイクル工作とするようなこれまでの気楽で無責任な取り組みでは到底こたえることができないのはいうまでもない。リサイクルという名のもとでつくられてきた作品の末路が,不燃物ゴミの量産になるという罪悪を私たちは真摯に受け止め,本質的な意味において環境に配慮された教育内容をいかに提示できるかを考えなくてはならないだろう。
しかし,それは環境に対する配慮の視点がこれまでの図画工作科の内容を批判的に検討し,さらに豊かな方向に発展するものでありたい。
そのような課題にこたえるものとして,本書では私たちの日常生活において手に入れやすい自然素材に注目し,その造形表現における可能性を検討した。本書で取り上げた題材例は,このような観点に基づき,編者らがこれまで数年にわたって開発してきた教材のうち,図画工作科の授業において実践可能なものを選択し,例示したものである。
実践は,2年間に及ぶ富山大学大学院における教材開発(美術教育論演習)として富山大学教育学部附属小学校の協力のもとで行われたもの,富山大学教育学部附属小学校の研究授業としてこれまで編者(荒治)によって実践されてきたものを中心にまとめた。
本書を参考に,21世紀における新たな図画工作科の実践の一方向が垣間見られるとするなら編者らにとって存外の幸せである。
最後に,遅々として進まない本書の出版に,粘り強く励ましていただいた明治図書出版編集部,石塚嘉典氏,編集の労をとって頂いた庄司進氏に感謝申し上げます。
2002年12月 編者を代表して /竹井 史
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