『小学校英語楽々教材シリーズ3 外国語活動で大活躍！　英文ゲーム＆教材４０―ＣＤ−ＲＯＭ付き―』の詳細情報

　意思を伝えたいあなたがいて，それを理解したい相手がいれば，お互い分かり合おうとするのが人間というものです。あなたが発した英単語を聞き取った相手は，その語にいろいろ肉付けをし，「たぶんこの日本人はこんなことを言いたいのだろう」という勘を働かせて文章を再構成します。同じようにあなたも，相手の話す内容から聞き取れる単語を取り出し，頭の中で「この人はこんなこと，言っているんじゃないかな」と，日本語で作文を行っているはずです。だから簡単な意思疎通ならば，本当に単語レベルで成り立つわけです。けれど，このプロセスには常に「勘ちがい」の危険性が伴います。それをできるだけ少なくするためには，話し手と聞き手の双方が「文法」や「語彙力」，あるいは「正確な発音」といった決まりごとを学び，肉付けの箇所をできるだけ少なくする手だてが必要になります。

　こういった決まりごとは学校で学ぶわけですが，実は私，これまでわが国で当たり前のものとして考えられてきた「学校で学ぶべき決まりごとの順序と内容」に疑問を持っています。「あせって教えなくてもいいことまで子どもに教える。それが逆に英語表現の足かせとなっているのではないだろうか？」と。そこで私は，「小学生の段階で，ここまで出来れば十分」ということだけを厳選した学習プランを作成し，勤務校で実践しています。それをもとにして，できるだけ汎用性が高くなるように再編成したのが，本書のワークシートです。これまで当たり前のものとして入門期の子どもたちに教えてきたことのうち，後回しにしても差し支えないことは，どしどし省きました。省くということは，英文の中に含まれる重要な点を浮き彫りにします。同時に，まちがえてはいけない，という制約が激減する結果，子どもたちの心の安全を保障し，さらに彼らの探究心に火をつける結果をもたらします。

　また，細かな部分がないということは，英語がご専門でない先生方でも説明できる内容だけが学習事項として並んでいる，ということになります。カルタやフラッシュカードなどの教具はCD-ROMに収録しましたから，本書とそれらをプリントアウトすれば準備完了です。

　年間35時間の外国語活動。子どもたちの未来に明るい展望をもたらす授業にしましょう。近い未来，あなたの街が英語の使える街になるように。

　　2013年１月　　　／��橋　豊