- 刊行にあたって
- T イメージと発想
- (1) イメージとは何か
- (2) イメージを強化する具体的手だて
- (3) 自然や場と関わる
- (4) 材料とイメージ
- (5) 行為からイメージを引き出す
- (6) 感覚とイメージ
- (7) 形からみたてるイメージ
- (8) お話からイメージする,お話をイメージする
- (9) 自分をイメージ化する
- U 行為・インスタレーション
- (1) 行為・インスタレーション
- (2) 行為・インスタレーションの指導
- (3) 低学年の行為・インスタレーションの展開と指導・支援のポイント
- (4) 中学年の行為・インスタレーションの展開と指導・支援のポイント
- (5) 高学年の行為・インスタレーションの展開と指導・支援のポイント
- (6) 行為・インスタレーションの課題
- V かく・ドローイング
- (1) 線で遊ぶ
- (2) 線を楽しむ
- (3) クロッキーを楽しむ
- (4) ドローイングを楽しむ
- (5) 面を意識してかく
- (6) そっくりに写す
- (7) 大きくかく・小さくかく
- (8) ものの感じを表す
- (9) 自然の様子を表す
- (10) 大切な場所を表す
- (11) 人のかたち・思いのかたち
- (12) 自分探しの旅
- (13) 想像するための方法
- (14) 表現をひらくための視点
- W 素材・つくる
- (1) 紙を知る
- (2) 紙をつくる(紙すき)
- (3) 紙でつくる(紙の加工)
- (4) 紙で遊ぶ
- (5) 土を知る
- (6) 土でつくる
- (7) 木を知る
- (8) 木でつくる
- (9) 多様な素材
- X 自然・環境
- (1) 自然・環境と心の成長
- (2) 「空間」の出来事と学校環境
- (3) 感じる粘土,環境からもたらされる材料
- (4) 図工科と自然環境
- (5) ちょっとハチになってみる――課題1
- (6) 葦(アシ)をつなぐ――課題2
- (7) こんなのはどうでしょう――課題3,課題4
- Y 総合的な表現活動
- (1) 劇・パフォーマンス・映像メディアなどの表現世界
- (2) 「魔よけのお面」に託された思い
- (3) 人形劇
- Z 充実感のある図工の授業
- ――充実感と価値のある授業を求めて
- (1) 子どもが育つ図工科の授業
- (2) 子どもの感性と学級の耕し
- (3) 新しい学びと創造…「イメージノート」と「造形ワークショップ」
- (4) 子どもをやる気にさせる指導を
- (5) 完成の喜びを
刊行にあたって
「ワークショップ」(WORKSHOP) の語源は「仕事場」「工房」を意味する英語で,一般的には 「参加者が主体的に相互に刺激し合い,語り合ったり,体験的に学びあう創造的なグループ学習やイベント」 を意味しています。
この『図工科ワークショップ』は,今までの授業のように,同一題材・同一材料で全員同じものをつくる授業形態ではなく,子どもが自分がやりたいものを選択して制作できる, 子どもの主体性と個別性を大切にした創造的な授業づくりの教材集です。
『図工科ワークショップ』の教材は,たとえば「音の出るおもちゃをつくろう」というように,テーマや材料に共通性のある教材のワークシートを子どもたちに配布し,そのシートを見ながら子どもが制作したいものを選択して,楽しく意欲的に制作します。自分が選択しなかった分も,他の子どもがつくるのを見て間接的に体験できます。 グループや班に分かれて別々のものをつくるのも楽しい。 子どもたちは,別々のグループの作品をヒントにもっとユニークなものを考え出します。
ワークシートはこの本をそのままコピーするのではなく, これをヒントに ,子どもの実態,ねらい,テーマ,能力,材料,人数や時間などを考慮に入れて, 授業者が作成してほしい のです。この本では紙面の関係で最小限にしていますが,つくり方,かき方だけではなく,参考資料,作品例,イラストや「注意」「ヒント」「工夫しよう」といった言葉を入れて,楽しんで取り組めるようにしてほしいのです。基本的には,簡単な説明の後,そのワークシートと材料・用具で,子どもが自分で制作し,教師はそれを援助します。
いろいろな ワークシート を日頃から用意しておけば, 授業やイベントや野外学習 だけでなく,早く終わった子どもに渡したり, 自習時間や空き時間,クラブ活動 にも使えそうです。図工科だけでなく,国語,理科,社会科,算数などでも,ワークシートを使った,子どもの個別性や主体性を大事にしたワークショップは可能です。
また,「4 イメージと発想の展開編」は,図工科の解説書や入門書ではなく,これからの図工科の授業づくりのイメージというか,方向性を見つめた発展的な内容にしています。
21世紀のこれからの教育 は,新指導要領でもいわれているように,子どもの主体性,個別性,それに 選択肢のある創造的で楽しい授業 が求められています。そうした活動から創造性や工夫する力などの造形する力が育ちます。この本を手がかりに,新しい授業づくり,教材開発,そして あなた自身の手づくりの授業 の手がかりになることを期待しています。
この本の出版にあたり,趣旨に賛同し協力していただいた執筆者や編者の皆さん,明治図書の皆さんに厚くお礼申し上げます。
平成13年11月 監修者
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- 明治図書