- まえがき
- 第T章 ボール運動とコーディネーション能力
- なぜコーディネーション運動か?
- コーディネーション運動のポイント
- 第U章 つまずき克服のためのコーディネーション運動のアイデア
- 1 ドッジボール
- A 投げる・避ける
- @投げる能力を伸ばす!
- Cボールゲーム/フープスルーパス
- ターゲットボール/新聞ボール
- ターンキャッチ/爆弾
- トンネル/エイトマン
- 世界一周/8の字ボール
- ボールロール/ピックアップボール
- トス&キャッチ/もも上げトス&キャッチ
- A避ける能力を伸ばす!
- リアクションジャンケン/キャッチ・プルジャンケン
- タッチゲーム/フットタッチ
- 一緒にジャンプ/ミラーラン
- 転がしドッジボール/リアクションタグ
- 学習カード
- 2 バスケットボール型ゲーム・バスケットボール
- A パスをする・受ける
- @パスをする能力を伸ばす!
- エイトマンパス/ナンバリングパス
- ケンケン合戦/タッチボールゲーム
- ボール鬼/ヘルプ鬼
- どろぼうとおまわりさん/島渡り鬼
- 宇宙旅行/ボール運び
- ボールリレー/2ボールパス
- キック&パス/スリーメンパス
- パス&パス/パス的当て
- Aパスを受ける能力を伸ばす!
- グーパーでエイ!/タッチキャッチ
- リアクションキャッチ/リアクションパス
- セレクトキャッチ/数合わせ
- B ドリブルする
- @ドリブルする能力を伸ばす!
- 一緒にローリング/移動バランス
- ジャンケンジャンプ/トス&バックパス
- 股下ドリブル/ドリブル逆鬼
- A走りながらドリブルする能力を伸ばす!
- ドリブルすもう/ドリブルチェンジ
- スペースチェンジ/ドリブル&キック
- C シュートする
- @ねらいを定めてシュートする能力を伸ばす!
- ターゲットパス/なかよしクジラ
- イメージシュート/ターンシュート
- Aタイミングよいシュート能力を伸ばす!
- ケンパー跳び/リズム走
- マリオネット/ジャグリング
- 1:1リアクションシュート/ブラインドシュート
- 学習カード
- 3 バレーボール型ゲーム・ソフトバレーボール
- A レシーブ・トスをする
- @レシーブ・トスの能力を伸ばす!
- タッチゲーム/ジャンケンタグ
- ターンキャッチ/リアクションキャッチ
- ふわふわバレーボール/席替え鬼
- バランスキャッチ/ボディリアクション
- くぐってキャッチ/トス&パス
- ボールリフティング/ターン&パス
- ツーボールパス/円陣ツーボールパス
- B スパイクを打つ
- @スパイクを打つ能力を伸ばす!
- フェイントジャンケン/ジャンピングスタンド
- コンビネーションジャンプ/投げ上げキャッチ
- かべ打ち/バウンドラリー
- 学習カード
- 4 ボール蹴りゲーム・サッカー型ゲーム・サッカー
- A パスをする・受ける
- @パスする能力を伸ばす!
- 片足バランス/片足バランスくずしすもう
- 片足靴下はき/ストッピング
- 投げ上げストッピング/ストップ・ザ・ボール
- 手つなぎパス/ボールキープ
- ドリブル&キック/パス&パス
- キック&パス/ナンバリングパス
- スルー・ザ・マタシタ/パスゲーム
- B ドリブルする(ボールを運ぶ)
- @ドリブルの能力を伸ばす!
- ケンパージャンプ/ドンジャンケン
- ジャンケンジャンプ/スキップ
- ラダ―ステップ/ジグザグ走
- フットタッチ/ムカデ
- しっぽ取り/ボールステッピング
- 早く集まれ/ボールでなぞろう
- ハンドサインドリブル/ドンジャンケン・ドリブル
- ドリブル鬼ごっこ/しっぽ取りドリブル
- ドリブルゲーム
- C シュートする
- @シュートする能力を伸ばす!
- ひざボール/ボール蹴りキャッチ
- 的あてキック/障害物シュート
- 的あてゲーム
- 学習カード
- 5 ソフトボール
- A 投げる・とる
- @投げる能力を伸ばす!
- めんこ遊び/紙でっぽう
- ブーメラン/紙ひこうき
- バウンドボール/スローイン競争
- タオルとばし/トイレットペーパーの芯とばし
- 紅白玉入れ/的あて
- 投げ方アラカルト
- Aとる能力を伸ばす!
- ポン!ポン!/投げ上げてキャッチ
- ツイストキャッチ/ターンキャッチ
- しゃがんでキャッチ/シグナルキャッチ
- やわらかキャッチ/ボールロール
- ボールオンボール/ごろごろキャッチ
- サークルキャッチ/かべ当てキャッチ
- B 打つ
- @打つ能力を伸ばす!
- ポン!ポン!/ティーのボール打ち
- トスバッティング/手のひらバッティング
- バットに当てよう@/バットに当てようA
- 手の打ち返し/ラケットの打ち返し
- 学習カード
- 6 ラグビー型ゲーム
- A よける・かわす・つかまえる(走る)
- @よける・かわす・つかまえる能力を伸ばす!
- ぶつからないで歩こう/歩き鬼
- しっぽ取り/ゴクウ鬼
- 川鬼/ボール運び@
- ボール運びA/ボール運びB
- 学習カード
まえがき
現在,中教審専門部会では,平成20年度の指導要領改定に向け「体育ですべての子どもたちに保障すべき資質や能力」「体育の学力とは何か」といったことを中心に議論されています。特に,「スタンダード」「基礎・基本の定着」「身体能力」等の言葉が取りざたされている状況です。これからの体育の目標が明らかになりつつある今,体育の教科内容を校種や学年(発育発達段階)によって,どのような順序で学ばせるのか,というテーマに対しコーディネーション運動の視点から系統的・構造的にとらえなおすことは,きわめて意義深いと考えます。
さて,子どもはもともと体を動かすことが好きで,主体である子どもたちに充実感を与え,体育学習の目的を達成する授業づくりは,教師がめざす不変かつ共通のテーマであると思います。ところが残念なことに,子どもの日常から運動がどんどん消失していると言われています。子どもたちから自由な「遊び」をする機会が失われ,あるいはさまざまな事情から制限されてきたことで,日常生活の中から運動をする機会が減少してきています(日本教育新聞,2007)。このような状況において,体育授業では具体的に何ができるかが求められると考えます。
私は本書におけるコーディネーション運動の理論と実践を通して,次の3点に焦点を当ててみました。
@子どもの運動機会の確保
A子どもの発想を育む
B教師の指導内容の改善と開発
第1点目については,子どもの中には必ずつまずきが出てきます。そんなとき,コーディネーションの視点からどんな能力を改善したならそのつまずきが解決できるのか,そのための運動例を示すことで,少しでも運動の機会を増やしてあげたいと考えています。
第2点目は,「できるようになる」ことはもちろん重要です。コーディネーション運動の面白いところの一つは,「自分たちの運動を創る」側面にあります。与えられた運動を行うだけにとどまらず,創る楽しさを体験して欲しいと思います。私たち大人では考えつかないアイデアがきっと生まれてきます。
第3点は,コーディネーション運動に取り組んでいくと,教師自身にこれまで埋もれていた発想が芽生え,新たな視点で授業づくりができるようになります。子どものできないことに目をつけるより,できそうな課題を模索するのです。可能性を見つけようとした方が,前向きになり気持ちも弾んできます。そんな教師の心理状態は確実に子どもに伝わります。
本書を制作するに当たり,東京都小学校体育研究部会の先生方には多忙な勤務状況にもかかわらず,子どもたちが元気で明るい姿になるために,という私の趣旨をご理解いただきご協力いただきました。心より感謝申し上げます。また,前著の『体育授業を変えるコーディネーション運動65選』に引き続き,明治図書の真鍋様には大変ご迷惑をおかけしました。期日に間に合わずに困らせてばかりでしたが,寛大に待っていただき言葉もありません。ありがとうございました。
2007年5月 監修者 /東根 明人
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- 明治図書
- 複数、コーディネーション運動が紹介されていてよかった。球技の導入や体つくりなどで使わせてもらいました。2017/12/30元体育主任