新時代の授業づくり:理論と実践の展開5
気付きを深める生活科授業の創造
5つの「知的活動」で子どもの学びが変わる!

新時代の授業づくり:理論と実践の展開5気付きを深める生活科授業の創造5つの「知的活動」で子どもの学びが変わる!

好評5刷

単なる活動ではなく、知的な活動で子どもの学びを変える。

無限の可能性を秘めた子どもの芽が、確かな教師の眼との出会いにより、どこまでも伸びていくことを願い、「知的活動」というキーワードのもとに生活科学習をデザイン。気付きを深める生活科の「知的活動」の実際を、子ども達の具体的な姿や豊富な作文とともに紹介する。


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ISBN:
4-18-727700-5
ジャンル:
生活
刊行:
5刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2024年3月21日

もくじ

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プロローグ
第1章 気付きを深める生活科の「知的活動」
第1節 今,なぜ「知的活動」なのか
1 願う学習像
(1) 子どもの芽,教師の眼
(2) 秋にアサガオを植えてみよう
(3) 命を慈しむ芽,命に感動する芽
2 生活科学習の現状
(1) 教育課程審議会「答申」から
(2) 学習が活動にとどまっているとはどういうことか
第2節 生活科学習指導の問題点
1 「子どもと解決する問題」を「教師が一人で解決」している
(1) 知人からの相談
(2) 「レストランのお客様」から「キャンプのカレーづくり」へ
2 活動と内容の区別ができていない
(1) 指導意図を明確にもたずに指導する危うさ
(2) 活動で獲得させたい「内容」を明らかにすると
(3) 体験自体も目標ではあるが
(4) 生活科の8つの内容
(5) まずは,活動と内容を区別して考えよう
第3節 気付きはどう深まるのか
1 生活科の学力と気付き
(1) 学習指導要領の3観点の中でも気付きを
(2) 気付きとは
(3) 「気付き」と「知的な気付き」
(4) 生活科における「知的な気付き」の構造
2 具体的な子どもの言葉から
(1) 2つに分けられる「自らの論理」
(2) 気付きにはどのような様相があるのか
3 本質に至った気付きの特徴
(1) 子ども達のくらしが変わる
(2) 本質に至った気付きがもたらすもの
4 気付きの質を深めるために
(1) 一人一人の気付きを見取り,価値付けて返していくこと
(2) 子ども達の「知的センス」
(3) 価値付け,返していく教師の眼とその限界
(4) 活動を組織する教師の眼の発動を
第4節 「知的活動」とは何か
1 「知的活動」とは
2 「知的活動」を展開するために大切にすべきこと
(1) 比べて,見つける活動
(2) 調べて,考える活動
(3) 見通しながら企てる活動
(4) 試行錯誤しながら工夫する活動
(5) 語り合い,意思決定する活動
第5節 「知的活動」をいかす学習デザイン
1 「経験単元」と「教材単元」
(1) 「生活科らしい」生活科学習の姿
(2) 「子ども発」のみでカバーできない内容は「教師発」で
(3) 「子ども発」の単元はどのようにして立ち上がるのか
2 よい学習材を見抜く教師の眼
(1) よい材料が学習の質を高める
(2) よい材料とはどんな材料か
3 学習過程を「小刻みな問題解決の連続」で構成する
(1) なぜ,「小刻みな問題解決の連続」が大切なのか
(2) 知的活動の枠組みの中に小刻みな問題解決を位置付ける
(3) 例えば,「花の種を植えよう」の場合
(4) 単元の終末は「オープンエンド化」で
4 学習材の特徴をいかす単元構成の型を使い分ける眼を
(1) 単元構成の型
(2) 知的活動の枠組みのイメージ
第2章 気付きを深める生活科の「知的活動」の実際
第1節 比べて,見つける活動を中核とした実践例「秋にアサガオを育てよう」
1 本実践のエッセンス
2 授業づくりの視点
3 単元の目標
4 単元の計画
5 活動の実際
6 考  察
第2節 調べて,考える活動を中核とした実践例「ろめんでんしゃ,しらべたい」
第3節 試行錯誤しながら工夫する活動を中核とした実践例「でっかいシャボン玉をつくろう」
第4節 語り合い,意思決定する活動を中核とした実践例「カブトムシとなかよし」
第5節 見通しながら企てる活動を中核とした実践例「タイムカプセルをつくろう」
エピローグ

プロローグ

 生活科の授業に携わるようになって初めての夏をむかえようとしていたときのことを今でも覚えています。

 「アサガオを育てよう」の学習で1年生の子ども達は全員,見事にアサガオの花を咲かせました。もちろん,どの子も無事に咲かせることができるように私が手取り,足取り「指導」した結果です。ふと気が付くと3才になる私の娘が祖父の力を借りながらも,家でアサガオの花を見事に咲かせていました。水やりも種とりも自分でできるのです。3才の子ができるようなことを,小学校の生活科の教室で行っていていいのか。私が最初にぶつかった生活科学習そのものへの問いです。後に,この問いは「秋にアサガオを育てよう」という実践を生むことになりました。

 もう1つエピソードを紹介します。町探検に連れて行ったとき「何でもいいから,気になるものを見つけよう」と投げかけたところ,教室に帰ってきて,子ども達がいろいろ発表して,収拾がつかなくなり困りました。次の時間「夏は附属小学校のまわりに来ているかな」と投げかけ,予想させ,町を歩かせたところ,子ども達はいろいろな店からいろいろな夏を発見してきました。お店の人に「虫除けスプレーは夏しか売っていないのか」と聞いたりもしてきました。子ども達の姿を観て「活動が知的である」と感じた瞬間です。

 このように私は私自身の「失敗」から多くを学び,その過程で「知的活動」というキーワードにたどり着いたのです。

 小著は「知的活動」で生活科の単元を構成してはどうか,と提案したものですが,私の不備や未熟などについて,御指摘,御批判をいただけるなら,どんなにありがたいことでしょう。忌憚のない御意見をお願い申し上げます。


   /内藤 博愛

著者紹介

内藤 博愛(ないとう ひろよし)著書を検索»

1971年 福岡県飯塚市に生まれる。

福岡教育大学卒業。

福岡県宗像市公立小学校教諭を経て,

現在広島大学附属小学校教諭。


全国社会科教育学会,日本生活科・総合的学習学会員

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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