- 編者のことば
- はじめに
- T 単元名(組体操)
- U 目 標
- V 組体操について
- W 指導の構想
- §1 演技を構成する
- @ 私の場合
- A 技(演技)の選択
- B 全体の構成
- C 構成上の工夫
- ・テーマの設定やストーリー/ ・BGMや音楽の工夫/ ・小道具の利用/ ・子ども達の創作
- §2 隊形を工夫する
- §3 指導順序のポイント
- @ 各技(演技)の指導
- ・大きな流れ/ ・指導する技(演技)の順序
- A 隊形移動・変化の指導
- §4 指導の場
- §5 指導上の留意点
- @ 「休め」の号令
- A 一度に仕上げようとしない
- B 技と技の間・隊形移動もまた演技
- C 失敗した時の指示
- D 教師集団のルール
- X 指導計画
- Y 各時間の指導
- §1 第1時の指導
- [基準の形][城][サボテン]
- §2 第2時の指導
- [塔][帆かけ船]
- §3 第3時の指導
- [橋][ピラミッド]
- §4 第4時の指導
- §5 第5時の指導
- §6 第6時の指導
- [波][かもめ][(三人)扇][砂丘]
- §7 第7,8,9,10時の指導
- §8 第11,12時の指導『琵琶湖大橋』
- §9 第13,14時の指導
- §10 第15時の指導 めざせノーミス!
- §11 第16時の指導 隊形移動・変化の指導
- §12 第17,18時の指導
- §13 第19時の指導 最後の練習
- Z 周辺の取り組み『組体通信』
- [ 子ども達の姿
- あとがき
はじめに
今年の6年生は,どんな組体を見せてくれるだろう。
毎年,そんな期待をもって運動会を見ている。そんな方が,少なくないだろう。私も楽しみにしている。
○6年生(または高学年)による組体操が,運動会の目玉種目の一つである。
○6年生(または高学年)は,運動会で組体操をする。それが伝統になっている。
そんな学校が多いらしい。
体の大きな6年生(高学年)の整然とした,そしてダイナミックな演技は,見ている者の感動を呼ぶ。自ずと目玉種目・花形種目となる。そして伝統となるのであろう。私か初めて組体操の指導を経験した学校にも,そんな伝統があった。ただ,ある条件による,作られた伝統ではあったが…。
伝統である組体の指導を担当するということは,それまでの伝統に対する挑戦である。少しでも良い演技を演出したい。少しでも自分と子ども達のカラーを出したい。自分達の組体をつくり出したい。そう思った。自分の指導力が試され,鍛えられた。学級をはるかに越える大きな集団への指導である。(私の当時の勤務校,滋賀県守山市立吉身小学校は,各学年が5クラス,学年の児童数約200名という大規模校であった。組体は,6年生が学年の団体演技として取り組んだ。)
組体が伝統であれば,その指導の方法にも受け継がれているものがある。
ただそれは,まとまった何かではなく,口伝えであり,先輩からの指導である。若い教師は,それを学ぶ。多くの学校でもそうではないだろうか。
私の場合もそうであった。私を指導して下さったのは,当時の学年主任であった青木正義氏である。私の初めての組体指導が始まった頃は,各時間が終わる度に,青木氏から指導をしていただき,次時への助言をいただいた。本当に感謝している。私の組体指導の基礎は,青木氏の指導によってかたちづくられたのである。
また,幾つかの学級が集まった大きな集団を指導する時,当然その指導は,教師もチームを組んで行う。もちろん普段から共に仕事をしている仲間なのであるが,私はこのことに関しても,良き先輩や仲間に恵まれた。
さらに,同じ職場に勤務していたサークルの仲間(先輩)が,組体指導に大変効果のある方法を開発したのである。これも学ばせてもらった。
私は,吉身小学校において,二度組体の指導を経験している。一度目は,教師チームの代表として直接子ども達に指導した。二度目は,チームの一員として周辺の取り組みをした。二度とも学年主任は青木氏であり,そして学年教師集団の先輩や仲間,さらにサークルの仲間に恵まれた。
今回,その二度の経験から,組体操の指導についてまとめる機会を与えていただいた。本書が,これから組体操を指導される先生方のお役に立てば幸いである。
1992年11月 /中村 徳稔
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- 明治図書