- 刊行のことば
- 家庭科 重要用語150の基礎知識
- はじめに
- T 家庭科教育
- 1 家庭科教育学
- 2 家庭科の生きる力
- 3 家庭科の教育課程
- 4 家庭科の施設・設備
- 5 家庭科の新学力観
- 6 家庭科の成立
- 7 家庭に関する職業教育
- 8 環境教育と家庭科
- 9 教育評価
- 10 教材研究
- 11 交流教育と家庭科
- 12 国際理解教育と家庭科
- 13 指導法
- 14 授業研究
- 15 生涯学習
- 16 消費者教育と家庭
- 17 生活技術
- 18 生活実践力
- 19 生活知と学校知
- 20 総合学習
- 21 体験的学習
- 22 男女共学・共修家庭科
- 23 ティームティーチング
- 24 比較研究
- 25 福祉教育と家庭科
- 26 ホームプロジェクトと学校家庭科クラブ
- 27 問題解決能力
- 28 歴史研究
- U 家族・人間発達
- 1 愛着/アタッチメント
- 2 アイデンティティ
- 3 親子関係
- 4 核家族
- 5 家族計画
- 6 家族システム論
- 7 家族発達
- 8 家族病理
- 9 家族役割
- 10 家庭環境
- 11 基本的生活習慣
- 12 結婚
- 13 高齢期の家族
- 14 子どもの遊び
- 15 子どもの社会化
- 16 児童(子ども)の権利条約
- 17 児童福祉
- 18 出産
- 19 新生児
- 20 性的成熟
- 21 乳幼児栄養
- 22 人間発達
- 23 妊娠
- 24 夫婦関係
- 25 保育所
- 26 母子相互作用
- 27 母子保健
- 28 母性・父性
- 29 幼児・児童虐待
- 30 ライフサイクル
- 31 離婚
- V 生活システム・家庭経営
- 1 育児・介護休業法
- 2 介護保険制度
- 3 家計管理
- 4 家事労働
- 5 家庭経済
- 6 環境問題
- 7 クーリング・オフ制度
- 8 高齢社会
- 9 高齢者福祉
- 10 在宅介護と施設介護
- 11 ジェンダー
- 12 社会保障
- 13 収入と支出
- 14 障害者福祉
- 15 消費者金融
- 16 消費者信用
- 17 消費者の権利
- 18 消費者問題
- 19 消費生活センター
- 20 生活時間
- 21 生活情報
- 22 生活設計
- 23 生活の自立と共生
- 24 性役割分業
- 25 男女共同参画社会
- 26 ノーマライゼーション
- 27 ヒューマンエコロジー
- 28 物価指数
- 29 ボランティア活動
- 30 リサイクル社会
- W 生活の科学と文化
- 食生活
- 1 栄養所要量
- 2 加工食品
- 3 加熱調理器
- 4 健康食品
- 5 献立
- 6 消化と吸収
- 7 食資源
- 8 食事の文化
- 9 食の外部化
- 10 食品衛生
- 11 食品鑑別
- 12 食品群
- 13 食品材料
- 14 食品成分
- 15 食品成分表
- 16 食品添加物
- 17 食品の流通
- 18 食品表示
- 19 生活習慣病
- 20 代謝
- 21 調理
- 22 テーブルコーディネイト
- 23 特定保健用食品
- 24 日本型食生活
- 25 肥満とヤセ
- 26 輸入食品
- 衣生活
- 1 衣生活の設計
- 2 織物・編物・不織布
- 3 着心地
- 4 既製衣料
- 5 蛍光増白・漂白
- 6 新合繊
- 7 繊維
- 8 洗剤
- 10 染色
- 11 洗濯
- 12 ドライクリーニング
- 13 被服気候
- 14 被服構成
- 15 被服材料
- 16 ファッション
- 17 服飾デザイン
- 18 防虫
- 住生活
- 1 環境共生住宅
- 2 建築基準法
- 3 コーポラティブハウス
- 4 自然エネルギーの利用
- 5 室内環境
- 6 室内計画
- 7 住居の安全性
- 8 住居の維持管理
- 9 住居の構造と材料
- 10 住居の設計
- 11 住居の変遷
- 12 集合住宅
- 13 住生活と健康
- 14 住宅事情
- 15 住宅政策
- 16 住宅内設備
- 17 上下水道
- 18 ライフステージと住生活
- 技術科 重要用語150の基礎知識
- はじめに
- T 技術科教育
- 1 環境保全と技術
- 2 技術
- 3 技術科教育
- 4 技術科の安全教育
- 5 技術科の学習題材
- 6 技術科の学力
- 7 技術科の教材・教具
- 8 技術科の授業設計
- 9 技術科の情報教育
- 10 技術科のティームティーチング
- 11 技術科の特殊性
- 12 技術科の本質的課題
- 13 技術科の問題解決学習
- 14 技術科の歴史的背景
- 15 技能
- 16 勤労体験学習
- 17 産業教育
- 18 手工教育
- 19 職業科
- 20 発達課題としての加工学習
- 21 ものづくりと技術教育
- 22 労作教育
- U 加 工
- 1 加工硬化
- 2 かんな削り
- 3 緊結法
- 4 金工用手工具
- 5 金属の接合
- 6 研削・研磨
- 7 工作機械
- 8 逆目
- 9 ジグ
- 10 製鉄・精錬
- 11 切削
- 12 接着
- 13 せん断
- 14 塑性加工
- 15 鍛造
- 16 鋳造
- 17 継ぎ手(接ぎ手)
- 18 電気用工具
- 19 塗装・表面処理
- 20 ねじ切り
- 21 熱処理
- 22 のこぎり
- 23 木工機械
- 24 木工用手工具
- V 資源・材料
- 1 エネルギー
- 2 改良木材
- 3 間伐材
- 4 金属材料
- 5 金属資源
- 6 合金
- 7 合板
- 8 集成材
- 9 潤滑油
- 10 新素材
- 11 セラミックス
- 12 代替エネルギー
- 13 炭素鋼
- 14 電気材料
- 15 塗料
- 16 プラスチック
- 17 木材資源
- 18 木材・木質材料
- 19 リサイクルの技術
- W システム・エネルギー変換
- 1 インバータ
- 2 外燃機関
- 3 カム装置
- 4 機械要素
- 5 空気調和機(空調機)
- 6 原動機
- 7 コード
- 8 コンデンサ
- 9 サーモスタット
- 10 軸・軸受
- 11 集積回路
- 12 整流器
- 13 送電・配電
- 14 増幅器
- 15 ダイオード
- 16 抵抗加熱
- 17 電気抵抗
- 18 電磁調理器
- 19 電池
- 20 電動機
- 21 動力伝達
- 22 トランジスタ
- 23 トルク
- 24 内燃機関
- 25 燃料
- 26 発電
- 27 半導体素子
- 28 光ファイバー
- 29 変圧器
- 30 変速機
- 31 放電
- 32 マイクロ波加熱
- 33 リンク機構
- 34 漏電
- 35 録音・録画
- 36 ロボット
- 37 ロボコン
- X 作物生産
- 1 育苗
- 2 栄養繁殖
- 3 開花調節
- 4 光合成
- 5 栽培用具・農業機械
- 6 施設栽培
- 7 植物組織培養
- 8 除草
- 9 整枝・誘引
- 10 成長調節
- 11 土壌
- 12 土壌共生菌
- 13 土壌生物
- 14 病害虫防除
- 15 肥料
- 16 品種
- 17 養液栽培
- 18 連作・輪作
- Y 情報処理
- 1 インターフェース
- 2 オペレーティングシステム
- 3 画像処理
- 4 コンピュータシステム
- 5 シミュレーション
- 6 情報ネットワーク
- 7 情報モラル
- 8 信号処理
- 9 人工知能
- 10 数値・論理・文字情報
- 11 制御
- 12 センサー
- 13 ソフトウェア
- 14 知的所有権
- 15 データベース
- 16 プログラム言語
- 17 マルチメディア
- 18 論理回路
- Z 技術一般
- 1 SI単位
- 2 規格
- 3 金属加工用測定器具
- 4 公差
- 5 照明・照度
- 6 設計・製図
- 7 電気測定器具
- 8 電気用品取締法
- 9 投影法
- 10 木材加工用測定器具
- 11 ものづくり基盤技術振興基本法
- 12 わが国の製造業
はじめに(家庭科)
現行の教育課程において,家庭科は小学校と高等学校では独立した教科名称であるが,中学校では技術・家庭科という複合した名称になっている.
家庭科は第二次世界大戦後にアメリカのホ−ムメイキングの影響のもとに成立した.小学校では民主的な家庭建設の理念のもとに,男女共学として成立し今日まで継承されてきた.一方中等学校では性別役割分業観の影響を受けて,女子教科として展開された.しかし,国連婦人の十年の間に“女子差別撤廃条約”が採択(日本は1985年批准)されたことにより,家庭科の男女共学必修が決まった.その蔭には,家庭科にたずさわる多くの先人たちの努力があったことを忘れてはならない.
1989年の学習指導要領の改訂により,中学校と高等学校において家庭科の男女共学が実施されるようになった.社会の偏見に抗して,子ども達は,ほとんど抵抗なく共学家庭科を歓迎しており,家庭科のイメ−ジは変わってきた.少なくとも家庭科の授業においては,家事は女性の仕事であるという言説は過去のものとなりつつある.そして,教科の内容も社会の変革を先取りして,大きく変わりつつある.
21世紀の家庭生活を中心とした人間の生活をどのように方向づけるかは,人類の存続に関わる重大な課題であると言ってよいであろう.今や,環境問題や消費者問題さらに少子高齢化現象等にみられる社会的諸問題はすべて,私たちの日常的な生活様式や生活習慣などと深く関わっており,未来を生きる子ども達一人ひとりに突きつけられる問題である.それ故,家庭科では,子ども達が生活者として自覚し,様々な生活問題を解決できる能力を培うことが重要な課題となってきている.
このように社会の変革や生活問題と深くかかわる実践的な教科である家庭科では,ほとんどの用語が生活的概念と科学的概念とが複雑にからみ合って用いられる.子ども達が,自らの生活世界を理解するためにも,生活認識を深め技能を習得する授業の場においても,さらには教育上の論議をする時にも,用語についての学術的な正確さが要求される.
家庭科で使用される重要用語150の基礎知識の解説を執筆することは,困難な作業であるが,多くの専門的研究者の協力を得ることができた.また編集にあたっては,広島大学教育学部人間生活教育学講座の岡本祐子氏,平田道憲氏,佐藤一精氏,古田幸子氏,岩重博文氏の協力を得た.協力いただいた執筆者と編集者の皆様に感謝を申し上げる.本書が家庭科の教師,学生および研究者の皆様に役立つことを願う.
2000年8月 編者 /福田 公子
-
- 明治図書