- まえがき
- 本書の使い方
- 楽しさいっぱい思わず笑ってしまう英語のお話
- 花火大会 Fireworks
- バースデイケーキ The Birthday Cake
- たのしい色遊び A Fun Color Game
- にきびの王子さま A Prince With Pimples
- おばあさんのメガネ The Old Lady's Glasses
- 元気がわいてくるヴィヴィッドな英語のお話
- 2本の木 Two Trees
- 日曜日の運動場 The Schoolground on Sunday
- 大きいトラックと小さいトラック A Big Truck and a Little Truck
- イスとお父さん Father's Sofa
- 弟なんかいらない I Don't Need a Baby Brother
- ちょっと涙が出てしまう心の栄養になる英語のお話
- 始発電車 The Morning Train
- ゾウ君の卒業式 Elephant's Graduation
- さあ飛び出しておいで Come On Out !
- おじいさんのバラ Grandpa's Rose
- 友だちができたよ I Made New Friends
- 場面の面白さが魅力の意外な英語のお話
- クレヨンさん,ありがとう Thank You, Crayon
- かみなりさまの雨ふりジョウロ Thunder's Watering Can
- お友だちが迷子になりました My Best Friend Is Lost !
- コンの黄色いマフラー Kon's Yellow Muffler
- タコの洋服屋 Octopus Tailor
- 美しいリズムとフレーズのある英語のお話
- 小さな星 A Little Star Is Born
- お地蔵さまとスイセン The Jizo and the Flowers
- 赤ちゃんになりたいの I Want To Be a Baby
- バス停の小さなできごと A Happening at the Bus Stop
- ネズミのしろ子の結婚 Shiroko's Marriage
- あとがき
まえがき
一つの言語を身につけるためには,いくつかの学習原則がある。
幼い頃,現地で身につけるためには,シャワーのように多くの言葉を浴びるほうがいいであろう。大人になってから身につけるためには,文法も併せて理解するほうがいいであろう。
コミュニケーションのためには,音声に重点をおいた学習がいいであろう。文字を通して習得した言葉は,音声としての表現力には乏しいであろう。
わたしたちが小・中学生に英語を教えようとするとき,当然,このような学習の原則をふまえて指導していくことになる。
さて,小・中学校の英語学習に取り入れたい指導原則の一つに,大人による「お話の読み聞かせ」がある。
「お話を聞かせること」の効果は,世界中のお母さんと子どもが体験ずみである。
子どもは,お母さんの昔話を聞いて,想像する力や考える力を養う。母国の言葉やじょうずな言い回しを覚える。さらに,お話の話題から,人としての生き方や社会で住むためのルールさえ学ぶ。
子ども時代に,お母さんやお父さん,おばあちゃんやおじいちゃんから聞いた「お話」がたくさんある人は幸せだし,それは,いつまでも心の中に深く残っているにちがいない。
この意味で,人間教育の基礎は「お話を聞かせること」から始まると言っても言い過ぎではない。
“小・中学校の英語遊びシリーズ第12巻”では,この「お話の読み聞かせ」を英語教育に導入した。
本書に掲載した「毎週1回"読み聞かせ英語のお話"25選」は,学校関係者ではないお2人に原作と翻訳をお願いした。
教師ではない民間の人の感性や思いを,これからの小・中学校の英語教育に生かしていただこうと考えた。
お話の内容は,ページを開いていただければ,すぐにわかっていただける。一話一話に,人の温かい「体温」と「納得」がある。
以前,ある女性アナウンサーが「言葉には温度がある」と言っておられた。わたしは,子どもに聞かせたい「お話」にも同じように温度が必要だと思うのである。
本書の英語のお話で,この温かさを子どもたちといっしょに感じていただければ幸いである。
1話は4ページ構成で,
・第1ページ:英語バージョン
・第2ページ:日本語バージョン
・第3ページ:質問バージョン(英語と日本語)
・第4ページ:解答バージョン(英語と日本語)
となっている。
話題は「花火大会」「日曜日の運動場」「始発電車」「クレヨンさん,ありがとう」など,英語だけでなく,日本語の読み聞かせとしてもじゅうぶん使えるものばかりである。
各セクションに設けた質問コーナーは,お話の内容が理解できたかどうかを確かめるごく簡単な質問である。8問中,5問も正解すれば合格である。英語と日本語のどちらでも,ゲーム感覚で遊んでほしい。
本シリーズの発案は,明治図書出版の樋口雅子さんと江部満氏である。お2人はほんとうに時代をよく見られ,次々と新しい問題提起をしてくださる。企画から原稿執筆,発刊にいたるまで多くのご指導とご支援をいただいたことに,紙面をお借りして厚く感謝申し上げたい。
2000年5月 /長瀬 荘一
-
- 明治図書