- はじめに
- 子どもの生活文化と教育の現状
- 1 子どもの現状と教育の現状
- 2 子どもの生活と文化
- 子どもの絵の表現の発達
- 1 子どもの絵の発達の基本
- 2 子どもの絵の発達の道筋
- (1) なぐりがきの時期(1歳半〜2歳半ごろ)
- (2) 形が表れ,それを象徴的に表現する(象徴期〈2歳半〜4歳ごろ〉)
- (3) 画面に空間秩序を形成する(図式期〈5〜8歳ごろ〉)
- (4) 写実的表現の芽ばえ(写実の黎明期〈8〜11歳ごろ〉)
- (5) 写実的表現が定着する(写実期〈11〜14歳ごろ〉)
- (6) 自己の内面化が進み,芸術にめざめる(完成期〈14〜18歳ごろ〉)
- 3 子どもの発達と創造性
- (1) 創造性とは何か
- (2) 創造性の歴史的展開
- (3) 子どもの成長と創造性の発達
- (4) 創造的活動とそのプロセス
- 美術教育の今日的課題
- 1 教育及び美術教育の基本理念――美術教育の位置づけ
- (1) 子どもの可能性を引き出し深化する教育
- (2) 人間形成の一環として,全人格的発達をめざす教育
- (3) 自己の高まり(充実感)のある教育
- (4) 一人ひとりの個性を発揮する教育
- (5) 人間の生き方を学ぶ教育
- 2 美術教育の意義
- 3 美術教育の今日的課題
- (1) 美術教育の危機
- (2) 授業が成り立たなくなってきている
- (3) 小学校での図工科の課題
- (4) 青年期の美術教育の必要性
- (5) 教育学部改革と教員養成大学の課題
- (6) 美術教育の今日的課題
- 4 これからの教育,これからの美術教育――国際比較・日本の教育の「常識」を考える
- (1) 日本の教育の「常識」を考える
- (2) 日本の美術教育の「常識」を考える
- (3) これからの教育,これからの美術教育
- 5 美術教育の諸問題
- (1) 「基礎・基本」と子ども主役の授業
- (2) 技術指導とマニュアル化
- (3) コンクールの功罪
- 美術の授業の構造と展開
- 1 カリキュラムの編成と教材の研究
- (1) カリキュラムをどう編成するか
- (2) 教育課程の編成は教師の手で
- (3) 教科書とカリキュラムの編成
- 2 授業の組み立て
- (1) 授業――子ども・教材・教師のかかわり
- (2) 題材の設定について
- (3) 授業の構造
- 3 授業の展開
- (1) 導入での取り組み
- (2) 制作過程での取り組み
- (3) 授業の創造
- 4 楽しい造形,楽しい授業――充実感と価値のある授業を求めて
- (1) 楽しい造形とは
- (2) 子どもの感性や学級の耕し
- (3) 授業の中での手だて
- 授業の実践と創造
- 1 見てかく絵の意義とその教材集
- (1) 見てかくことの意義
- (2) 見てかく絵(クロッキーやデッサン)の教材
- 2 生活を見つめる「生活画」の授業
- (1) 生活画の意味と歴史
- (2) 生活画の指導や支援をどうするか
- 3 新しい造形表現の開発
- (1) ユニークな発想や感覚による新しい教材の開発
- (2) 新しい造形表現の題材集
- 4 粘土を使って遊ぼう
- (1) 粘土による学習の意味
- (2) 粘土で遊ぶ教材集
- 5 ものをつくる活動の必要性
- (1) ものをつくる活動の意義
- (2) 工作指導と支援
- 6 総合学習と美術教育
- (1) 総合学習の内容と形態
- (2) 美術教育として総合学習にどうかかわるか
- 7 美術の鑑賞教育
- (1) 美学の立場から
- (2) 鑑賞教育の意義
- (3) 鑑賞の方法
はじめに
子どもの育ちが年々変容し,不登校,学級崩壊などいままでの学校づくり,学級づくり,授業形態では対応しきれない状況になってきている。美術教育においても,2002年の教育課程の改訂にともない,総合学習とのかかわりや時間数の削減などにより教育内容の検討と,子ども主体で「生きる力」を育つ授業のあり方の検討が迫られている。
この『美術教育の基軸と課題』では,美術教育の“基軸”,つまり美術教育の思想的組織的な土台となる理論的構築と,これからの美術教育の課題と展望を明らかにしていきたいと考えている。
また,以前に出版した『美術教育と人間形成』(創元社・1986年)は中国語にも翻訳(『孩子与美術』〈中国・北京/林業出版・1994年〉)されたが,この本がわたしの美術教育の考えをまとめたものであった。しかし,1998年はじめに絶版となり,そこでもう一歩前進させて,自分の美術教育観をまとめておこうとこの本に取り組んだ。したがって『美術教育と人間形成』の内容で一部修正してそのまま掲載している部分があるので了承してほしい。
またここ数年,全国の多くの先生方と明治図書出版の協力を得て,実際に実践する中で,子どもが胸をときめかして取り組んだ教材を集め,そのヒントとアイデアを記録した『ヒット教材集』,体験をともなうこれからの学校づくりや総合学習の手がかりや創造につながる『手づくり遊びと体験シリーズ全30巻』を出版してきた。この『美術教育の基軸と課題』はその理論編というか,その理論的な基軸となることを願って出版した。
これからも子どもの教育,子どもの美術教育の理論と実践を両輪に研究を進めていきたいと思うが,何よりも子どもと直接かかわる先生方と共に研究し,共に深め合っていき,その成果が子どもに返っていくことを願っている。共に頑張っていきたいと考えています。
また,この本に掲載させていただきました素晴らしい作品を指導された先生方と素敵な作品を制作してくれたみなさん,そしてこの本の出版にあたり,明治図書の石塚嘉典氏と橘亜希さんに大変お世話になりましたことを紙面を借りてお礼をさせていただきます。
1998年10月 /東山 明
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明治図書















